- 公開日: 2026.10.25
- ゼロから学ぶ住宅ローン
住宅ローンの金利推移をやさしく解説|いまの水準と読み方

住宅ローンの金利は、2024年に日本銀行がマイナス金利をやめてから上がる方向が続いています。2026年10月時点で日銀の政策金利は年1.25%程度、全期間固定のフラット35は最も多い金利で年3.830%です。
金融機関ごとの差も気になりますが、借りる時期による差はそれ以上に大きくなります。金利がこれまでどう動き、いまどのあたりにあるのかが分かると、変動か固定かを選ぶときも、借入額を決めるときも落ち着いて考えられます。
住宅ローンの金利は市場と日銀の政策で決まる
住宅ローンの金利の水準は、市場で決まります。株式市場のような取引所はなく、お金を借りたい人と貸したい人の需要と供給が、全体として金利を決めていると考えると分かりやすいです。
景気がよくなると、借りてでも事業を広げたい企業が増え、金利は上がります。景気が悪くなれば借りたい人が減り、金利も下がります。金利の動きは、経済全体の動きとつながっているのですね。
日本銀行(日銀)の金融政策も、金利を大きく動かします。日銀が政策金利を上げ下げすると、銀行同士がお金をやり取りするときの金利が動き、そこから私たちが借りるローンの金利にも波が伝わっていきます。
変動金利と固定金利は、もとにしている金利が違う
ここは、はじめての方がいちばんつまずくところです。変動金利と固定金利は、もとにしている金利が別のものなので、分けて覚えるとニュースがぐっと読みやすくなります。
| 金利タイプ | おおもとで参考にされる金利 | 動きやすい場面 |
|---|---|---|
| 変動金利 | 短期プライムレート(日銀の政策金利の影響を受けやすい) | 日銀が政策金利を動かしたとき |
| 固定金利(10年固定・全期間固定・フラット35など) | 長期金利(10年国債の金利など) | 市場で長期金利が動いたとき |
短期プライムレートとは、銀行が信用の高い企業に1年以内の短い期間で貸すときの金利のことです。長期金利が上がったというニュースが流れても、それだけで変動金利がすぐ上がるとは限りません。ニュースを見たら、話題がどちらの金利なのかを一度考えてみてください。
マイナス金利の時代から利上げの時代へ
景気が絶好調だったバブル期までは、住宅ローンの金利もかなり高い水準で動いていました。バブル崩壊の後、日本は長い低成長の時代に入り、日銀の金融緩和もあって金利は長く低いままでした。
2016年2月にはマイナス金利政策が始まり、住宅ローンの金利は歴史的な低さになりました。流れが変わったのは2024年3月19日です。日銀はこの日の会合でマイナス金利政策の解除を決め、17年ぶりに利上げしました。
その後も引き上げは段階的に続き、2026年9月18日の会合では、政策金利が年1.0%程度から年1.25%程度へ引き上げられました(日本銀行の公表資料)。
いまの金利の水準(2026年10月時点)
実際の数字も見ておくと、ニュースとのつながりが分かります。主な金利は次のようになっています。
- 政策金利……年1.25%程度(2026年9月18日に引き上げ)
- 長期金利(10年国債の金利)……年2.914%(財務省の国債金利情報・2026年10月22日)
- 短期プライムレート……三菱UFJ銀行は2026年11月2日に年2.375%から年2.625%へ引き上げると発表しています
- フラット35……借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下で年3.830%(最も多い金利・新機構団信付き)。借入期間20年以下なら年3.510%
融資率とは、物件価格に対する借入額の割合です。フラット35は借入期間や融資率で金利が変わり、融資率が9割を超えると金利が上がります。フラット35の金利を1つの数字だけで覚えると、自分の条件とずれることがあるので注意してください。
一般に、短期プライムレートが上がると、それをもとにする変動金利の基準金利も見直されます。ただ、いつ、どれだけ見直すかは銀行ごとに決めています。
これからの金利は予想より返済額の試算で備える
金利の先行きを言い当てられる人はいません。日銀の次の金融政策決定会合は2026年10月29日・30日に予定されていますが、結果は会合が終わるまで分かりません。
予想よりも先に、金利が上がったら自分の家計がどうなるかを考えておきましょう。たとえば3,000万円を35年、元利均等返済で借りた場合、毎月の返済額は金利年1.0%なら約8.5万円、年1.5%なら約9.2万円、年2.0%なら約9.9万円です。
金利が1%違うだけで、毎月の返済額は約1.5万円変わります。ボーナス返済なし・金利が完済まで同じと仮定した計算なので、実際の返済額とは違いますが、どこまでなら払えるかを考える目安になります。
金利が上がったときにできることは、住宅ローンの金利が上がったときの対処法の記事で紹介しています。
変動金利を選ぶときは返済額の見直しの仕組みを知っておく
金利が上がる時期に変動金利を選ぶなら、返済額がどう変わるかの仕組みも知っておくと、慌てずに済みます。
- 返済額の見直しには時間差があります。適用金利が上がっても、毎月の返済額に反映されるタイミングは銀行や契約によって違います。自分の契約がどうなっているかは、返済予定表や借入先で確認できます。
- 返済額が変わらなくても、利息の割合は増えます。返済額を5年ごとに見直す5年ルールや、見直し後の返済額を前の1.25倍までに抑える125%ルールは、銀行によって有無が違います。ルールがある場合も、返済額が据え置かれているあいだに返済額の中の利息の割合が高まっていきます。
- 広告の金利は最優遇、つまり下限であることが多く、審査の結果しだいで上乗せされます。比べるときは審査後の金利で見てください。
変動・固定それぞれの仕組みは住宅ローンの金利の種類をやさしく解説した記事でも紹介しています。
金利の推移を知ると、慌てずに選べる
住宅ローンの金利は市場と日銀の政策で動き、変動と固定では見ている金利が違います。ここまで分かれば、金利のニュースもずいぶん読みやすくなるはずです。
超低金利がずっと続く前提ではなく、上がることもある前提で、返済額に余裕を持たせて借入額を決めてください。借入先を比べるときは、金利の数字だけでなく、事務手数料や保証料、団信の条件も含めた総額で見ると違いがはっきりします。
金利や条件は月ごとに変わるので、申し込む前に各金融機関のページで最新の内容を確かめてください。

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