ミックスローンのメリットとデメリットを徹底解説
前回は変動金利と固定金利を複数組み合わせて住宅ローンの返済を行うミックスローンの概要について解説しました。現在日本では金利は低い状況であり、今後の上昇が予想されますが、将来的な予想については分かりづらいのが現状です。その場合に、金利変動リスクを抑える手段としてミックスローンを選ぶことができます。
今回は、ミックスローンのメリットとデメリットを解説します。
ミックスローンは変動金利と固定金利を組み合わせて返済可能
はじめに、ミックスローンについて簡単に解説します。
ミックスローンとは、2018年12月3日の記事でも紹介しましたが、住宅ローンを返済する時に、金融機関に対してお金の賃借料である金利をあわせて返済を行う必要がありますが、複数の金利タイプを組み合わせた住宅ローン商品です。
この金利は市場金利の動向に応じて半年ごとに金利が見直される「変動金利」と、住宅ローンを借入時に決められた金利を返済期間もしくは一定期間まで固定されている「固定金利」の2つから選ぶことができます。
変動金利の場合、金利が下落した場合は、支払う金利もさがりますので住宅ローンの総返済額は下がりますが、逆に、金利が上昇した場合、金利上昇によって総返済額が拡大することになりますので住宅ローンの返済負担が増加するリスクがあります。
一方で、固定金利の場合は金利が上昇した場合でも金利が固定されていますので、上昇による返済負担は増えませんが、逆に金利が下がった時はその恩恵は受けられなくなってしまう他、ある程度の変動が加味されていますので、変動金利に比べて設定されている金利が高いデメリットがあります。
変動金利と固定金利はどちらもメリットとデメリットがありますが、将来的な金利の動向が読みづらい場合においてそれぞれのリスクをカバーし合うことができる住宅ローン商品です。
ミックスローンのメリット
ミックスローンのメリットとしては、前述したとおり、金利変動リスクを抑えることができることに加え、繰り上げ返済を行う場合、支払う利息を抑えられる2つのメリットがあります。
金利変動リスクを抑えることができる
ミックスローンでは、変動金利と固定金利の2つの金利タイプを自由に組み合わせることができるため、金利変動リスクを抑えることができます。
例えば、3000万円の住宅ローンを契約していた場合、それぞれ1500万円づつ変動金利と固定金利を組み合わせた場合、金利が上昇した場合は、半分の1500万円の部分の金利に対して支払う利息が上昇しますが、残りの1500万円は固定金利で据え置かれます。そのため、全額変動金利に設定していた場合と比べ金利変動リスクを半分に抑えることができます。
また、金利タイプの組み合わは自由ですので、ご自身のリスク許容度に応じて組み合わせが可能です。例えば、近年の低金利状況において、金利上昇のリスクを最優先に備えたい場合は、固定金利の割合を高くし、万が一、金利が下がった場合に備えて変動金利もわずかに組み合わせるといったことが可能です。
繰り上げ返済で支払う利息を抑えられる
ミックスローンは繰り上げ返済を行いたいと考えた場合にも、大きなメリットを受けることができます。2つの金利を自由に組み合わせることが可能ですが、金利が上昇する局面において繰り上げ返済を行う場合は、変動金利部分に対して繰り上げ返済を行うことで、金利上昇リスクを抑えられる他、利息の支払いを抑えることもできます。
そのため、住宅ローンの繰り上げ返済を考えている方にとっても使いやすいといえます。
ミックスローンのデメリット
ミックスローンは金利変動リスクが抑えられるメリットがある反面、金利変動の恩恵が受けづらいことや契約手続きに係るコストや手間が多きといってデメリットがあります。
金利変動の恩恵が受けづらい
ミックスローンは金利変動リスクを抑えられる反面、金利変動の恩恵が受けづらいことが大きなデメリットとなります。
例えば、金利上昇を見据えて変動金利の割合を少なくした場合、予想に反して金利が下落した場合において、本来の変動金利であれば下落することで支払う利息は減りますが、ミックスローンで変動金利の割合が少なければその分、金利下落の恩恵が受けられなくなります。
リスクが減らせる分、それから得られるリターンが受けられる確率も低くなると考えておくべきです。
契約が複雑で契約が2つに分かれる場合も
ミックスローンは通常の住宅ローン商品とは異なり、契約が複雑であることもデメリットとなります。また、変動金利の部分と固定金利の部分で契約が2つに分かれることもあり、別々に契約手続きを進める必要も出てきます。従い、契約手続き時に必要となる諸費用も通常の2倍となり、契約する際のコストと手間が大きく発生することになります。
ミックスローンでは、契約が複数にまたがることになりますので、複数名義で住宅ローンを契約したいと考えている場合に適しているといえます。
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