- 公開日: 2026.07.02
- 住宅購入の基礎知識
住宅ローンと不動産投資ローン(事業用ローン)の違いをやさしく解説

不動産を買うとき、多くの方はローンを利用します。その代表が、マイホーム用の「住宅ローン」と、賃貸経営など収益目的の「事業用ローン(不動産投資ローン)」です。名前は似ていても、対象や金利、借りられる金額の考え方は大きく違います。
この記事では、これから住宅ローンを検討する初心者の方に向けて、住宅ローンと事業用ローン(不動産投資ローン)の違いを、やさしく整理します。
不動産の活用目的に合わせてローンを選ぶ
不動産は高額なので、多くの方はローンを利用して購入します。ただし、ひとくちに不動産といっても、ご自身やご家族が住む一般的な住宅、アパートやマンションなど賃貸に出す物件、お店や事務所など、用途はさまざまです。
ここで大切なのが、住宅ローンは「自分が住むための住宅」を買うためのローンだということです。一方で、賃貸に出したり、お店や事務所を購入したりする場合は、住宅ローンではなく事業用のローンを利用することになります。まずは「その物件に自分が住むのか、貸して収益を得るのか」で、使うローンが変わると覚えておきましょう。
住宅ローンは居住用で、金利が低め

住宅ローンは、個人が居住するための住宅を購入するときに使えるローンです。そのため、借り入れの目的はご自身とご家族が住むこと(居住用)に限られます。
居住用が前提のため、事業用ローンに比べて金利が低めに設定されているのが特徴です。金利は金融機関や市場の動向によって変わりますが、2026年時点では、変動金利でおおむね年1%前後、固定金利やフラット35では年3%前後が目安です(フラット35〔返済期間21年以上35年以下・融資率9割以下・団信あり〕は2026年7月時点で年3.14%)。2024年以降は日本銀行の利上げを背景に金利が上がる動きが続いているため、最新の適用金利は各金融機関やフラット35の公式サイトでご確認ください。
また、住宅ローンは主に契約者本人の給与収入や事業収入をもとに借入可能額が決まります。返済能力に応じて借りられる額が変わり、完済時の年齢に上限(多くは80歳前後)が設けられていることも一般的です。借入額の目安は、年収の5〜8倍程度とされることが多くあります。
事業用ローンは収益目的で、借入可能額が大きい

事業用ローン(不動産投資ローン)は、主に家賃収入など収益を目的とした不動産を購入するときに使うローンです。街で見かけるアパートやマンションの多くは、住宅ローンではなくこの事業用ローンを使って建てられていると考えられます。
事業用ローンは事業目的のため、一般的に住宅ローンよりも金利が高めに設定されます。具体的な金利は金融機関や物件によって幅があるため、利用を検討する際は各金融機関で確認しましょう。
その代わり、返済原資が「家賃収入」であることから、借入可能額は住宅ローンより大きくなりやすいのが特徴です。融資額は契約者の返済能力だけでなく、物件の立地や周辺の賃貸需要(=安定して家賃が入るか)によっても大きく変わります。返済原資が家賃収入のため、年齢が65歳を超えていても物件次第で借り入れできる場合があります。また、法人名義で契約できるのも事業用ローンの大きな特徴です(住宅ローンは原則、法人名義では借りられません)。
住宅ローンと事業用ローンの違い(早わかり表)
| 比較の観点 | 住宅ローン | 事業用ローン(不動産投資ローン) |
|---|---|---|
| 目的・対象 | 自分が住むための住宅 | 家賃収入など収益目的の物件 |
| 金利水準 | 低め | 住宅ローンより高め |
| 返済原資 | 本人の給与・事業収入 | 主に家賃収入 |
| 借入可能額 | 年収に応じて(目安 年収の5〜8倍程度) | 物件の収益力しだいで大きくなりやすい |
| 契約名義 | 個人(原則、法人不可) | 個人・法人どちらも可 |
よくある質問(FAQ)
Q. 住宅ローンで買った家を、あとから賃貸に出せますか?
住宅ローンは「自分が住むこと」が前提です。転勤などやむを得ない事情を除き、無断で賃貸に出すと契約違反となり、一括返済を求められることがあります。賃貸に出す予定があるなら、事前に金融機関へ相談しましょう。
Q. 金利が低いから住宅ローンで投資物件を買ってもいい?
いいえ。居住目的でない物件を住宅ローンで購入することはできません。用途をいつわって借りると重大な契約違反になります。投資目的なら、必ず事業用ローン(不動産投資ローン)を利用してください。
Q. 不動産投資ローンにはどんなリスクがありますか?
家賃収入が返済原資となるため、空室が続くと返済が苦しくなります。金利上昇や修繕費の発生も収支に影響します。「借りられる額」ではなく「無理なく返せる額」で計画し、収支シミュレーションを十分に行うことが大切です。
住宅ローンと事業用ローンは、目的も金利も審査の見られ方も異なります。「自分が住む家」なら住宅ローン、「貸して収益を得る物件」なら事業用ローン——この基本をおさえたうえで、金利や諸費用を複数の金融機関で見比べて選びましょう。マイホーム用の住宅ローンを検討する際は、金利や団信・諸費用の分かりやすさもあわせてチェックすると、後悔のない選択につながります。

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