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未完成の新築建売住宅を買うときの注意点|引渡し・手付金・保証

現在の居住地の近くや希少エリア内の新築建売住宅であれば、迷っている間に他の誰かに決められてしまうかも知れませんので、建築中であっても契約を結ぶことがあるでしょう。

もちろん、返済計画や住宅ローンの審査などをクリアした上で決断するでしょう。
ただ、他にもいくつか注意しておかなければならない事があります。

今回は、未完成の新築建売住宅を購入する際に注意しておくポイントについて、初めて住宅を買う方にも分かるようにやさしく説明していきます。

完成予定日に間に合わなかった場合の措置について、契約時に取決めしておく

未完成と言っても、上棟・サッシ・外壁まで完了していれば、だいたいの完成時期は読めますから、期日の大きなズレは少ないでしょう。

でも、まだそこまで進捗していないようであれば、ある程度の幅を持ってでも、売主に引渡し予定時期を明示させ、それまでに引渡しができなかった場合の措置について取決めるようにした方が良いでしょう。

そうしないと、職人が足りないとか悪天候などの理由を付けられて、何のプレッシャーも無く安易に工事を遅延されてしまいます。

確かに、作業員の人材不足は業界でも問題視されており、昨今の天候不順には極端なケースも多いでしょう。建設業には2024年4月から時間外労働の上限規制が適用されており、工期の考え方そのものが以前より慎重になっているという事情もあります。

しかし、それを盾に、いつまでも引渡しを延ばされてしまっては、先の予定も見えませんし、住宅ローンの金利が上昇してしまうといった負担増に発展する恐れもあります。

ここは初めて家を買う方が見落としやすいところなので、少し補足します。住宅ローンの金利は「契約したとき」ではなく「お金を受け取るとき(融資実行時)」の金利が適用されるのが一般的です。たとえば【フラット35】は「申込時ではなく、資金受取時の金利となります」と公式に案内されています。つまり引渡しが3か月ずれれば、適用される金利も3か月後のものになるわけです。

金利は実際に動いています。大手5行が2026年8月に適用する住宅ローン金利では、10年固定型の最優遇金利が5行とも前月から引き上げられた一方、変動型は5行とも据え置きとなりました(長期金利の上昇を反映したものと報じられています)。上がる月もあれば据え置きの月もあり、先のことは誰にも分かりません。だからこそ「いつ引き渡されるか」を曖昧にしないことが、そのまま資金計画を守ることにつながります。

対策としては、契約書に次の点が書かれているかを確認してください。

・引渡し予定日(「◯年◯月末日」のように具体的に)
・引渡しが遅れた場合の遅延損害金の取り決め
・一定期間を超えて遅れた場合に契約を解除できるか、その際に手付金は返還されるか

なお、金利の扱い(申込時と実行時のどちらが適用されるか、金利が確定するタイミング)は金融機関ごとに違います。引渡しが延びる可能性がある物件では、申し込む前に金融機関へ必ず確認しておきましょう。

手付金は守られている?「保全措置」を確認しておく

未完成物件でとくに不安になるのが、「工事の途中で売主の会社が倒産したら、支払ったお金はどうなるの?」という点です。

ここは法律で買主が守られています。売主が不動産会社(宅地建物取引業者)で買主が一般の個人の場合、宅地建物取引業法により「手付金等の保全措置」が義務づけられています。基準は物件の状態によって変わります。

物件の状態 保全措置が必要になる金額 備考
未完成物件(工事完了前) 手付金等が代金の5%超、または1,000万円 銀行等の保証、保証保険で保全
完成物件(工事完了後) 手付金等が代金の10%超、または1,000万円 上記に加え、指定保管機関による保管も可
手付金の上限(共通) 代金の20%を超えて受け取ることはできない 売主が不動産会社の場合

ポイントは、未完成物件のほうが基準が厳しい(5%で保全が必要)ということ。それだけリスクがあると法律が想定しているわけです。手付金と中間金を分けて払う場合は合計額で判断されます。

重要事項説明では「手付金等の保全措置の概要」が説明されます。聞き流さずに、どの方法で、どこが保証してくれるのかを確認しておきましょう。

内外装の仕上げは、契約前に確認し、間違っていたらやり直し・補償請求

未完成物件を購入する場合、営業マンによっては買主に類似物件を見学してもらい、内外装や設備仕様を確認しながら商談を進めるといった“気の利いた”人もいます。

確かにこの進め方であれば、基本仕様を確認できますし、類似物件と相違する点については書面やプレゼン資料などに明示してもらうようにすれば、言った言わないなどの矛盾も防ぐ事ができます。

ただ、売主会社のレベルに問題があると、間違った仕様のまま完成して工事をやり直すにしても、買主側の引越し時期が迫っていたりしてそのまま引渡され、買主は泣き寝入りすると言ったケースがあったりします。

引越しが迫っているなら、引越し後でもやり直させ、且つ一定の補償を求める事さえ厭わない姿勢を見せましょう。

証拠を残すコツはシンプルです。

・打ち合わせの結論は、その場でメールに書いて送り返す(「本日確認した仕様は以下の通りで相違ないでしょうか」)
・見学した類似物件の設備は写真で残す(許可を得たうえで)
・仕様変更が出たら、変更後の図面・仕様書を必ず受け取る

なお、2020年4月の民法改正により、引き渡されたものが契約の内容に合っていない場合の売主の責任は「契約不適合責任」と呼ばれるようになりました。買主は、修補(直してもらうこと)・代金の減額・損害賠償・契約解除を求めることができます。「契約書や仕様書に何と書いてあったか」が出発点になるので、書面を残す意味はここにあります。

完成内覧会の不具合箇所とキズのチェックでは、妥協しない姿勢を見せる

建物が完成すると内覧会が行われますが、その主旨は、設備仕様の取扱説明キズや不具合箇所のチェックになります。

大事なのはもちろん後者ですが、できれば家族全員と住宅購入者の親戚・知人にも同席してもらうと、チェックの見落としを減らす事ができます。

内覧会では、売主会社側の担当者が進行を務めますが、できるだけキズチェックを拾わない進め方をしようとします。しかし、購入するのは新築の商品ですから、とことん補修を求め安易な妥協はしないようにしましょう。

当日は次のものを持っていくと、指摘が具体的になります。

付箋(マスキングテープ)…気になった箇所にその場で貼る。写真を撮るときの目印にもなる
スマートフォン…指摘箇所を写真に残す
ビー玉や水平器アプリ…床の傾きの目安を見る
指摘リスト(書面)…「いつまでに、どう直すか」を書き込んで双方で1部ずつ持つ

とくに大事なのが最後の「書面で残す」です。口頭の約束は、担当者が代わった瞬間に消えます。補修の期限と再確認の日程まで決めておきましょう。

引渡し後に不具合が見つかったら? 新築住宅には10年間の備えがある

「内覧会で見つけられなかった不具合はどうなるの?」と不安になりますが、新築住宅にはきちんとした制度があります。

住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)により、新築住宅の売主は、引渡しから10年間、「構造耐力上主要な部分」(基礎・柱・はり・床など)と「雨水の浸入を防止する部分」(屋根・外壁・開口部など)の瑕疵について責任を負います。これに反する特約は無効です。

さらに、住宅瑕疵担保履行法により、2009年10月1日以降に新築住宅を引き渡す売主(不動産会社・建設業者)は、保険への加入か保証金の供託が義務づけられています。これは売主が倒産しても補修費用が確保されるようにするための仕組みで、保険の場合は買主が保険法人へ直接請求できる道も用意されています。

注意したいのは、10年間守られるのは「構造」と「雨漏り」に関する部分だということ。設備の不具合や内装のキズは対象が異なり、期間も短いのが一般的です。だからこそ内覧会でのチェックが重要になるわけです。

引渡し時には、次の書類が渡されているかを確認しましょう。

・住宅瑕疵担保責任保険の付保証明書(または供託の説明書面)
・設備の保証書・取扱説明書
・アフターサービス基準(何を何年保証するかの一覧)

未完成物件を買うときのFAQ

Q. そもそも、建物が完成する前に契約して大丈夫なのでしょうか?
違法ではありませんし、人気エリアでは珍しくありません。ただし建築確認を受けていない段階では、広告も契約もできないと法律で決められています(宅地建物取引業法)。「まだ確認申請中です」と言われたら、その時点での契約はできません。確認済証の有無は必ず確認してください。

Q. 完成前なので実物を見られません。何を見れば判断できますか?
同じ売主・同じシリーズの完成済み物件(分譲済みの隣接地や別現場)を見せてもらうのが一番確実です。あわせて、工事中の現場を外から見て、資材の置き方や整理整頓の様子を見るのも参考になります。現場がきれいな会社は、見えない部分の仕事も丁寧なことが多いものです。

Q. 契約後に「工事が遅れます」と言われたら、断って解約できますか?
契約書の定め次第です。だからこそ契約前に「遅延した場合の取り決め」を入れておくことが大切になります。何も書かれていない状態で長期間待たされると、交渉の材料がなくなってしまいます。

Q. 引渡しが延びると、住宅ローンの審査はやり直しになりますか?
金融機関の審査には有効期限があり、期限を過ぎると再審査になることがあります。その間に転職・車のローン・クレジットカードの延滞などがあると結果が変わる可能性もあるため、引渡しまでは新たな借り入れを増やさないのが鉄則です。遅延が見込まれた時点で、早めに金融機関へ連絡しておきましょう。

Q. 値引きしてもらえないなら、未完成で買う意味はありますか?
あります。未完成だからこそ「引渡し期日の確約」「仕様の確認」「補修の徹底」という、お金以外の条件を交渉しやすいのです。値引き交渉が難しい物件ほど、こちらに力を入れましょう。

まとめ

未完成物件の購入では、希少エリア内の物件である事や売れ残り物件ではない事から、売主会社は値引きやサービスに応じないのが通常です。

ですから、その分、引渡し期日を確約させ、仕様ミスを追及し、不具合箇所やキズの補修を徹底させるといった、買主の権利をしっかりと主張し、未完成で購入するアドバンテージを享受するようにしましょう。

最後に、押さえておきたい点をもう一度整理します。

・引渡し予定日と遅れた場合の措置を契約書に明記させる
・住宅ローンは融資実行時の金利が適用されるのが一般的。遅延は資金計画に直結する
・手付金には保全措置がある(未完成は代金の5%超で必要)
・仕様のやり取りは必ず書面・メールで残す
・内覧会の指摘は期限つきの書面にして双方で持つ
・引渡し後も構造と雨漏りは10年間の責任がある

不安な点は、遠慮せず担当者に質問して構いません。質問を書面で残すこと自体が、いちばん確実な自衛策です。

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