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不動産の商談を優位に進める場所とは|自宅・現地・オンラインの使い分け

マンションや一戸建てなど購入を検討できる物件が見つかると、質問や金額交渉、申込みや契約などの商談が進んでいきます。
不動産会社はそれらの商談を、「現地で質問を伺いながら」とか「記入する書類がある」などの理由で不動産会社の事務所や販売物件で行うよう勧めてきます。

確かにその方が効率的かも知れませんが、商談を優位に進めるという観点からすると決してお勧めではありません。
今回は、「商談を優位に進める場所」について説明していきます。

主導権を握る場所とは?

特に金額交渉と購入申込みにおいては、「場所」が重要となってきます。
これらの商談を相手方の場所で行うことは「アウェー」で試合するのと同じ意味になるのです。

ですから交渉事を進める場合は、不動産会社の担当者に自分が最もリラックスできる「自宅」に来てもらうのです。そうすれば、アウェーでは言いにくいような「突っ込んだ質問」や「思い切った要望」などもしっかり投げかけることができます。

もちろん、自宅に上がってもらうことに抵抗がある方もいるでしょう。その場合は、静かなカフェや公共施設のミーティングスペースなど、どちらの陣地でもない「第三の場所」でも構いません。大切なのは場所そのものより、「相手のペースではなく、自分のペースで話せる状態をつくること」です。時間を区切らず落ち着いて話せるか、家族と小声で相談できるか——この2点を基準に選びましょう。

家族会議の場所は自宅が良い?

申込みや契約を決断するために、多くの方が家族会議の場を持つのではないかと思います。

ところが、その重要な家族会議を行う「場所」については軽視されがちです。
おもに自宅か現地が考えられますが、どちらが良いのでしょう。

まず、自宅で行うメリットは「冷静」になれる点です。
現地ですと、「買いたい」という気持ちが「買うしかない」という雰囲気を作り出してしまいます。その点、自宅なら「まだ自分の家になった訳ではない」という冷静さを持つ事ができます。

一方、デメリットは「食い違いが生じやすい」という事です。しっかり現地を見たはずなのに、家族同士で感覚が異なっていたり、家具の配置について意見が違ったりして意見がまとまらなくなったりします。

オンライン商談・IT重説という「第三の選択肢」

いまは、商談の場所としてオンラインも現実的な選択肢になっています。2021年のデジタル社会形成整備法により宅地建物取引業法が改正され、2022年5月18日から、重要事項説明書や契約締結時の書面などを、相手方の承諾を得たうえで電磁的方法(電子データ)で提供できるようになりました。あわせて宅地建物取引士の押印義務も廃止されています(国土交通省「ITを活用した重要事項説明及び書面の電子化について」)。テレビ会議等を使ったIT重説も、賃貸・売買ともに実施できます。

オンラインの利点は、移動時間がかからず、自宅から家族そろって参加できることです。その場の雰囲気に流されにくく、疑問点をメモしながら確認しやすいという意味では、交渉を落ち着いて進めたい人に向いています。

一方で、次の点には注意してください。

電子交付には自分の承諾が必要です。「紙でほしい」と伝えれば書面で受け取れます。急かされて安易に承諾しないようにしましょう。
・画面越しでは資料の細かい文字や図面を見落としやすいため、重要事項説明書は事前にデータをもらい、目を通してから臨むのが安全です。
・通信が途切れたら遠慮せずその場で止めてもらうこと。聞き取れないまま先へ進まないのが鉄則です。
・受け取った電子書面は、あとから読み返せるように必ず保存しておきましょう。

「効率」と「効果」の両方を満たす家族会議の場とは?

では、最もお勧めする家族会議の進め方をお教えします。

まず、自宅で家族会議をして全員の意思を確認し、購入か否かの方向性を決めます。そして、その時点で表面化した食い違いを整理しておきます。

次に、現地を見て、家具の配置や個々部屋の使い方について確認し、妥協を必要とする点があれば納得するまで話し合い、その日は帰宅します。そして、自宅で最終的な意思確認をします。

翌日以降、自宅に不動産会社の担当者に来てもらって、申込み(または契約)の意思表示をします。
これなら、自宅と現地のメリットを生かし、デメリットも解消できますね。

場面 おすすめの場所 理由
物件の確認・使い方の相談 現地 家具配置や生活動線を実感できる
家族の意思確認 自宅 その場の勢いに流されず冷静になれる
金額交渉・要望の提示 自宅または第三の場所 言いにくいことを落ち着いて伝えられる
重要事項説明・契約 自宅・事務所・オンライン 資料を手元で確認しながら進められる
即答を求められたとき いったん持ち帰る その場で決めない仕組みをつくる

交渉の前に「資金の裏付け」を用意しておく

場所づくりと同じくらい交渉力を左右するのが、「いくらまで、いつまでに用意できるか」がはっきりしていることです。売主側は、資金の裏付けがある買主を優先します。

そのため、金額交渉に入る前に住宅ローンの事前審査(仮審査)を通しておくと、交渉のテーブルで強い立場に立てます。金融機関ごとに手続きは異なり、たとえばSBI新生銀行のように原則として事前審査を行わず本審査のみで完結する銀行もあります。この場合は必要書類を早めにそろえておくと、スケジュールに余裕が生まれます。他行と併願するなら、他行の事前審査を先に済ませておくのもひとつの方法です。審査の流れや必要書類は金融機関によって異なるため、詳しくは各金融機関の公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q. 自宅に来てもらうのは気が引けます。断っても不利になりませんか?

なりません。場所の希望を伝えるのは買主として当然のことです。自宅が難しければ、カフェや公共施設、オンラインなど落ち着いて話せる場所を指定しましょう。

Q. その場で「今日決めていただければ」と言われたら?

決めなくて構いません。即決を求められたら、いったん持ち帰るのが鉄則です。数千万円の買い物で、一日考える時間を認めない相手なら、その姿勢自体を判断材料にしましょう。

Q. 商談は何回くらいが適当ですか?

回数が増えるほど「重箱の隅」に目が行き、判断が鈍りがちです。目安は商談・家族会議とも2〜3回程度。回を重ねる前に、確認したい項目をリスト化しておくと短く済みます。

Q. オンラインで契約まで済ませても大丈夫ですか?

法令上は可能です(2022年5月18日施行の改正宅建業法)。ただし電子交付にはあなたの承諾が必要で、紙での交付を希望することもできます。資料を読み込む時間を確保できるかどうかで選びましょう。

まとめ

商談や会議において、自宅と現地の使い分けは理解して頂けた事でしょう。

ただ注意点として、「商談と会議」が目的ではなく、あくまで「商談を優位に運ぶこと」や「購入するか否かを決める」ための手段であるということを認識しておきましょう。
それらの回数が増えて来ると、「重箱の隅」に目が行きがちになります。ですから、商談・会議の回数はそれぞれ2〜3回程度とすべきでしょう。

そして、場所と同じくらい大切なのが「その場で決めない仕組み」を自分たちで用意しておくことです。落ち着いて話せる場所を選び、資金の裏付けを整えておけば、交渉は自然と有利に進みます。

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