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住宅ローンは定年後まで返して大丈夫?完済年齢と老後の備え方

住宅ローンを組む時に、定年までに返済となると毎月高額返済になってしまうことがあります。定年を迎えた後にも支払うような長期のローンではどうすればいいでしょうか?定年後までに完済すべきなのか考えてみましょう。

60歳までに完済したい住宅ローン

住宅ローンは、多くの金融機関で借入時の年齢が18歳以上70歳未満、完済時の年齢が80歳未満とされています(三菱UFJ銀行 公式コラムほか)。近年は最長50年まで借りられる商品も登場しており、たとえばSBI新生銀行は2025年10月に最長50年の取り扱いを始めています(完済時年齢が満80歳未満であることが条件)。晩婚化や住宅価格の上昇もあり、定年以降になっても返済が続くという方は少なくありません。

ただし、「借りられる期間」と「無理なく返せる期間」は別物です。定年を迎えるということは、多くの場合、収入が大きく減るということにつながります。だからこそ、定年までに完済することが理想なのです。

働ける環境そのものは整ってきています。高年齢者雇用安定法の経過措置が2025年3月31日で終了し、2025年4月1日以降は「定年の廃止」「65歳までの定年引き上げ」「希望者全員の65歳までの継続雇用制度」のいずれかを講じることが企業に義務づけられました(厚生労働省)。さらに、70歳までの就業機会の確保も努力義務とされています。

とはいえ、継続雇用や再雇用では給与が大きく下がるのが一般的です。加えて、収入減を補ってきた高年齢雇用継続給付も2025年4月以降に60歳になる方から給付率が引き下げられています(詳細はハローワークでご確認ください)。公的年金の支給開始は原則65歳ですから、60代前半は「収入は下がったのに年金はまだ」という期間になりやすいのです。

多くの人が今までと同じように払うのが厳しくなるという年齢が60歳です。
そのため、老後の生活のためにも60歳までに完済しておくのが理想なのです。

老後はお金がかかる!払えなくなったらどうなる?


老後は、マイホームも修繕が必要になったり、医療費や介護費用などがかかるようになります。お子さんやお孫さんへの援助をするというご家庭もあるでしょう。

しかし、現実には年金だけで生活するのは厳しいものです。足りない分を貯金を切り崩して生活している人が多いです。その状況で住宅ローンの返済も加わると払えなくなるということも出てきます。

住宅ローンが払えなくなると、一定期間が過ぎた後一括返済を求められます。その後競売を勧められ、それでもお金が用意できない時には自分で家を売るか競売で売られるかということに・・・せっかく定年まで返済してきたにも関わらず、思い出も家も手放さなければならなくなるのです。

ただし、いちばんいけないのは「払えないまま黙っている」ことです。返済がきびしくなりそうだと感じた段階で、まずは借入先の金融機関に相談してください。事情によっては返済期間の延長や、一定期間の返済額の減額といった条件変更(リスケジュール)に応じてもらえる場合があります。延滞が続いてからでは選べる手が減ってしまうため、早い相談ほど選択肢が多いと覚えておきましょう。

そんな状況には誰でもなりたくありませんが、60歳までに完済というのは簡単ではなく誰でもできることではありません。そのため、困らないように早めに対応していきましょう。

定年退職後に困らないためにできること

毎月、しっかり貯金できるという場合は、繰り上げ返済するようにしましょう。
ただし、お子さまがいる場合には学費などでまとまったお金が必要になる時がありますし、年齢とともに予期せぬ医療費などでお金がかかります。

貯金を全て繰り上げ返済に充てるのは大変危険ですから慎重に検討しましょう。手元の現金は、いざというときに家計を守る「保険」でもあります。生活費の半年分程度は残す、といった目安を決めておくと安心です。

他には、退職金で残額を支払うという人は多いです。
ただ、早いうちから退職金を当てにしてはいけません。出るかどうか確実ではないからです。就業規則などで、退職金が出るのかどうか・出る場合はどれぐらい出るのかなどおおまかな金額だけは把握しておきましょう。

そして、年金がどれぐらい出るのかも確認しておく必要があります。毎年、誕生日の月になると「ねんきん定期便」が届いていると思いますが、そこに50歳をすぎると年金見込額も書かれています。50歳未満の方や、より詳しく確認したい方は、日本年金機構の「ねんきんネット」や、厚生労働省が2022年4月に公開した「公的年金シミュレーター」も利用できます。

なお、公的年金は受け取り開始を遅らせることもできます。2022年4月からは繰下げの上限が70歳から75歳に引き上げられ、1か月遅らせるごとに0.7%、最大84%増額されます(日本年金機構)。増えた年金額は一生変わりません。65歳以降も働ける見込みがあるなら、「繰下げで年金を増やす」か「その間に住宅ローンを返す」かを、家計全体で比べて考えてみましょう。

この金額をもとに、定年退職後でも住宅ローンを支払っていけるのかシミュレーションをしておくことも大切です。

今現在は働いていて収入もありますが、先の事は誰にもわかりませんよね。
しかし、わからないと言ってそのままにしておくのではなく、将来に備えて今からしっかり貯蓄して定年後に備えましょう。

それでも定年後に残りそうなときの選択肢

シミュレーションの結果、定年後にまとまった残債が残りそうだと分かっても、打てる手はあります。おもな選択肢を整理しておきましょう。

選択肢 どんな効果があるか 注意点
繰上返済(期間短縮型) 完済年齢を前倒しできる 手元資金を使いすぎない
借り換え 金利や返済額を見直せる 諸費用がかかる・審査がある
金融機関への条件変更の相談 返済額を一時的に抑えられる 総返済額は増えやすい・早めの相談が前提
【リ・バース60】 毎月の支払いを利息のみにできる 元金は死亡時に自宅売却等で返済
住み替え・ダウンサイジング 住居費そのものを下げられる 売却価格や住み替え先の検討が必要

このうち【リ・バース60】は、住宅金融支援機構の住宅融資保険を使った満60歳以上向けのリバースモーゲージ型住宅ローンで、民間の金融機関が取り扱っています。毎月の支払いは利息のみで、元金は契約者が亡くなったときに相続人が一括返済するか、担保となっている住宅・土地の売却で返済する仕組みです。住宅の建設・購入・リフォームのほか、住宅ローンの借り換えにも利用できます。融資限度額は担保評価額の50%または60%(長期優良住宅で満60歳以上の場合は55%または65%)で、1億2,000万円以下かつ所要資金以内です。利用できる年齢や商品内容は取扱金融機関ごとに異なるため、条件は必ず各金融機関でご確認ください。

よくある質問

Q. 何歳まで住宅ローンを借りられますか?

多くの金融機関で借入時70歳未満・完済時80歳未満が目安です。ただし完済時年齢の上限から逆算されるため、たとえば50歳で申し込むと、35年ではなく30年程度までしか組めない、ということが起こります。

Q. 返済期間は長いほうがいいですか、短いほうがいいですか?

期間を長くすると毎月の返済額は下がりますが、支払う利息の総額は増え、完済年齢も上がります。まず「定年までに返し終わるか」を基準に考え、どうしても届かない場合に、繰上返済で短縮していく前提で長めに組む、という順番がおすすめです。

Q. 退職金で一括返済するのは正解ですか?

残債と手元資金のバランス次第です。老後の生活費・医療費・介護費用を残さずに一括返済してしまうと、その後の生活が苦しくなります。また、完済すると団体信用生命保険(団信)の保障も終わります。返済負担と保障のバランスも含めて検討しましょう。

Q. 定年後に借り換えはできますか?

収入や年齢の条件によっては難しい場合もありますが、まったく不可能というわけではありません。退職前の、収入が安定しているうちに検討しておくほうが選択肢は広がります。

老後の家計は、住宅ローンの残り方ひとつで大きく変わります。制度や商品の内容は変更されることがありますので、最新の取り扱いは各金融機関・関係機関の公式サイトでご確認ください

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