- 公開日: 2026.07.29
- 更新日: 2026.08.05
- 住宅ローン商品について
フラット35の金利は途中で変わる?変わって見える3つのケース

フラット35は住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携して利用者に提供する、長期固定金利の住宅ローンです。
「フラット35は途中で金利が変わることがあるの?」というご質問をよくいただきます。先に結論からお伝えすると、いったん借り入れたあとの金利は、完済まで変わりません。資金を受け取った時点で、返済終了までの借入金利と返済額が確定するしくみだからです。
それでも「金利が変わった」と感じる場面があります。この記事では、はじめて住宅ローンを検討する方に向けて、その理由と、フラット35の金利のきほんをやさしく整理していきます。

返済期間が短いほど、また融資率が9割以下のほうが金利は低くなります(取扱金融機関の中で最も多い金利)。
参考までに、2026年7月に適用されている金利(新機構団信付き・取扱金融機関の中で最も多い金利)は上のとおりです。返済期間と融資率(自己資金の割合)によって金利が違うのがポイントで、頭金を1割以上用意して融資率を9割以下にすると、金利が低いほうの区分を使えます。金利は毎月見直されるため、最新の金利は【フラット35】公式サイトでご確認ください。
一般の銀行で商品として販売される場合には、フラット35が単独で提供される場合と、民間銀行の融資と組み合わされて販売される場合があります。単独で提供される場合でも金融機関ごとに金利や手数料に差があり、民間銀行の融資と組み合わされて提供される場合は、返済額の推移そのものが民間側の商品によって変わります。フラット35の部分は固定されていても、セットになっている民間の商品によって全体の返済額の推移が異なる、と理解しておいてください。
「途中で金利が変わった」と感じる3つのケース
フラット35そのものの金利は変わりません。それでも次の3つの場面では、返済額が変わったり、想定していた金利と違ったりすることがあります。 ①【フラット35】Sなどの金利引下げ期間が終わったとき 省エネ性・耐震性などの基準を満たす住宅では、【フラット35】Sとして当初の一定期間だけ借入金利が引き下げられます。この引下げ期間が終わると、引下げ分がなくなって当初の借入金利に戻るため、毎月の返済額が上がります。「金利が上がった」と感じるいちばん多いケースがこれです。子育て世帯・若年夫婦世帯向けの【フラット35】子育てプラスや、中古住宅向けの【フラット35】中古プラス・リノベなども、同じく一定期間の引下げです。引下げの幅や期間はポイント制で決まり、制度の見直しもあるため、申込み前に公式サイトのポイント計算表で必ず確認してください。 ②民間ローンと組み合わせて借りたとき(ミックス・併せ融資) 金融機関によっては、フラット35と自行の変動金利型・固定金利期間選択型を組み合わせて融資する商品があります。この場合、フラット35の部分は変わらなくても、組み合わせた民間ローンの部分の金利が変わるため、全体の返済額は動きます。 ③申込みから融資実行までの間に金利が動いたとき フラット35は「申込時の金利」ではなく「融資が実行された時点の金利」が適用されます(民間の住宅ローンもほとんどが実行時金利です)。とくに注文住宅は、申込みから引渡しまで半年〜1年かかることもあり、その間に金利が動けば適用金利も変わります。フラット35の金利は毎月見直されるため、資金計画には少し余裕をみておくと安心です。
フラット35が長期固定金利を提供できる理由
フラット35を提供している住宅金融支援機構の前身は住宅金融公庫でした。以前は国の全面的な支援により、国民に広く安い金利で借りることができる住宅ローンを提供してきましたが、国の機関に対する民営化の要請が高まったのを契機に、民間を支援する機関として改組されました。 住宅金融公庫の直接融資(新規の住宅ローン)は原則として廃止されましたが、住宅金融支援機構は、民間の金融機関が実行した長期固定金利の住宅ローンの債権を買い取り、証券化して市場から資金を調達するしくみ(証券化支援事業)を担っています。長期のお金を市場から調達できるからこそ、最長35年(【フラット50】なら最長50年)にわたって金利を固定できるわけです。 ただし、「全期間固定金利の住宅ローンはフラット35だけ」ではありません。現在は民間の金融機関でも、返済期間の全体にわたって金利が変わらない超長期の固定金利型(たとえば三井住友銀行の「超長期固定金利型(20年超〜35年)」など)を扱っています。全期間固定で借りたい方は、フラット35と民間銀行の超長期固定の両方を見比べるのがおすすめです。同じフラット35でも、金融機関によって条件が違います
フラット35は住宅金融支援機構から直接融資を受けるのではなく、提携している民間の金融機関から融資を受けることになります。ここで、はじめての方がとくに間違えやすいポイントがあります。 「どこで借りても同じ」ではありません。住宅金融支援機構も「【フラット35】の借入金利は各金融機関が決定しており」と公表しているとおり、取扱金融機関ごとに借入金利も融資事務手数料も異なります。借りる人・住宅の条件(機構が定める基準)は共通ですが、費用面は窓口選びで変わるのです。| 比較の観点 | 見るポイント | 備考 |
|---|---|---|
| 借入金利 | 同じ月・同じ返済期間でも、取扱金融機関によって金利が異なります。 | 借入金利は各金融機関が決定しています(住宅金融支援機構 公式)。 |
| 融資事務手数料 | 借入額に対する定率型と、金額が決まっている定額型があります。 | 金利が同じでも初期費用の総額は大きく変わります。金利と手数料はセットで比べましょう。 |
| 団体信用生命保険 | 機構団信への加入は任意です(加入しない場合は借入金利の扱いが変わります)。 | 【フラット35(保証型)】は金融機関独自の団信になります。 |
| 組み合わせ商品 | フラット35単独か、自行の変動型などとのセットか。 | セットの場合、民間ローン部分の金利は将来変わります。 |
フラット35の利点
フラット35には、民間の住宅ローンには無い、いくつかの利点があります。 まず、住宅金融支援機構では独自の技術基準を設けていて、ローンを利用する場合はこの技術基準に適合した建物である必要があります。技術基準では建築基準法による確認申請を受けていることが前提となり、設計段階と現場での施工段階での審査と検査が行われます。ローンを受ける建物はこれらの審査と検査に合格しなければならず、より高い品質と安全性が確かめられた住宅であることが担保されます。 さらに、省エネ性や耐震性などの、よりきびしい基準に適合した建物は、当初の一定期間、借入金利が引き下げられるタイプ(【フラット35】S)を利用できます。前述のとおり引下げ幅・期間はポイント制で決まり、子育てプラスなど他の引下げメニューと合わせて使える場合もあります。 そして、はじめての方に見落とされがちですが、団体信用生命保険(団信)への加入が任意である点も特徴です。健康状態に不安がある方でも、団信に加入しないという選択で借入れができる可能性があります(その場合の保障は別途ご自身で備える必要があります)。はじめての方によくあるご質問
Q. 変動金利のほうが金利は低いのに、なぜフラット35を選ぶ人がいるの? A. フラット35は、借りたときの金利と毎月の返済額が完済まで確定します。教育費が重なる時期の家計を先まで見通せるのは、変動金利にはない安心です。とくに金利が上がっていく局面では、返済額が増えないという点が強みになります。逆に、金利が下がっても返済額は減りません。 Q. 借りたあとに金利が下がったら、どうすればいい? A. フラット35から別のローンへ借り換えることも、フラット35どうしで借り換えることもできます。ただし借換えには事務手数料や登記費用などがかかるため、下がる金利の幅と諸費用を比べて判断してください。 Q. 頭金なし(融資率9割超)でも借りられますか? A. 借りられますが、融資率9割超は金利が高い区分になります。上のグラフのとおり同じ月でも金利が変わるので、頭金を1割用意できるかどうかは早い段階で試算しておきましょう。 Q. 申し込む金融機関はどうやって選べばいいですか? A. 「その月の金利」だけで選ばず、金利+融資事務手数料+団信の条件の3点セットで比べてください。手数料の方式が違うと、金利が少し低くても総支払額で逆転することがあります。 Q. 中古住宅やリフォームでも使えますか? A. 使えます。中古住宅向けには【フラット35】中古プラス、購入とあわせてリフォームを行う場合には【フラット35】リノベという金利引下げメニューがあります。要件は見直されることがあるため、公式サイトで最新の内容をご確認ください。まとめ:金利が「変わらない」ことをどう活かすか
フラット35は、融資実行時の金利が完済まで続く住宅ローンです。「途中で変わった」と感じるのは、ほとんどが【フラット35】Sなどの引下げ期間が終わったときか、民間ローンとの組み合わせによるものです。引下げ期間が終わったあとの返済額を、借りる前に必ず確認しておく——これがいちばんのつまずき防止になります。 そのうえで、全期間固定で借りたい方は、フラット35だけでなく民間銀行の超長期固定も候補に入れて比べると選択の幅が広がります。たとえばSBI新生銀行は、保証料0円・一部繰上返済手数料0円(1円から何度でも)・一般団信の上乗せ0円と諸費用の考え方が分かりやすく、店舗での相談とオンライン手続きの両方に対応しているため、はじめての方でも全体像をつかみながら比較しやすい銀行のひとつです。 金利も制度の内容も毎月・毎年見直されます。最新の適用金利や取り扱い状況は、必ず【フラット35】公式サイトおよび各金融機関の公式サイトでご確認ください。
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