- 公開日: 2026.06.20
- フラット35特集
フラット35の「買取型」と「保証型」の違いをやさしく解説

住宅ローンで住宅を購入するとき、長期固定金利でおなじみの「フラット35」を選ぶ方は多いですが、実はフラット35には「買取型(かいとりがた)」と「保証型(ほしょうがた)」という2つのタイプがあることをご存じでしょうか。
この記事では、これから初めて住宅ローンを検討する方に向けて、フラット35の基本をやさしくおさらいしたうえで、買取型と保証型の違い・選び方をわかりやすく解説します。
フラット35とは?
フラット35とは、住宅金融支援機構(じゅうたくきんゆうしえんきこう)が民間の金融機関と提携して提供している、長期固定金利の住宅ローンです。借入時に決まった金利が完済まで変わらないため、「毎月の返済額がずっと一定で、家計の見通しを立てやすい」のが最大の魅力です。
おもな商品概要は次のとおりです。
・返済期間:15年以上35年以内
・借入額:100万円以上8,000万円以下(本人や親族が住む住宅の新築・購入費用など)
・中古住宅も、住宅金融支援機構が定める技術基準に適合していれば対象
さらに、一般的な住宅ローンで必要になりがちな保証人・保証料が不要で、繰上返済の手数料もかかりません(一部繰上返済は、インターネットサービス「住・My Note」なら10万円以上、金融機関の窓口なら100万円以上から手続きできます)。
このフラット35には、今回くわしく説明する「買取型」と「保証型」の2タイプがあります。取扱金融機関のほとんどは買取型で、買取型は300以上の金融機関が扱っているのに対し、保証型を新規で取り扱う金融機関は2026年時点で8機関ほどとごく少数です(最新の取扱状況は住宅金融支援機構の公式サイトでご確認ください)。そのため、特別なこだわりがなければ「フラット35=買取型」と考えておけば大きく外しません。
フラット35の買取型と保証型の違い

買取型と保証型の最大の違いは、「お金の貸し手」と「住宅金融支援機構の関わり方」です。ざっくり言うと、買取型は機構が金融機関から住宅ローンの債権を買い取るしくみ、保証型は金融機関が貸し手のまま機構が保険(保証)でバックアップするしくみです。
買取型
買取型は、住宅金融支援機構が投資家から資金を調達し、その資金を住宅ローンを必要とする金融機関に提供することで成り立っているタイプです。
流れとしては、私たち消費者(債務者)が金融機関から住宅ローンを借り入れたあと、その債権を住宅金融支援機構が買い取ります。買い取った債権は信託銀行に担保として信託され、「MBS(Mortgage Backed Security=住宅ローン担保証券)」として証券化されたうえで投資家に販売されます。返済は、債務者が金融機関へ利息付きで支払い、金融機関が機構へ、機構が投資家へと利息を渡していく流れです。
保証型
保証型は、住宅金融支援機構ではなく金融機関が直接資金を調達して、債務者に住宅ローンを提供するタイプです。住宅金融支援機構は、万一返済が滞ったときに金融機関へ保険金を支払う「保証(住宅融資保険)」の役割を担い、お金の流れを支えます。
このように貸し手としくみが違うため、団信や抵当権、手数料などにも次のような違いが生まれます。初めての方は、まず下の表で全体像をつかんでおきましょう。
| 比較の観点 | 買取型 | 保証型 |
|---|---|---|
| 貸し手・しくみ | 機構が債権を買い取る | 金融機関が貸し手、機構が保険で保証 |
| 取扱金融機関 | 300以上と多い | 2026年時点で約8機関と少数 |
| 団体信用生命保険(団信) | 新機構団信(任意。加入しないと金利▲0.2%) | 金融機関独自の団信(加入必須のことが多い) |
| 抵当権の第1順位 | 住宅金融支援機構 | 取扱金融機関 |
| 融資事務手数料 | 定額・定率など機関により幅がある | 2%超の定率が多めでやや高い傾向 |
| 適用金利の傾向 | 標準的 | 自己資金が多いと低くなるプランがある |
買取型と保証型では住宅ローンの融資条件が違う

買取型と保証型では、利用する際の条件にも違いがあります。ポイントを順番に見ていきましょう。
買取型
買取型は、融資金額100万円以上8,000万円以下で、住宅の建設費・購入費の最大100%まで借り入れできます(ただし融資率が9割を超えると金利が高くなります)。担保は住宅金融支援機構を第1順位の抵当権として設定します。
団信は新機構団信への加入が任意で、加入しない場合は借入金利が0.2%低くなります。すでに民間の生命保険で住宅ローン返済をカバーできる方は、団信に加入しない選択もできます。なお、3大疾病なども保障する「新3大疾病付機構団信」を選ぶと、借入金利は新機構団信より0.24%高くなります。
繰上返済は手数料無料で、インターネットの「住・My Note」なら10万円以上、金融機関の窓口なら100万円以上から行えます。
保証型
保証型は、融資金額100万円以上8,000万円以下で、建設費・購入費の9割程度までを借り入れるプランが中心です(自己資金を多めに用意できる人ほど金利が有利になる商品もあります)。担保は取扱金融機関を第1順位の抵当権として設定します。
団信は金融機関が提供する団信への加入が条件になっているケースが多い一方で、がん保障・全疾病保障など保障内容が手厚い商品を選べるのも特徴です。繰上返済の最低額や手数料は金融機関によって異なり、1円から手数料無料で対応する金融機関もあれば、最低額や手数料を設けている金融機関もあります。申込先ごとに必ず確認しましょう。
よくある質問(初心者向けFAQ)
Q. 買取型と保証型、初心者はどちらを選べばいい?
まずは取扱金融機関が多く、商品がわかりやすい買取型が基本の選択肢です。自己資金を1割以上用意でき、より低い金利や手厚い団信を狙いたい場合は、保証型も候補に入れて比べてみるとよいでしょう。
Q. 金利が低いのはどっち?
自己資金を多めに用意できる前提なら、保証型のほうが金利は低めの傾向です。ただし買取型でも融資事務手数料を抑えた金融機関が増えているため、金利だけでなく「金利+手数料」を含めた総支払額で比べるのがおすすめです。最新の金利は各金融機関と住宅金融支援機構の公式サイトでご確認ください。
Q. 団信に入らないと損ですか?
買取型は団信が任意で、加入しないと金利が0.2%下がります。すでに生命保険で住宅ローンの返済を備えられているなら、団信に加入しないという選び方もあります。ご家庭の保険の状況に合わせて検討しましょう。
Q. フラット35の金利は今どのくらい?
固定金利は長期金利の上昇を受けて高めで推移しており、2026年6月時点の買取型(融資率9割以下・新機構団信付き)の最頻金利は年3%台です。金利は毎月見直されるため、申込前に必ず住宅金融支援機構の公式サイトで最新の金利をご確認ください。
買取型と保証型は、しくみは違っても「全期間固定で返済額が読みやすい」という安心感は共通です。まずは取扱金融機関の多い買取型を軸にしながら、自己資金や希望する団信に応じて保証型も比べてみる——この順番で考えると、初めての住宅ローン選びでも迷いにくくなります。金利・手数料・団信の最新条件は、必ず各金融機関と住宅金融支援機構の公式サイトで確認してから判断しましょう。

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