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住宅ローン審査のポイント|公的調査で見る通るための注意点まとめ

住宅ローンを組むには、審査に通らなければいけません。 当然審査に通らなければ、マイホームの購入も夢で終わってしまいます。 夢のマイホームを購入するためにも、審査基準を知っておく必要があります。 とはいえ、審査基準は金融機関ごとに違い、細かい内容は公表されていません。そこでこの記事では、国土交通省が全国の金融機関に毎年たずねている公的な調査の結果をもとに、「実際に、どの項目が、どのくらいの割合で見られているのか」を確認しながら順に見ていきましょう。

現在の自分や物件の状況に関わる審査基準

審査されるポイントの中で、絶対に変えられないことや変えることが難しい項目があります。例えば、年齢や物件の状況は自分では絶対に変えられませんし、住宅ローンのために仕事を変えるのは難しいですよね。 まずは、それらの項目について見てみましょう。

そもそも、どの項目が見られているのか

国土交通省「令和7年度 民間住宅ローンの実態に関する調査」(回答機関994、調査時点は令和7年10月~12月)によると、融資を行う際に考慮する項目として9割以上の機関が挙げたのは、完済時年齢・借入時年齢・健康状態・年収・勤続年数・担保評価・返済負担率でした。
住宅ローンの融資審査で考慮される項目の割合を示す横棒グラフ
複数回答。長期・固定金利の住宅ローン等に関する融資審査の設問への回答です。
年齢と健康状態が年収より上に来ているのが、意外に感じられるかもしれません。ここが住宅ローン審査の特徴です。 <年齢について> 借入時の年齢と完済予定時の年齢は、どちらも審査に影響します。同調査で完済時年齢の具体的な基準を答えた機関では、「80歳未満」とする回答が716機関と圧倒的に多く、次いで「85歳未満」(65機関)、「75歳未満」(42機関)でした。借入時年齢は「65歳未満」(247機関)「70歳未満」(194機関)などに分かれています。 つまり「何歳まで借りられるか」は金融機関ごとに違い、一律ではありません。ただ、完済時年齢の上限が決まっている以上、借入時の年齢が高いほど返済期間を短くせざるを得ず、毎月の返済額が上がるという関係になります。年齢が高いほど審査が難しくなりやすいのは、このためです。 親子二世代に渡って返済していく親子リレー返済だと高齢でも借入れできる場合がありますが、承継する側にも返済義務が生じるなど注意点があるため、条件をよく確認してください。 <勤務先の勤続年数など> 審査で大切になるのが、安定をした収入があるかどうかという事。勤続年数の長さは、信用につながります。 ただし「3年勤めていないと無理」というのは、いまや思い込みかもしれません。同調査で勤続年数の基準を答えた機関では、「1年以上」が612機関と最も多く、「3年以上」は128機関、「2年以上」は53機関でした。 雇用形態については、「派遣社員は対象外」とした機関が368、「契約社員は対象外」が312ある一方、「自営業者は対象外」とした機関は10にとどまります。自営業だから借りられない、ということではありません。ただし収入の安定性を見る観点から、確定申告書を複数年分求められるなど、確認される内容は勤め人と異なります。 <担保物件の価値> 銀行の抵当権がつく担保となる物件。物件の価値も審査に影響を与えます。同調査でも担保評価を審査項目とする機関は91.0%にのぼり、そのうち498機関が「融資判断に影響する」と回答しています。物件価格が高いからと言って担保価値が高いとは限りません。銀行が評価額を決定します。 <金融機関の営業エリア> 見落としやすいのがこれです。審査項目に「金融機関の営業エリア」を挙げた機関は89.2%で、「エリア内に居住」(811機関)、「エリア内に勤務」(565機関)が条件になっています。地域の金融機関を検討する場合は、そもそも自分が申込対象になるかを最初に確認しておきましょう。

特に注意しておきたい審査項目は債務について

クレジットカードと住宅ローン審査のイメージ 一方、自分自身である程度対応できる項目があります。それが債務についてです。 債務がある事で、借入金額に制限がかかってしまったり、審査に落ちてしまう場合があります。 前述の調査では、「カードローン等の他の債務の状況や返済履歴」を審査項目とする機関が72.5%「返済負担率」を審査項目とする機関が90.9%となっています。他の借入れは、しっかり見られていると考えてください。

返済負担率はどのくらいが目安?

返済負担率(返済比率)は、税込み年収に対する年間返済額の割合のことです。同調査で「年収にかかわらず一律に基準を決めている」と答えた機関の内訳は、「40%以内」が74機関、「35%以内」が58機関、「30%以内」が39機関でした。ただし多くの機関は年収に応じて基準を変えており、一律の数字があるわけではありません。 そして大切なのは、この数字は「借りられる上限」であって「無理なく返せる金額」ではないということです。参考までに、住宅金融支援機構「2025年度フラット35利用者調査」では、実際の利用者の平均総返済負担率は22.8%でした。上限いっぱいまで借りている人ばかりではない、ということですね。

意外と見落としがちな「借入れ」

自分では難しく考えずに借り入れはしているものです。 すでに自動車購入や結婚費用、医療関係などでローンを組んでいませんか? クレジットカードのリボ払いも含まれますし、スマートフォン本体の分割払い(割賦)も個人信用情報に登録されるため、審査で確認されることがあります。 また、これらの支払いで延滞などしてしまうと、返済履歴として記録が残り、さらに不利になってしまいますから注意が必要ですね。 マイホームの購入をしよう!と思ったら、それ以外のことは極力ローンやリボ払いにしないようにしたり、すでに組んでいるローンの支払いを完了させるなどの対応をしましょう。使っていないカードローンやキャッシング枠は、契約が残っているだけで借入可能額として扱われることがあるため、解約しておくのも一つの方法です。

健康状態についても重要

最後は、住宅ローンを借りるための条件についてです。 住宅ローンを組む際に、ほとんどの金融機関でも団体信用生命保険への加入が条件となります。これは実際の調査結果にも表れており、健康状態を審査項目とした機関のうち「団信加入が必要」と答えたのが834機関、「団信加入は選択可能」が89機関、「団信加入は不要」はわずか2機関でした。 団体信用生命保険は、住宅ローン専門の生命保険のようなもので、万が一債務者が死亡や高度障害になってしまった際に、支払いを免除されるために加入します。 将来どうなるのかわかりませんから、金融機関にとっても債務者側にとっても安心できる保険になっています。 しかし、現在の健康状態で加入できないとなると、住宅ローンを借りる条件を満たせなくなります。そのため、審査に通る事が出来ません。

持病がある方の選択肢

すでに何らかの病気や持病をお持ちの方で保険の審査が厳しいという方には、次のような方法があります。
  • ワイド団信……引受条件を緩和した団信です。取り扱う金融機関は限られ、通常の団信より金利に上乗せが必要になるのが一般的です。取り扱いの有無・引受条件・上乗せ幅は金融機関ごとに異なりますので、各金融機関の公式サイトでご確認ください。
  • 【フラット35】を利用する……住宅金融支援機構は公式サイトで「健康上の理由その他の事情で団体信用生命保険に加入されない場合も【フラット35】・【フラット20】・【フラット50】をご利用いただけます」と明記しています。団信に加入しない場合の借入金利は、加入する場合と異なります。
団信に加入しない場合は、万一のときにローンが残ることになります。その分を民間の生命保険で備えるなど、家族が困らない形を別に用意しておくことが大切です。

告知は正確に

団信は生命保険ですので、健康状態の告知は正確に行ってください。事実と異なる告知をすると、いざというときに保険金が支払われず、ローンだけが残る事態になりかねません。「これくらいなら書かなくても」という自己判断が、いちばん危険です。

事前審査(仮審査)と本審査の違い

はじめての方がとまどいやすいのが、審査が2段階になっていることです。
比較の観点事前審査(仮審査)本審査
目的借入れができそうかの目安を確認する正式に融資の可否を決める
タイミング物件の申込み・購入契約の前後売買契約・工事請負契約のあと
必要な書類本人確認書類・収入がわかる書類など比較的簡易物件の資料、詳細な収入・納税の資料など一式
団信の審査行われないことが多い健康状態の告知を行う
注意点事前審査に通っても本審査で否決されることがあります。事前審査=確約ではありません
なお、金融機関によって進め方は異なります。たとえばSBI新生銀行は、公式の解説で「原則として事前審査を行わず本審査のみ」としており、申込みが1回で済む一方、最初から必要書類を一式そろえる形になります。他行と併願する場合は、他行側の事前審査を先に済ませておくと段取りがスムーズです。こうした違いも、申し込む前に確認しておきたいポイントです。 ちなみに審査の進め方そのものも一律ではなく、同調査では「スコアリング方式では審査を行っていない」と答えた機関が59.9%と最も多く、点数だけで機械的に決まるわけではないことがうかがえます。

審査についてよく聞かれること

Q. 転職してすぐですが、申し込めますか?

A. 金融機関によります。前述のとおり勤続年数の基準は「1年以上」とする機関が最も多く、なかには勤続年数を問わない扱いをするところもあります。ただし同業種でのキャリアアップか、まったく別の業種への転職かで見られ方が変わることもあります。転職直後に申し込むなら、その金融機関の申込条件を先に確認するのが遠回りに見えて確実です。

Q. 審査に落ちたら、理由を教えてもらえますか?

A. 金融機関は審査結果の理由を開示しないのが一般的です。心当たりを探すなら、他の借入れ・返済の延滞・勤続年数・物件の担保評価・健康状態のいずれかであることが多いでしょう。自分の信用情報は、CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センターといった信用情報機関に開示請求すれば確認できます。

Q. 何行も同時に申し込むと不利になりますか?

A. 申込みの記録は信用情報機関に一定期間残ります。短期間に極端に多くの申込みをすると、資金繰りに困っている印象を与える可能性があります。とはいえ、条件を比べるために2~3行に事前審査を出すこと自体はよく行われています。やみくもに数を出すのではなく、候補を絞ってから申し込むのがよいでしょう。

Q. 産休・育休中でも申し込めますか?

A. 扱いは金融機関によって異なります。復職が前提であることの確認を求められる場合や、収入の見方が通常と異なる場合があります。夫婦の収入を合算する場合の条件も含めて、事前に相談してみてください。

Q. 審査に通った金額まで借りて大丈夫ですか?

A. 「借りられる金額」と「無理なく返せる金額」は別物です。審査は現在の収入と債務をもとに判断されますが、この先の教育費や収入の変化までは織り込まれていません。返済額が家計に占める割合を自分で計算し、金利が上がった場合も含めてシミュレーションしたうえで、借入額を決めてください。

今日から手を打てるのは2つだけ

公的な調査から見えてくるのは、住宅ローンの審査で重く見られているのが完済時年齢・健康状態・年収・勤続年数・担保評価・返済負担率だということ。そして、そのうち自分で今日から手を打てるのは「他の借入れを整理すること」と「延滞をしないこと」です。 年齢や物件は変えられませんが、返済負担率は借入額を調整すれば下げられますし、使っていないカードローンの枠は整理できます。審査は「通ればゴール」ではなく、無理のない返済計画のスタート地点。まずはご自身の借入れの棚卸しから始めてみてください。 ※本記事に記載の調査結果・制度は2026年8月時点で公表されている内容です。実際の審査基準・申込条件は金融機関ごとに異なりますので、最新の内容は必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください。

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