- 公開日: 2026.07.02
- 住宅選びポイント
住宅購入前に自然災害リスクを無料で調べる方法|ハザードマップ活用法

人生で最も大きな買い物といわれる「住宅」。長く安心して暮らすうえで見落とせないのが、自然災害のリスクです。日本は地震が多いだけでなく、台風や大雨による洪水・土砂災害、沿岸部では高潮や津波のリスクも考えられます。
こうしたリスクは、実は無料で公開されている地図サービスを使えば、購入前に自分で調べることができます。今回は、住宅を購入する前に必ず確認しておきたい自然災害リスクのチェック方法を、初めての方にもわかりやすく解説します。住宅ローンを組んで長く住む家だからこそ、契約前のひと手間が将来の安心につながります。
「地理院地図」で過去の土地の状態をチェック
住宅を購入する際は、その土地がどういう性質を持っているのかを把握しておくことが重要です。見た目はきれいな宅地でも、昔は川や田んぼだった、という土地は少なくありません。
国土地理院では、土地の成り立ちと自然災害リスクを知ることができる「地理院地図」を公開しています。この地図では、地形分類として「自然地形」や「人工地形」を色分けで表示でき、昔ここが何だった土地なのかを知ることができます。
使い方はかんたんです。地理院地図にアクセスし、右上の「情報」→「すべて」→「土地の成り立ち・土地利用」などから地形分類を表示します。例えば東京都多摩市周辺を表示すると、茶色・黄緑色・オレンジ・青などの色が混在していることがわかります。この色こそが、土地の成り立ちを読み解くヒントになります。
旧河川や海面、平野部は液状化リスクあり
地図上の青色の部分は、旧河川または海面であったことを示しており、もともと低い土地に盛土した部分や、海面を埋め立てた土地であることを表します。
例えば先ほどの多摩市付近を見ると、聖蹟桜ヶ丘駅周辺や多摩センター駅北側に青色や黄緑色が多くなっています。過去に河川の一部だった、あるいはニュータウン開発時に河川をまっすぐ造成した、といった歴史が読み取れます。
このような土地では、地震が発生したときに注意が必要です。特に海面や河川を埋め立てた土地では、液状化のリスクが考えられます。台地などに比べて地盤が弱い傾向があり、揺れが大きく伝わることで、建物の倒壊や部分破損などのリスクも高まります。
台地や山地の地盤は良好で地震リスク低め
地図上のオレンジ色は「台地」、茶色は「山地」を示しており、周囲に比べて土地が高いことがわかります。
地形分類を「人工地形」に切り替えると、オレンジや茶色の部分が別の色に変わり、「切土地(山地や台地を造成した土地)」であることがわかる場合があります。多摩市周辺のように、山地を宅地化してニュータウンを開発した土地では、切土地の割合が高い傾向にあります。
台地や山地は地盤が良好で、地震の揺れに比較的強く、液状化リスクも低いといえます。ただし、台風や大雨の際に、場所によっては斜面が崩壊するリスクがあるため、周囲の地形もあわせて確認しておきましょう。
洪水・土砂災害・津波・高潮は「重ねるハザードマップ」でチェック
地震以外のリスクとして、洪水・土砂災害・津波・高潮があります。これらのリスクが高い土地を確認するには、国土交通省・国土地理院が公開している「重ねるハザードマップ」が便利です。洪水・土砂災害・高潮・津波のリスク情報のほか、道路防災情報や地形分類を、全国どこでも1つの地図上に重ねて確認できます。
重ねるハザードマップにアクセスし、「洪水」「土砂災害」「津波」「高潮」など確認したい項目を選択します。住所を入力するか地図を動かして、調べたい場所を表示しましょう。
例えば神奈川県平塚市付近の洪水情報を確認すると、相模川付近が洪水浸水想定区域に指定されていることがわかります。浸水の深さごとに色分けされて表示されます。
次に「津波」を確認すると、同じ平塚市付近では相模川と相模湾付近で津波による浸水リスクが高いことがわかります。
最後に「土砂災害」を確認すると、平塚市より北の厚木市・伊勢原市・秦野市にまたがる「大山」付近が土砂災害警戒区域に指定されていることがわかります。なお、市区町村が作成した詳しいハザードマップは、「重ねるハザードマップ」内の「わがまちハザードマップ」から各自治体のページへリンクして確認できます。
購入前にリスクを知り、備えることが重要
住宅の購入を検討する際は、候補となる土地にどんな自然災害リスクがあるかを、今回紹介した地図で必ず確認しておきましょう。
大切なのは、「リスクのある土地は避けなさい」という話ではなく、事前にリスクを知って備えておくという考え方です。緊急時に持ち出せる非常用セットの常備や、火災保険・地震保険を手厚くしておくことは、すぐに実践できます。オプションで耐震補強や地盤の補強を行う対策もあります。
また、災害リスクは火災保険・地震保険の保険料や、将来の売却しやすさにも影響します。住宅ローンの返済は長期間続くため、毎月の返済額だけでなく、保険料や万一への備えまで含めて資金計画を立てておくと安心です。ハザードマップの確認は、その第一歩といえるでしょう。
よくある質問(FAQ)
Q. ハザードマップの確認は無料でできますか?
はい。地理院地図も重ねるハザードマップも、国が運営する無料のサービスです。スマートフォンやパソコンから、住所を入力するだけで誰でも確認できます。
Q. リスクのある土地は買ってはいけないの?
必ずしもそうではありません。大切なのは、リスクを正しく知ったうえで、保険や耐震・地盤補強などの対策を検討することです。同じエリアでも土地ごとにリスクは異なるため、候補地ごとに確認しましょう。
Q. 災害リスクは住宅ローンに関係ありますか?
直接ローンの審査を左右するわけではありませんが、火災保険・地震保険の保険料や、将来売却する際の資産価値に影響することがあります。長期の返済を見据えて、リスクと備えをセットで考えておくことをおすすめします。

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