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モデルルームで即決させる営業テクニックと流されない見学のコツ

マンションのモデルルームや一戸建てのモデルハウスを見学している時に、自分の他にも見学者がいたりすると、「この物件は人気があるのか」と思ったり、その物件に興味があれば「他の人で決まってしまうのかな」などと考えるかも知れません。

つい最近までは広告を眺める程度の興味だったのが、見に来た途端に買うか買わないかを選択するまでになっていたりします。

でもそれは、巧妙に仕掛けられた営業テクニックである場合が多いのです。

今回は、現場でよく使われる「ムードのつくり方」と、それに流されずに見学するための具体的なコツをお話しします。

複数の見学アポイントを、あえて同じ日時にバッティングさせる

バブル期のように多くの来場者数が望めない現在では、同じタイミングで見学アポイントを取り、他にも検討者がいるのだということをアピールして、購入への意欲を煽ったりします。

特に、新築マンションのモデルルームでは、各営業マンの見学アポイントを営業所長などが管理し、なるべくバッティングさせるようなスケジュールを組ませたりします。

一戸建てにおいてもその手法は有効ですが、1棟ごとの一戸建てよりも、数十から百数十の戸数を集約したモデルルームの方が効果は絶大と言えます。

ですから、新築マンションのモデルルームは、できる限り平日、それも午前中の見学なら煽られることなく見学できます。営業マンから土日見学を促されても、「今週の休みは平日だけ」とでも言えば、合わせざるを得ないでしょう。

中古マンションのオープンハウスは、開催時間を短くして、見学者を集中させる

これは、新築マンションのモデルルームを応用したテクニックと言えます。

中古物件のオープンハウスは、広告・接客など企画のすべてを1人の営業担当で行うのが通常です。開催日となる土日には、お昼が外食になる客側の事情なども考慮し、午後1時から午後4時までの3時間だけにして見学者を集中させ、購入意欲を煽るのです。

そのテクニックにハマらないようにするにはどうすれば良いでしょう。

1つの方法として、開催時間の1〜2時間前に見学アポイントを取ることをお勧めします。これなら、煽られることも無くじっくり見学できます。

開催時間後でも同じではと思われるかも知れませんが、それでは時間内で決まってしまうかも知れません。もし現地の準備が整わないと言われても、それしか時間がないと言えば、営業マンは何とかするはずです。

見学のタイミング その場の空気 おすすめ度
平日の午前中 他の見学者と重なりにくく、質問もしやすい ◎ もっとも落ち着いて見られる
オープンハウス開始の1〜2時間前 準備中の静かな時間帯。担当者を独占できる ○ 土日しか動けない人の現実解
土日のオープンハウス時間内 来場者が重なりやすく、判断を急かされやすい △ 情報収集と割り切る
「今日中に返事を」と言われた日 群集心理が最も働く。冷静さを失いやすい × 即決しない

見学に行く前に、3つだけ決めておく

現地で流されない最大の防御は、行く前に「自分のものさし」を決めておくことです。難しいことではありません。次の3つで十分です。

  • 1. 予算の上限を決める…ポイントは、銀行が貸してくれる額(借入可能額)ではなく、自分が無理なく返し続けられる額で決めることです。教育費や車の買い替え、修繕積立金の値上がりも含めて考えておきましょう。
  • 2. 譲れない条件を3つまでに絞る…立地・広さ・日当たり・学区など、優先順位を紙に書いておきます。現地では「良いところ」ばかりが目に入るので、事前に書いた紙が効きます。
  • 3. 「今日は申し込まない」と決めていく…これを最初に決めておくだけで、驚くほど冷静に見られます。本当に良い物件なら、翌日に連絡しても検討の余地は残ります。

その場で「申し込み」をする前に知っておきたい2つのルール

ムードに押されてその場で申込書に記入してしまった——という相談は珍しくありません。あらかじめ次の2つを知っておくと、落ち着いて対応できます。

①「申込証拠金」は、申し込みを撤回すれば返してもらえます。
契約の成立前に「申込金」「申込証拠金」「予約金」などの名目で支払ったお金は、名目にかかわらず預り金として扱われます。宅地建物取引業法第47条の2第3項および同法施行規則第16条の12第2号により、申し込みの撤回に際して不動産会社が預り金の返還を拒むことは禁止されています。「手付だから返せない」と言われても、それは通りません。困ったときは、業者が加盟する業界団体や自治体の相談窓口へ。

② モデルルームでの申し込みは、原則としてクーリング・オフの対象外です。
宅建業法第37条の2のクーリング・オフ(8日間)は、「事務所等以外の場所」で買受けの申し込みをした場合の制度です。土地に定着したモデルルーム・モデルハウス(専任の宅地建物取引士を置くべき案内所)は、この「事務所等」に当たると解されており、そこでの申し込みは原則としてクーリング・オフできません。「あとで断れるから、とりあえず申し込んでおこう」は通用しない、ということです。

だからこそ、その場のムードで書類に記入しないことが何より効きます。個別の事情や取り扱いは異なりますので、実際に迷ったときは各自治体の不動産取引相談窓口などにご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 「この価格は今日までです」と言われたら、どう答えればいいですか?
A. 「では今日は見送ります」と伝えて大丈夫です。本当に条件が良い物件なら、翌週も同じ会社から連絡が来ます。期限を切る言い方は、判断の時間を奪うための常套句でもあります。

Q. 他に見学者がいると、やはり人気物件なのでしょうか?
A. 人気の場合もありますが、記事のとおりアポイントの時間を意図的に重ねていることもあります。気になるなら、平日の別の時間帯にもう一度訪ねてみてください。物件の見え方は驚くほど変わります。

Q. 申込書に記入したら、もう断れませんか?
A. 売買契約を結ぶ前の「購入の申し込み」であれば、撤回は可能です。預けたお金も返還されるべきものです(前掲の宅建業法施行規則)。ただし契約を締結した後は、手付金の放棄など負担が生じるため話は別になります。

Q. 一人で見学に行っても大丈夫でしょうか?
A. 可能なら誰かと一緒に行くことをおすすめします。同じ説明を聞いても気になる点が違うため、帰り道に話すだけで判断が整理されます。ご家族の予定が合わないなら、写真とメモを多めに残しておきましょう。

Q. 見学の場では何を聞いておくべきですか?
A. 価格以外のランニングコスト(管理費・修繕積立金と将来の値上がり計画、駐車場代、固定資産税の目安)と、引渡し時期は必ず確認しましょう。住宅ローンの返済額だけで資金計画を組むと、あとから足りなくなります。

まとめ

このように、営業サイドではさまざまなテクニックを駆使して、買う気にさせようとしてきます。

「このコラムを見たから大丈夫」と思っていても、現地で多くの来場者を見てしまうと、群集心理から冷静さを失うかも知れません。バーゲンで買った物を後になって後悔するのと同じです。

「買っちゃおうかムード」にならないように、曜日や時間をズラして、冷静になれる環境で見学するようにしましょう。そして、行く前に予算の上限と譲れない条件を決めておくこと。この2つがあるだけで、住まい選びはぐっと自分のペースになります。

※不動産取引のルールや相談窓口の詳細は、国土交通省および各都道府県の不動産取引相談窓口の公式情報をご確認ください。

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