- 公開日: 2026.08.15
- ゼロから学ぶ住宅ローン
金利だけじゃない!住宅ローンの比較ポイント7つをやさしく解説

住宅ローンを探しはじめると、まず目に入るのは金利の数字だと思います。たしかに金利は総返済額に直結する、いちばん大きなコストです。
ただ、金利の低さだけで決めてしまうと、あとから「思っていたより負担が大きかった」となることがあります。手数料や保障の中身が銀行ごとに違うからです。
この記事では、はじめて住宅ローンを借りる方に向けて、金利以外に必ず見ておきたい比較のポイントを順番に整理していきます。

当編集部が2026年8月適用の各行公式金利を実測して試算した概算です(元利均等・ボーナス返済なし・諸費用は含まず、変動は全期間金利一定と仮定)。SBI新生銀行はSBIハイパー預金の優遇適用時、楽天銀行は金利選択型の金利です。事務手数料や保証料を加えると順序は変わり得ます。
もっとも低い金利ともっとも高い金利では、月々で8,000円以上、35年間では300万円を超える差になります。金利がやはり大きいことが分かります。
ただし、これは金利だけの比較で、事務手数料・保証料・団信の上乗せは含んでいません。定率型の事務手数料は3,000万円なら66万円(税込)前後になるため、これらを加えると順序が変わることは十分にあり得ます。金利表を並べるだけで決めず、必ず総額で比べてください。
まず「どこから借りられるのか」を知りましょう
住宅ローンを扱っているのは、都市銀行だけではありません。地方銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫(ろうきん)、JAバンク、ネット銀行、そしてモーゲージバンク(住宅ローンを専門に扱う会社)など、さまざまな担い手があります。 全期間固定金利の【フラット35】は住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供するもので、同じフラット35でも取扱金融機関によって金利や事務手数料が異なります。「フラット35はどこで借りても同じ」ではない、という点は覚えておいてください。 さらに、同じ金融機関の中にも複数の商品・プランがあります。まず選択肢の全体像をつかんでから、比較の軸を決めていくと迷いにくくなります。金利の水準よりも金利のタイプは大事なポイント
住宅ローンは20年、30年と付き合っていく長い借り入れです。だからこそ、金利の「高い・低い」以上にどのタイプを選ぶかが結果を大きく左右します。主なタイプは3つです。 変動金利は、返済期間中に定期的(一般に半年に一度)金利が見直されるタイプです。3つの中でもっとも低い金利が適用されるのが一般的ですが、金利が上がれば利息の負担も増えます。 全期間固定金利は、借入時の金利が完済まで変わらないタイプです。【フラット35】が代表例で、借りた時点で総返済額が確定するのが最大の安心材料です。その分、金利水準は変動より高めになります。 固定金利選択型(固定期間選択型)は、当初10年などの一定期間だけ金利を固定し、期間終了後にあらためて金利タイプを選ぶものです。教育費がかさむ時期の金利上昇を抑えたいときに使われますが、固定期間が終わったあとの金利は未確定のため、借入時点で総返済額は決まりません。 ここで、変動金利を比べるときにぜひ確認していただきたい2つの仕組みがあります。- 5年ルール…金利が見直されても、毎月の返済額は5年間据え置かれる
- 125%ルール…返済額が見直されるときも、直前の125%までしか上がらない
返済方式は元利均等返済と元金均等返済
返済方式にも2つの選択肢があります。 元利均等返済は、元金と利息の合計が毎月一定になるように返していく方式です。毎月の支払額が変わらないため返済計画を立てやすいのが利点で、多くの方がこちらを選びます。ただし、返済のはじめのうちは利息の割合が大きく、元金がなかなか減らないという特徴があります。 元金均等返済は、毎月一定額の元金に利息を加えて返していく方式です。元金の減りが早く、総返済額は元利均等より少なくなります。その代わり、返済開始当初の負担がもっとも重くなるため、借入当初の家計に余裕が必要です。また、毎月の金額が変わっていくので、資金計画はやや立てにくくなります。 なお前述のとおり、元金均等返済は5年ルール・125%ルールの対象外です。変動金利+元金均等返済を選ぶ場合は、金利が上がるとその分がすぐに毎月の返済額へ反映される点を理解しておきましょう。取り扱っていない金融機関もあるため、希望する場合は事前に確認が必要です。利息以外のコストにも注目することが必要
住宅ローンで多くの方が注目するのは金利です。金利がもっとも大きなコストになるからです。しかし、それ以外にもさまざまな費用がかかります。 事務手数料(融資手数料)には大きく2つの型があります。定率型は借入金額の2.20%(税込)といった料率で計算するもので、3,000万円なら66万円(税込)です。定額型は借入額にかかわらず数万円程度で、その代わりに金利がやや高めに設定されていたり、別途保証料がかかったりします。 保証料は、保証会社に支払う費用です。借入時に一括で払う「外枠方式」と、金利に上乗せする「内枠方式」があります。ネット銀行を中心に保証料0円の商品も多くありますが、その分が事務手数料に含まれていることもあるため、手数料と保証料はセットで見るのが正解です。 団体信用生命保険(団信)の保険料も、上乗せ金利という形で負担する場合があります。このほか、繰上返済手数料、印紙税、登記費用(登録免許税・司法書士報酬)、火災保険料なども必要です。 同じ銀行の中でも選び方があります。たとえばみずほ銀行では、借入金額の2.2%の取扱手数料がかかる代わりに金利が低い「ローン取扱手数料型」と、初期費用0円の「借入時負担ゼロ型」という2つのプランが用意されています(2026年8月1日現在)。早く完済する見込みがあるかどうかで、有利なプランは変わります。 金利の低さだけで決めず、これらのコストをトータルで比較していきましょう。団信の「保障の範囲」も比較の対象です
団信は、契約者に万一のことがあったときに残りの住宅ローンが弁済される保険で、多くの民間住宅ローンでは加入が必須です。ここで比べたいのは、どこまでの状態が保障されるかという点です。 一般団信(死亡・所定の高度障害)を上乗せ0円で用意している銀行が多い一方、がん保障や全疾病保障は、上乗せ0円の銀行と、金利に0.1〜0.2%程度上乗せされる銀行があります。上乗せの有無は総返済額に効いてくるため、金利表の数字だけでなく「その金利にどこまでの保障が含まれているか」まで見て比べてください。 なお【フラット35】では団信への加入は任意で、加入しない場合は金利が低くなります。ただし万一のときにローンが残るため、他の生命保険でカバーできているかを必ず確認しましょう。借りたあとの「使いやすさ」も差が出ます
見落とされがちですが、住宅ローンは借りて終わりではありません。次のような点は、返済が始まってからの満足度に直結します。- 繰上返済のしやすさ…手数料の有無、最低金額(1円からできる銀行もあります)、ネットで完結するか
- 金利タイプの変更…変動から固定へ切り替えられるか、手数料はかかるか
- 相談体制…店舗で対面相談できるか、オンラインのみか
- 手続きの方法…事前審査から契約まで来店不要か、電子契約に対応しているか(対応していれば印紙税が不要になります)
専門家は金利以外のどこを見ているのでしょうか
参考になる調査があります。株式会社oricon ME が実施した「2026年 オリコン顧客満足度®調査『住宅ローン(専門家評価)』」です。ファイナンシャルプランナーなど専門家40人が11社を「金利」「返済サポート」「団体信用生命保険」の3項目で評価したもので、調査期間は2026年4月15日〜4月27日、結果は2026年8月3日に発表されました。 総合1位はドコモの銀行(旧・住信SBIネット銀行)で2年連続、2位はソニー銀行(返済サポートで2年連続1位)、3位はSBI新生銀行(金利で2年連続1位)という結果でした。 注目したいのは、評価項目が「金利」だけではなく「返済サポート」「団信」を含めて構成されていることです。オリコンも、金利環境の変化を背景に、金利だけでなく商品内容やサポート体制を含めて比較する重要性が高まっていると説明しています。専門家も同じ視点で見ている、ということです。 もちろんこれは満足度・評価の調査であって、商品の優劣を確定するものではありません。ご自身の借入額や返済期間、家族構成によって最適な選択は変わります。あくまで「見るべき観点」のヒントとして活用してください。比較の観点をまとめると
| 比較の観点 | 見るポイント | 備考 |
|---|---|---|
| 金利タイプ | 変動/固定期間選択/全期間固定のどれか | 金利水準より先に決める |
| 金利上昇時の仕組み | 5年ルール・125%ルールの有無 | 元金均等返済は対象外 |
| 返済方式 | 元利均等/元金均等 | 取扱いのない金融機関もある |
| 事務手数料 | 定率型(例:2.20%〈税込〉)か定額型か | 保証料とセットで総額を見る |
| 保証料 | 0円か、一括払いか金利上乗せか | 0円でも手数料が高いことがある |
| 団信 | がん・全疾病の保障と上乗せ金利 | フラット35は加入が任意 |
| 繰上返済 | 手数料・最低金額・ネット対応 | 1円から無料の銀行もある |
| 手続き・相談 | 来店不要か、電子契約に対応しているか | 電子契約なら印紙税が不要 |
同じ借入額でも、月々はこれだけ変わります
実際にどれくらい差が出るのか、当編集部が2026年8月適用の各行公式金利を実際に確認して試算してみました(借入3,000万円・返済期間35年・元利均等・ボーナス返済なし)。
よくある質問
Q. 結局、いちばん金利が低いところを選べばよいのではないですか? 金利は最大のコストなので重要ですが、事務手数料・保証料・団信の上乗せまで含めた「総額」で並べ替えると順位が変わることがあります。とくに借入額が大きいほど、定率型の事務手数料の差が効いてきます。 Q. 比較するときは何社くらい見ればよいでしょうか? 最初から絞り込みすぎないほうがよいですが、多すぎても選べません。金利タイプを先に決めてから、3〜5社ほどに絞って条件を並べるのが現実的です。事前審査は複数社に申し込めます。 Q. 事前審査に複数申し込むと、審査に不利になりますか? 住宅ローンの事前審査を複数の金融機関に申し込むこと自体は一般的で、比較のために行われています。ただし短期間に多数申し込むことを避けたい方は、本命を含む数社に絞るとよいでしょう。なお、金融機関によっては事前審査を行わず本審査のみで完結するところもあります。 Q. ネット銀行と店舗のある銀行、どちらがよいですか? 手数料や金利ではネット銀行が有利なことが多い一方、対面で相談しながら進めたい方には店舗のある銀行が向いています。両方に対応している銀行もありますので、「自分がどこでつまずきそうか」を基準に選ぶのがおすすめです。 Q. 借りたあとで、もっと条件のよいところに変えられますか? 借り換えは可能です。ただし借り換えにも事務手数料・登記費用などの諸費用がかかるため、金利差だけでなく諸費用を含めて損得を計算する必要があります。最初の選択を丁寧にしておくほうが、結果的に負担は小さくなります。まとめ|「金利」→「総額」→「使いやすさ」の順で見る
住宅ローンの比較は、①金利タイプを決める → ②諸費用まで含めた総額で比べる → ③借りたあとの使いやすさを確認する、この順番で進めると迷いません。 候補の一つとして、SBI新生銀行も挙げておきます。保証料と一部繰上返済手数料が0円で、繰上返済は1円から何度でも利用できます。団信は上乗せ0円の一般団信のほか、がん団信、全疾病保障付団信が用意されており、店舗での相談とオンライン手続きの両方に対応しています。前述のオリコンの専門家評価でも「金利」の項目で2年連続1位となっています。 金利・手数料・団信の内容は改定されることがあります。最新の条件は必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください。
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