- 公開日: 2026.07.07
- フラット35特集
【フラット35】Sとは?金利引下げの仕組みと通常フラット35との違いを解説

住宅金融支援機構が民間金融機関と提携して提供する全期間固定金利の住宅ローン【フラット35】。返済が終わるまで金利が変わらない安心感が魅力ですが、その【フラット35】には、省エネ性や耐震性などにすぐれた「質の高い住宅」を取得する人向けに、当初の金利をさらに引き下げてくれる【フラット35】S(以下「フラット35S」)という制度があります。
「フラット35とフラット35Sは何が違うの?」「うちの家は対象になるの?」と迷いやすいところなので、この記事では初めて住宅ローンを検討する方にもわかるよう、仕組みと違いをやさしく整理していきます。
フラット35Sとは何か?(ひとことで言うと)
フラット35Sとは、フラット35を申し込む人が、省エネルギー性・耐震性などにすぐれた質の高い住宅を取得する場合に、当初一定期間の借入金利を引き下げてもらえる制度です。フラット35とは別のローンではなく、フラット35に上乗せされる「金利優遇のオプション」とイメージするとわかりやすいでしょう。
新築住宅だけでなく、あとで紹介する技術基準を満たす中古住宅でも利用できます。住宅の性能レベルに応じて、性能が高い順に「ZEH」「金利Aプラン」「金利Bプラン」の区分が用意されており、性能が高いほど引き下げの効果が大きくなります。
通常のフラット35との違い
フラット35とフラット35Sは、ローンとしての基本的な仕組み(全期間固定金利・返済期間など)は同じです。違うのは「金利の引き下げがあるかどうか」と「対象になる住宅の条件」です。ポイントを表で整理します。
| 比較の観点 | 通常の【フラット35】 | 【フラット35】S |
|---|---|---|
| 金利タイプ | 全期間固定金利 | 全期間固定金利(同じ) |
| 当初金利の引き下げ | なし | 当初一定期間の金利を引き下げ |
| 対象になる住宅 | 機構の基本的な技術基準を満たす住宅 | 基本基準に加え、省エネ・耐震などのより高い技術基準を満たす住宅 |
| 手続き | 物件検査(適合証明)が必要 | 物件検査でフラット35Sの基準適合も確認 |
つまり、フラット35Sは「基準を満たせるなら使わない理由がない、金利面でおトクなオプション」という位置づけです。対象になるかどうかは住宅の性能しだいなので、まずは自分が取得する住宅が条件を満たすかを確認するのが第一歩になります。
金利の引き下げは「ポイント制」で決まる
以前のフラット35Sは「金利Aプランは当初10年間、金利Bプランは当初5年間、金利を引き下げる」という仕組みでしたが、現在はメニューごとに“ポイント”が決まり、その合計ポイント数で引き下げ幅と期間が決まる「ポイント制」に変わっています。
基本のルールは次のとおりです(住宅金融支援機構)。
- 1ポイントにつき、当初5年間 年▲0.25%の引き下げ。
- フラット35Sのポイントは、金利Bプラン=1ポイント/金利Aプラン=2ポイント/ZEH=3ポイント。
- 合計ポイントが増えるほど引き下げ幅・期間が拡大し、引き下げ幅は最大で当初5年間 年▲1.0%(4ポイント)。5ポイント以上になると、上乗せではなく6〜10年目にも年▲0.25%の引き下げが付くなど、引き下げ期間が延びる形になります。
たとえば金利Bプラン単独なら「当初5年間 年▲0.25%」、金利Aプランなら「当初5年間 年▲0.5%」、ZEHなら「当初5年間 年▲0.75%」が目安です。実際の引き下げ内容は、次で紹介する他のメニューとの組み合わせでも変わります。最新の引き下げ幅・期間や予算枠の受付状況は、必ず公式サイトのシミュレーションでご確認ください。
どんな住宅が対象になる?(技術基準)

フラット35Sの対象になるのは、「省エネルギー性」「耐震性」「バリアフリー性」「耐久性・可変性」といった観点で、一定の性能を満たす住宅です。性能が高い順に、おおむね次のように区分されています。
- ZEH:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスなど、断熱性能・省エネ性能が特に高い住宅。
- 金利Aプラン:断熱等性能等級や耐震等級などが高い水準の住宅(例:耐震等級3、長期優良住宅など)。
- 金利Bプラン:金利Aプランより一段ゆるやかな基準(例:耐震等級2以上、一定の断熱・省エネ性能など)。中古住宅には利用しやすい独自の基準も用意されています。
なお、住宅性能評価書を取得していなくても、フラット35の物件検査に合格すれば利用できます。等級の具体的な数値や中古住宅の基準は制度改正で見直されることがあり、また土砂災害特別警戒区域内の新築などは対象外となる場合もあるため、対象になるかどうかの最終的な判断は、必ず住宅金融支援機構の公式「技術基準」ページや、住宅会社・金融機関にご確認ください。
他の金利引下げメニューと組み合わせられる
今のフラット35は、フラット35S以外にもさまざまな金利引下げメニューがあり、条件に当てはまればポイントを合算して引き下げを大きくできます。代表的なものは次のとおりです。
- 【フラット35】子育てプラス:若年夫婦世帯や子育て世帯が、子どもの人数などに応じて金利引き下げを受けられるメニュー。
- 【フラット35】維持保全型:長期優良住宅や、適切な維持保全・管理が行われる住宅向け。
- 【フラット35】地域連携型・地方移住支援型:自治体の支援とセットで金利を引き下げるメニュー。
- 【フラット35】リノベ・中古プラス:中古住宅の取得・リフォームで使えるメニュー。
これらを組み合わせると、たとえば「フラット35S+子育てプラス」で当初5年間の引き下げ幅を大きくできるケースもあります。どのメニューを使えるかは家族構成や住宅の条件によって変わるので、公式のシミュレーションで確認してみましょう。
2026年からの主な制度改正
フラット35は、住宅価格の上昇などに合わせて制度が見直されています。2026年に関わる主な変更点は次のとおりです。
- 融資限度額が8,000万円から1億2,000万円へ引き上げ(2026年4月の資金実行分から適用)。都市部の高額物件でも全期間固定金利を利用しやすくなりました。
- 一戸建て住宅の床面積の下限が「70㎡以上」から「50㎡以上」へ緩和(2026年4月〜)。これまで対象外だった小さめの一戸建ても利用しやすくなります。
- 借換融資でも「子育てプラス」が利用可能に(2026年3月〜)。変動金利からの借り換えを検討する子育て世帯にとって選択肢が広がりました。
フラット35Sそのものの融資限度額も、通常のフラット35と同じく1億2,000万円が上限です。
フラット35Sを検討するときの進め方
初めての方は、次の順番で考えるとスムーズです。
- 取得する住宅がフラット35Sの技術基準を満たすか確認する(住宅会社・不動産会社に「フラット35S対応か」を早めに聞く)。
- 使える金利引下げメニューを洗い出す(子育てプラスなど、自分の世帯で使えるものがないか確認)。
- 公式サイトのシミュレーションで引き下げ幅・期間を確認する。
- フラット35を取り扱う金融機関を比較する(事務手数料や団信の内容は金融機関ごとに異なります)。
フラット35は多くの金融機関が取り扱っており、金利の引き下げ制度は共通でも、事務手数料・団信・手続きのしやすさは各社で差があります。全期間固定のフラット35と、民間銀行の変動・固定金利を並べて比べてみるのもよいでしょう。民間の住宅ローンでは、諸費用のわかりやすさや団信の内容で選ぶ人も多く、たとえばSBI新生銀行のように手数料体系や保障がシンプルな銀行も、検討に値する選択肢の一つです。
よくある質問(FAQ)
Q. フラット35Sは、フラット35とは別に申し込むのですか?
いいえ。フラット35の申し込みの中で、住宅がフラット35Sの基準を満たしていれば金利引き下げが適用される仕組みです。別々のローンを組むわけではありません。
Q. 金利の引き下げは、返済のあいだずっと続きますか?
いいえ。引き下げは当初の一定期間だけで、その後は通常のフラット35の金利に戻ります。引き下げ幅・期間はポイント数で決まります。
Q. 中古住宅でもフラット35Sは使えますか?
使えます。中古住宅向けの技術基準が別に用意されており、二重サッシ・複層ガラスやバリアフリーなど、比較的満たしやすい条件も含まれています。物件がすでに適合証明を取得しているかを確認するとスムーズです。
Q. 引き下げ幅はいつでも同じですか?
いいえ。金利引下げ制度には予算枠があり、受付が終了することもあります。制度自体も見直されるため、申し込み前に必ず公式サイトで最新の内容を確認してください。
フラット35Sは、質の高い住宅を取得する人にとって金利面で大きなメリットがある制度です。まずは「自分の住宅が対象になるか」「どのメニューを組み合わせられるか」を確認し、無理のない返済計画を立てていきましょう。

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