- 公開日: 2026.09.17
- フラット35特集
フラット50とは?最長50年固定の条件・金利とフラット35との違い

フラット50は、長期優良住宅・予備認定マンション・管理計画認定マンションのいずれかを取得するときに使える、最長50年・全期間固定金利の住宅ローンです。住宅金融支援機構が提供しており、返済期間を長くとれる分だけ毎月の返済額を抑えやすい一方、完済時の年齢が高くなり、総返済額(利息の合計)は増えます。仕組みと向き・不向きを、初めての方にもわかりやすく整理していきます。
これまでは新築一戸建てを建てる・買うのが住宅取得の一般的なイメージでしたが、空き家問題などを背景に、いまは「質の高い住宅を長く使い、中古市場も活かす」方向が後押しされています。フラット50は、その流れのなかで生まれた商品です。
フラット50とは?=長期優良住宅等で使える最長50年の全期間固定ローン
フラット50は、住宅金融支援機構が提供する、返済期間を最長50年にできる全期間固定金利型の住宅ローンです。返済期間が最長35年のフラット35の派生商品で、質の高い住宅を普及させる目的で用意されています。
対象となるのは、長期優良住宅・予備認定マンション・管理計画認定マンションのいずれかです(かつ機構の技術基準に適合していること)。長期優良住宅とは、長く安心・快適に暮らせる優良な住宅として国が定めた基準を満たし、認定を受けた住宅のことです(国土交通省「長期優良住宅」のページ)。
日本では住宅の耐用年数が短いと指摘され、新築中心の取得が一般的だったことから中古市場が小さく、少子高齢化のなかで空き家問題につながる課題がありました。これを解消するため、2008年(平成20年)に「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が制定され、翌2009年の施行とあわせて、長く使い続けられる住宅の普及を後押しする一環としてフラット50が導入されています。
フラット50の6つの特徴

1.返済期間が最長50年で全期間固定金利
一番の特徴は返済期間が最長50年と長いこと、そして資金の受取時に、完済までの借入金利と返済額が確定する全期間固定金利であることです。返済期間を長くとれる分、毎月の返済額を抑えやすくなります。
金利水準の目安として、2026年9月現在のフラット50(返済期間36年〜50年)は、年3.700%〜年5.620%、最も多く使われている金利(最頻金利)は年3.700%です(住宅金融支援機構【フラット50】)。金利は取扱金融機関ごとに異なり、申込時ではなく資金の受取時の金利が適用されます。
2.長期優良住宅等を取得する際に利用できる
長く良好な状態で使い続けられる長期優良住宅・予備認定マンション・管理計画認定マンションを取得する場合に利用できるローンです。質の高い住宅は取得コストが高くなりがちですが、返済期間を長くとることで毎月の負担を和らげられます。
3.住宅ローン返済中も売却(債務の引き継ぎ)が可能
フラット50は、ローンが残っていても次に購入する方に債務を引き継いでもらう形で売却できる「金利引継特約」が使えます。全期間固定の金利ごと引き継げるため、将来の売却時に買い手にとっての魅力になり得る、フラット50ならではの仕組みです。
4.フラット35やフラット20と併用できる
フラット50は、フラット35やフラット20と併用できます。フラット50単独では融資率9割以下が条件ですが、フラット35などと組み合わせることで、物件価格までの借り入れが可能になります。ただしこの場合でも、フラット50の融資率の上限(9割)は変わりません。また合計額が物件価格の9割を超えると、フラット50・フラット35のいずれも「9割超の場合の金利」が適用されます。
5.保証人が不要・保証料と繰上返済手数料もかからない
フラット35と同様に、借り入れの際の保証人は不要で、保証料・繰上返済手数料も必要ありません。一部繰上返済は、機構のインターネットサービス「住・My Note」からなら10万円以上、金融機関の窓口なら100万円以上から可能です。
6.団体信用生命保険の加入が任意
フラット35と同じく団信の加入は任意です。健康上の理由その他の事情で団信に加入しない場合もフラット50は利用でき、その場合は借入金利が変わります。なお、子育てプラス・フラット35S・維持保全型・地域連携型などの金利引下げメニューも組み合わせられます(一部、組み合わせできないメニューがあります)。
フラット50の申し込み条件

1.申し込み要件(年齢・国籍・返済負担率)
申し込み時の年齢が満44歳未満であることが要件です(返済期間が長いための条件です)。ただし、2世代で返済する「親子リレー返済」を使う場合は満44歳以上でも申し込めます。しくみは住宅ローンの親子リレー返済とは?条件・特徴で解説しています。また、日本国籍の方、永住許可を受けている方、特別永住者の方が対象です。
加えて、住宅ローン以外の借入れ(自動車ローン・教育ローン・カードローンなど)も含めた年間返済額の合計が、年収に対して次の基準内である必要があります。
・年収400万円未満:30%以下
・年収400万円以上:35%以下
2.資金の使いみち
申込本人やその家族が住むための新築住宅の建設・購入、中古住宅の購入資金に利用できます。セカンドハウスの建築・購入資金としても使えます。2022年10月からは借り換えにも利用できるようになりました。一方で、第三者に賃貸する投資用物件には利用できません(機構は定期的に居住を確認しており、目的外の利用が判明すると全額一括返済を求められます)。
3.借入額
借入額は100万円以上1億2,000万円以下(1万円単位)で、フラット50単独では建設費・購入価額の9割以内が条件です。フラット35またはフラット20と併用する場合は、合計200万円以上1億2,000万円以下で、建設費・購入価額以内まで借り入れできます。
4.借入期間
借入期間は36年以上で、次の(1)(2)のうち短い年数までです。
(1)80歳から申し込み時の年齢(1年未満切上げ)を差し引いた年数
(2)50年
つまり、50年をフルに使えるのは申し込み時点で30歳未満の場合、ということになります。
フラット50の適用技術基準
フラット50を利用するには、機構の技術基準に適合したうえで、対象の住宅が長期優良住宅等の認定を受けている必要があります。長期優良住宅の認定で見られる主な観点は次のとおりです。
- 劣化対策(長期にわたり良好な状態で使用できること)
- 耐震性(地震に対する安全性を確保していること)
- 維持管理・更新の容易性(設備の点検・補修がしやすいこと)
- 省エネルギー性に優れていること
- 一定の住戸面積を満たすこと
- 良好な居住環境への配慮、可変性・バリアフリー(共同住宅など)
- 維持保全計画が策定されていること
機構の技術基準のうち床面積については、一戸建て・連続建て・重ね建ては50㎡以上、マンションなどの共同建ては30㎡以上が基準です(敷地面積の要件はありません)。認定基準の詳細や必要書類は住宅の種類(新築・中古)によって異なるため、機構公式の【フラット50】ご利用条件や取扱金融機関で確認してください。
フラット35との違い=期間と対象住宅、そして総返済額
| 比較の観点 | フラット35 | フラット50 |
|---|---|---|
| 返済期間 | 最長35年 | 36年〜最長50年 |
| 金利タイプ | 全期間固定 | 全期間固定 |
| 対象の住宅 | 機構の技術基準を満たす住宅 | 長期優良住宅・予備認定マンション・管理計画認定マンション |
| 申込時の年齢 | 満70歳未満 | 満44歳未満(親子リレー返済なら44歳以上も可) |
| 融資率(単独) | 9割以下が基本(9割超も可) | 9割以下 |
| 返済中の売却 | 通常の売却 | 金利引継特約で債務を引き継いでの売却が可能 |
| 団信 | 任意 | 任意 |
機構自身も「フラット35と比べて完済時年齢が高くなり、総返済額が増加する可能性があります」と注意を促しています。期間の長さは月々の軽さと引き換えであり、そこを理解して選ぶことが大前提です。
この点は、住宅ローン全体の論点にもなっています。金融庁は2026年9月15日に公表した「2026事務年度金融行政方針」で、返済期間40〜50年程度の超長期の住宅ローンについて、利用者へのリスク説明や、収入見込みに照らした審査体制が適切かを「利用者保護の観点から注意深くモニタリングを行う」と明記しました(金融庁「2026事務年度金融行政方針について」)。これは長期の住宅ローンを規制・禁止するという話ではありませんが、「月々いくらか」だけでなく「何歳まで・総額いくら払うのか」を自分でも確かめておきたい、というサインとして受け取っておくとよいでしょう。
よくある質問
Q. フラット50は誰に向いていますか?
A. 長期優良住宅等を取得したうえで、毎月の返済額をできるだけ抑えたい方や、50年間ずっと金利を固定して資金計画を安定させたい方に向いています。逆に、返済期間が長い分だけ利息の合計は大きくなるため、総返済額を抑えたい方にはフラット35のほうが合います。
Q. 50年も借りて大丈夫でしょうか?
A. 期間が長いほど毎月の返済は軽くなりますが、その分利息は増え、完済時の年齢も上がります。申し込み時30歳なら完済は80歳です。余裕があるときに繰上返済をする(保証料・繰上返済手数料はかかりません)、退職時期までにどこまで残高を減らすか決めておくなど、無理のない返し方をセットで考えることが大切です。
Q. フラット35を扱っていれば、どの金融機関でもフラット50を申し込めますか?
A. いいえ。フラット35またはフラット20を扱っていても、フラット50を取り扱っていない金融機関があります。機構の金利情報ページや金融機関のお問合せ窓口ページで、フラット50の取扱金融機関を確認してから相談に行きましょう。
Q. フラット50の借り換えはできますか?
A. できます。2022年10月から、フラット50でも借換融資を利用できるようになりました。ただし対象となる住宅の要件(長期優良住宅等であること)や申込時の年齢要件は新規借入と同じです。
フラット50は、長期優良住宅等で使える最長50年・全期間固定のローンで、毎月の負担を抑えやすく、将来は債務を引き継いでの売却もできるユニークな商品です。一方で総返済額は大きくなりやすく、完済時の年齢も上がるため、向き不向きがはっきり分かれます。
住宅ローンは固定だけでなく、変動金利や民間銀行の選択肢も含めて比較するのがおすすめです。フラット35と民間ローンの違いはフラット35と民間住宅ローンの違い(金利・条件・団信の比較)で整理しています。たとえばSBI新生銀行は、保証料や一部繰上返済手数料が0円で、店舗相談とオンライン手続きの両方に対応しており、フラット系の全期間固定と見比べる候補の一つになります。
※記載の金利・条件は2026年9月時点の公表内容です(ご利用条件は2026年4月1日現在)。金利は毎月見直され、取扱金融機関によっても異なります。最新の金利・条件は【フラット35】公式サイトおよび各取扱金融機関でご確認ください。

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