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ゼロから学ぶ住宅ローン金利編|変動・固定・固定選択型の違い

夢のマイホーム購入!の一方で、ややこしいのがお金の問題です。 特に「金利」については「よく分からないけど不動産業者に任せておけば大丈夫だろう」と甘く考えていませんか?確かに複雑で厄介な問題ですが、しっかり理解しておかないと後になって「返済できなくなった!」という事態に陥る可能性があります。 とはいえ、覚えることはそう多くありません。まずは金利タイプが3つあること、そしてそれぞれ「どんなリスクを引き受けるか」が違うこと——この2点さえつかめば、あとは自分の家計にあてはめて考えるだけです。ひとつずつ見ていきましょう。

住宅ローンの金利タイプは大きく分けて3つ

住宅ローンの金利タイプは大きく分けて3つあります。どれが一番よいというわけではなく、それぞれにメリット・デメリットがあります。 違いをひとことで言うと、「金利が動くリスクを、自分が引き受けるか、銀行に引き受けてもらうか」です。銀行に引き受けてもらうほど借入時の金利は高くなり、自分で引き受けるほど借入時の金利は低くなります。この関係が分かると、3つの違いがすっきり見えてきます。

(1)全期間固定金利型

借入日から最終返済日まで金利が固定されて変動しないプランがこの「全期間固定金利型」になります。 このタイプのメリットとしては、借入時から金利が固定されているので返済額が最後まで変わらず、返済計画も立てやすい点です。教育費や老後資金と並べて長期の家計を組みたい方には、この「変わらない」という性質が大きな安心材料になります。加えて、もし低金利のタイミングで契約できれば、その後の景気の変動に左右されることなく低金利のメリットを享受し続けることができます。 一方、デメリットとしては、借入時の金利が以下の2タイプと比べると高めであることです。また、契約後に世の中の金利が下がっても、自分の金利は下がりません。 このタイプの代表的な商品としては、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供している【フラット35】があります。返済期間20年以下の【フラット20】、36年以上50年以下の【フラット50】もあり、期間によって金利水準が変わります。 住宅金融支援機構の公式サイトで確認したところ、2026年8月資金受取分の借入金利(新機構団信付き・最も多い金利)は次のとおりでした。
2026年8月資金受取分のフラット20・フラット35・フラット50の最も多い借入金利を比較した棒グラフ
返済期間が長いほど金利は高くなります(新機構団信付き・融資率9割以下の最も多い金利)。金利は毎月1日ごろに改定されます。
  • 【フラット20】借入期間20年以下・融資率9割以下…年2.970%
  • 【フラット35】借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下…年3.290%
  • 【フラット50】借入期間36年以上50年以下・融資率9割以下…年3.500%
融資率が9割を超える場合はこれより高くなり、団信に加入しない場合は掲載金利から0.200%引き下げとなります。金利は毎月1日ごろに改定されますので、最新の金利は【フラット35】公式サイトでご確認ください。 なお、【フラット50】については、2026年8月25日に楽天銀行が取扱を開始したと発表しています(新規借入・借り換えの両方に対応)。ただしこれは「50年の住宅ローンが新しく登場した」という話ではなく、もともとある住宅金融支援機構の商品を扱う金融機関が増えたということです。返済期間を延ばせば毎月の返済額は下がりますが、そのぶん利息を長く払うため総返済額は増えます。完済時の年齢も必ず確認してください。取扱条件や適用金利は各金融機関の公式サイトでご確認ください。

(2)変動金利型

返済途中であっても市場金利の変動にあわせ定期的に金利が変わるプランがこの「変動金利型」です。変動のタイミングについては、短期プライムレートを基準として半年に一度金利の見直しを行うのが一般的です。短期プライムレートとは、銀行が優良と判断した企業に融資する際の金利のことで、このレートを基準に金利が変動するというわけです。 このタイプのメリットは、3つのなかで借入時の金利がいちばん低いことが多い点です。世の中の金利が下がれば、それにあわせて自分の金利も下がります。 一方、デメリットは、金利が上がれば返済額も増えること、そして将来の返済額を確定できないことです。ここは記事を読む時期によって印象が変わる部分なので、事実として現在の状況を押さえておきましょう。
  • 日本銀行は2026年6月16日の金融政策決定会合で、政策金利(無担保コールレート翌日物)の誘導目標を年0.750%程度から年1.000%程度へ引き上げ、7月31日の会合では据え置きました。
  • 変動金利の基準となる短期プライムレートも引き上げられており、たとえば三菱UFJ銀行は年2.375%(2026年8月3日より適用)と公表しています。
つまり、「変動金利は下がるもの」という前提は、いまは通用しません。上がる可能性も下がる可能性も、どちらもあると考えるのが正しい姿勢です。

変動金利で押さえておきたい「5年ルール」「125%ルール」

変動金利には、金利が上がっても一定期間は毎月の返済額を据え置く(いわゆる5年ルール)返済額の見直し時も上げ幅に上限を設ける(いわゆる125%ルール)といった取り扱いをしている金融機関があります。急に返済額が跳ね上がらないようにする仕組みです。 ただし注意点が2つあります。ひとつは、これらのルールをすべての金融機関が採用しているわけではないこと。もうひとつは、返済額が据え置かれている間も利息が消えるわけではなく、後ろに繰り延べられることです。ご自身の契約がどうなっているかは、契約書・返済予定表・借入先の公式サイトで必ず確認してください。

(3)固定金利選択型

返済開始後一定期間は金利が固定され、設定した固定金利期間終了時点でまた変動金利型か固定金利型を選択するプランが「固定金利選択型」になります。上記(1)と(2)を合わせたようなプランで、「当初10年固定」「当初5年固定」といった名前で案内されているものがこれにあたります。 メリットとしては、固定期間中は返済額が変わらない安心があり、その間の金利は全期間固定より低めに設定されていることが多い点があげられます。子どもが小さいうちの数年間だけ返済額を確定させたい、といった使い方と相性がよいタイプです。 一方で、デメリットとしては(2)と同様、固定期間が終わった後の返済額を確定できない点が挙げられます。とくに気をつけたいのが、固定期間が終わったあとは、変動金利型のような返済額の上げ幅の制限が働かない商品が多いことです。期間終了時に返済額が大きく変わる可能性があるため、「固定期間が終わったらどうなるか」を契約前に必ず確認しておきましょう。

3つのタイプをひと目で比較

ここまでの内容を整理します。「金利が動くリスクを誰が引き受けるか」という視点で見比べてみてください。
比較の観点全期間固定金利型変動金利型固定金利選択型
借入時の金利3つのなかで高め3つのなかで低めのことが多いその中間(固定期間が長いほど高め)
返済額の見通し完済まで確定する確定しない固定期間中は確定、その後は未確定
金利が上がったとき影響を受けない返済額が増える固定期間終了後に影響を受ける
金利が下がったとき恩恵は受けられない返済額が減る固定期間終了後に反映される
向いている人返済額を確定させたい人、教育費など他の支出が読みにくい人金利が上がっても返済を続けられる余裕がある人一定期間だけ返済額を固定したい人
代表的な商品【フラット35】など各金融機関の変動金利型当初10年固定・当初5年固定など

どのタイプを選ぶ?考え方の目安

「結局どれを選べばいいの?」というのが、いちばん知りたいところだと思います。正解は一つではありませんが、判断の軸ははっきりしています。

いちばん大切なのは「上がったときに返せるか」

変動金利や固定金利選択型を選ぶ場合は、いまの返済額ではなく、金利が上がった場合の返済額で家計が回るかを確認してください。金融機関のシミュレーションで金利を1.000%、2.000%と上げた場合の返済額を出してみて、それでも教育費や貯蓄と両立できるかを見ます。ここで苦しいなら、借入額を減らすか、返済額が確定するタイプを選ぶ、という判断になります。

参考:実際にはどのタイプが選ばれているか

住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者の実態調査」(2026年1月調査・2026年2月20日公表)では、変動型を選んだ人が約75%と報告されています。ただしこれは「多数派だから正しい」という意味ではありません。金利が上昇している局面では、多数派と同じ選択が自分にとって最適とは限らない、という点は意識しておきたいところです。

迷ったときのチェックポイント

  • 返済額が1〜2割増えても払えるか(払えないなら変動は慎重に)
  • 手元にどれくらい現金を残せるか(余裕があれば金利上昇時に繰上返済で対応できる)
  • 返済期間はどれくらいか(期間が長いほど金利が動く回数も増えます)
  • 金利以外の費用はどうか(事務手数料・保証料・団信の上乗せまで含めて比べる)
金利タイプは、契約後に変更できる場合もあれば、できない場合もあります。変更の可否と条件も、申し込む前に確認しておきましょう

返済プラン=あなたのライフプラン

結婚を機にマイホームの購入を考えた方、家族が増えて手狭になったのでマイホームの購入を考えた方、これまで頑張ってきた自分へのご褒美・・など、マイホームの購入目的は人によってさまざまかと思います。 でも、現状では想像もできないようなことが起こるのも人生です。収入と支出のバランスが変わり、これまで問題なく返済できていた住宅ローンが急に支払えなくなる可能性があります。転職や勤務先の業績などによる収入の変化、結婚や出産、病気の看護や介護などによるライフプランの変化など、考えられるリスクを予めよく検討した上でプランを選択することが大切です。 金利タイプ選びも、突き詰めればこの話につながります。「いちばん得しそうなタイプ」ではなく、「何が起きても返し続けられるタイプ」を選ぶ——これが、はじめて住宅ローンを借りる方にお伝えしたいいちばんの結論です。

よくある質問

Q. 結局、変動と固定はどちらが得ですか?

A. 将来の金利は誰にも分からないため、事前に「どちらが得か」を決めることはできません。判断できるのは「どちらが自分にとって安全か」です。金利が上がっても返済を続けられる余裕があるなら変動も選択肢になりますし、返済額を確定させたいなら全期間固定が向いています。

Q. 変動金利は、どのくらいの頻度で見直されますか?

A. 一般的には半年に一度、適用金利が見直されます。ただし毎月の返済額そのものは5年ごとに見直す取り扱いの金融機関が多く、「金利の見直し」と「返済額の見直し」はタイミングが違う点に注意が必要です。扱いは金融機関によって異なりますので、契約内容をご確認ください。

Q. 「当初10年固定」は、10年後に自動で変動になりますか?

A. 商品によって異なります。期間終了時に改めて金利タイプを選べるものもあれば、手続きをしなければ自動的に変動金利に移行するものもあります。期間終了の案内がいつ届くのか、選び直しの手続きはどうするのかを、契約時に確認しておきましょう。

Q. 途中で金利タイプを変えられますか?

A. 変動金利型から固定金利選択型へ変更できる金融機関もありますが、すべての商品で自由に変更できるわけではありません。手数料がかかる場合もあります。全期間固定から変動へ変えたい場合は、借り換えという形になるのが一般的です。条件は各金融機関の公式サイトでご確認ください。

まとめ

住宅ローンの金利タイプは3つ。違いは「金利が動くリスクを誰が引き受けるか」です。
  • 全期間固定金利型…返済額が最後まで確定する。借入時の金利は高め
  • 変動金利型…借入時の金利は低めだが、上がれば返済額も増える
  • 固定金利選択型…一定期間だけ確定。期間終了後の負担増に注意
そして選ぶときは、金利の数字だけでなく、事務手数料・保証料・団体信用生命保険の保障内容・繰上返済のしやすさまで含めて比べてください。金利がわずかに低くても、諸費用で逆転することは珍しくありません。 たとえばSBI新生銀行の住宅ローンは、変動金利・固定金利ともに競争力のある水準を提示しており、保証料と一部繰上返済手数料が0円で、繰上返済は1円から何度でも可能です。上乗せ0円で付けられる団信も用意されており、店舗での相談とオンライン手続きの両方に対応しています。金利タイプに迷っている段階なら、店舗で相談しながら決められる点は心強い選択肢のひとつです。 金利・手数料・団信の内容は改定されることがありますので、最新の条件は各金融機関の公式サイトでご確認ください

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