住宅ローンの【フラット35】Sとは何か?【フラット35】との違いを含めて徹底解説!
住宅金融支援機構の住宅ローンサービスとして、【フラット35】(以下「フラット35」)を紹介してきました。フラット35は、住宅の普及を後押しする目的で、民間の金融機関と提携して金利を低くすることで住宅ローンが借りやすいメリットがありました。
近年では、既存のフラット35に加え、【フラット35】S(以下「フラット35S」)という商品が登場しています。今回はフラット35Sの商品概要について解説するとともに、既存のフラット35との違いについても見ていきます。
フラット35Sとは何か?
フラット35Sとは、これまで住宅金融支援機構が提供してきた住宅ローンサービス「フラット35」の審査基準を満たした住宅の中で、耐震性と省エネ性などに優れた住宅を取得した場合において、一定期間金利を引き下げる優遇制度です。2018年3月時点では最大の金利下げ幅は0.25%となっています。
フラット35Sは、新築住宅の他、中古住宅に対しても、後程説明する技術基準に適合していれば適用することができます。
フラット35Sで適用する金利は、住宅金融支援機構があらかじめ定めた技術基準よりレベル付けを行い、金利Aプランと金利Bプランに分けられます。
フラット35Sを提供する背景
フラット35Sを提供する背景としては、東日本大震災などを筆頭に日本国内は自然災害が多いことからより耐震性に優れた住宅の需要が高まっていることに加え、少子高齢化社会により高齢者人口が増える中、誰もが使いやすい住宅を普及することの重要性が高まっていることにあります。
日本における住宅供給の問題点として、耐久年数が短く、新築住宅の建設に焦点を当てられていました。近年では、空き家問題が表面化していることから、長きにわたって使用し続けられるストック型住宅を普及させる目的もあるのではないかと考えられます。
ただし、耐震性や耐久性を高めた住宅を建設もしくは取得する場合、消費者にとってはコスト負担が高くなることから、普及の足かせになることも考えられます。そのため、住宅金融支援機構では、金利を引き下げることで消費者のコスト負担を軽減させることで、質の高い住宅の普及を後押しする狙いがあるものと考えられます。
金利Aプランと金利Bプランの違い
フラット35Sでは、技術基準レベルに応じて、適用できる金利プランとして「金利Aプラン」と「金利Bプラン」に分けられます。
金利Aプラン
金利Aプランは、金利の引き下げ期間が10年間にわたり適用できるプランで、耐震性能や省エネ性に極めて優れた住宅に対して、適用されるプランです。
金利Bプラン
金利Bプランは、金利の引き下げ期間が5年間にわたり適用できるプランです。先ほど紹介した金利Aプランの技術要件と比較して若干劣る場合は、金利Bプランが適用されます。
フラット35Sが定める技術基準
フラット32Sを適用するにあたり、予め定められている技術基準は以下の通りとなっています。
金利Aプラン
金利Aプランを適用する場合、新築住宅、中古住宅共通で以下に定めた技術基準に対して1つ以上の基準を満たしている必要があります。
1.認定低炭素住宅であること
2.一次エネルギー消費量等級5の住宅であること
3.性能向上計画認定住宅であること
4.耐震等級3の住宅であること
5.高齢者等配慮対策等級4以上の住宅であること
6.長期優良住宅であること
金利Bプラン(新築住宅)
金利Bプランを適用する場合、以下6つの基準に対して、いずれか1つ以上の基準を満たしている必要があります。
1.断熱等性能等級4の住宅であること
2.一次エネルギー消費量等級4以上の住宅であること
3.耐震等級2以上の住宅であること
4.免震建築物であること
5.高齢者等配慮対策等級3以上であること
6.劣化対策等級3の住宅であり、かつ、維持管理対策等級2以上の住宅であること
金利Bプラン(中古住宅)
中古住宅を取得する場合において、金利Bプランを提供する場合、以下4つの基準に対して、いずれかの1つ以上の基準を満たしている必要があります。
1.二重サッシまたは、複層ガラスを使用していること
2.建設住宅性能評価書の交付を受けていること
3. 浴室及び階段に手すりを付けていること
4.屋内の段差を解消している(バリアフリー)住宅であること
フラット35Sはフラット35に包括される
今回紹介したフラット35Sは、住宅金融支援機構がこれまで提供してきたフラット35に包括されるものであり、その中で、今回紹介した技術基準を満たしていた場合、さらに金利を優遇する制度です。
フラット35では、1億円以下の新築物件もしくは中古物件に対して、ご自身と親族が居住する目的の住宅を建築もしくは購入する場合において、資金を最高8,000万円まで融資が可能です。返済期間は15年以上35年以下で、返済が終了するまで融資実行時点での金利が適用されます。
- 2018.03.17
- フラット35特集
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