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転勤が多い人のマイホーム購入|長く住むための工夫と住宅ローン控除の注意点

転勤の多いお仕事をしていると、「マイホームは持てないのでは」と感じてしまいますよね。せっかく買っても転勤で住めなくなるかもしれない——これは転勤族の方に共通する大きな不安です。

でも、転勤があるからといって、マイホームを諦める必要はありません。転勤の範囲や会社の制度にもよりますが、買い方と場所の選び方を工夫すれば、転勤があっても長く住み続けられる可能性は十分にあります。

この記事では、転勤が多い方がマイホームを購入して長く住むための工夫と、転勤で住めなくなったときに住宅ローン控除がどうなるのかという見落としがちなポイントを、やさしく整理します。

転勤が多くてもマイホームは諦めなくてよい

転勤が多い方の悩みは、「住宅を取得したいが、転勤によってその家を手放すことになるかもしれない」という点に尽きます。

当サイトの転勤とマイホームに関する記事でもお伝えしたとおり、あらかじめ転勤があることを織り込んで住宅を購入することが何より大切です。その場合の対応としては、「賃貸に出す」「売却する」という方法があり、そのためには賃貸需要のある地域・買い手がつきやすい地域を選ぶことが重要になります。

もちろん、「転勤が落ち着く年代になってから購入する」「定年退職後に現金でまとめて購入する」という選択も立派な戦略です。それまでにじっくり資金を貯められます。

そして今回の本題である「転勤があっても、できるだけ長く住み続けられるように工夫する」という3つ目の道もあります。まずは、選択肢を整理しておきましょう。

転勤時の選択肢 向いているケース 注意点
住み続ける(通勤範囲内・単身赴任) 転勤先が通える範囲、または家族が住み続けられる 通勤負担・単身赴任の費用。手当の有無を要確認
賃貸に出す 賃貸需要のある立地。転勤期間が長い 住宅ローンは「自分が住む家」が前提。賃貸に出す前に必ず借入先へ相談を
売却する 戻る見込みが薄い。買い手がつきやすい立地 売却額がローン残高を下回ると自己資金での補填が必要になることも

とくに見落としやすいのが「賃貸に出す」ケースです。住宅ローンは「本人やご家族が住むための家」を前提に低い金利で貸し出されるもので、賃貸に出す場合は取扱いが変わることがあります。転勤という事情があるなら対応してもらえることも多いので、勝手に貸し出さず、必ず先に借入先の金融機関へ相談してください

転勤先になりうる勤務地すべてにアクセスしやすい場所を選ぶ

長く住み続けるための工夫として、まず考えたいのが立地です。お勤め先の事業所・営業所など転勤先になりそうな勤務地があらかじめわかっている場合は、そのすべてにアクセスしやすい場所にマイホームを購入するという発想が有効です。

すべての候補地に電車などで1時間〜長くても2時間で行ける場所に家を持てば、異動があっても「職場が変わるだけ」で、自宅はそのままにできます。近隣の都道府県であれば、勤務先によっては新幹線通勤を認めるケースもあります(新幹線にも通勤定期があり、その都度運賃を払うより負担を抑えられます)。

たとえば現在の勤務地が東京で、静岡や名古屋の事業所へ異動する可能性が高いなら、新幹線が使える小田原周辺のように、複数拠点の“中間地点”を候補にする——といった考え方です。

ポイントは、「今の職場に近いか」ではなく「これから通う可能性のある職場すべてに、なんとか通えるか」で選ぶこと。転勤族ならではの視点です。

遠距離なら「単身赴任+帰りやすい立地」で考える

転勤先が遠方だったり、交通の便がよくない場所だったりすると、通勤でカバーするのは現実的ではありません。その場合に多いのが単身赴任です。ご家族はマイホームで暮らし続けられるので、家を手放さずに済みます

このとき大切なのが、「休日に帰宅しやすい立地」を選んでおくことです。新幹線で帰るなら新幹線駅に近い場所、飛行機なら空港へのアクセスがよい場所——といった具合に、帰宅の負担を軽くする立地を意識しておくと、単身赴任の期間も無理なく続けられます。

あわせて、単身赴任手当・帰省旅費の補助があるかも必ず確認してください。手当がなければ二重生活の費用と交通費はすべて自己負担となり、場合によっては家族全員で転居したほうが結果的に負担が小さいこともあります。

転勤で住めなくなったとき、住宅ローン控除はどうなる?

見落とされがちですが、住宅ローン控除は「その家に住んでいること」が適用の条件です。転勤で住まなくなると、控除の扱いが変わります。国税庁が示している取扱いは次のとおりです(2026年7月時点)。

単身赴任で、家族が住み続ける場合

家族(生計を一にする配偶者・扶養親族など)が引き続きその家に住んでいて、転勤の事情が解消したら本人も戻って一緒に住むと認められる場合は、本人が住んでいるものとして扱われ、住宅ローン控除を受け続けられます。単身赴任は、税制面でも家を維持しやすい選択肢だといえます。

家族そろって転居し、家が空き家になる場合

住まなくなった年以降は、控除は受けられません。ただし、「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」を、その家に住まなくなる日までに税務署へ提出しておけば、戻って再び住み始めたときに、残っている控除期間について再び控除を受けられます(賃貸に出していた場合は、再入居した年の翌年から)。

ここが重要です。届出は「住まなくなる前」に出す必要があります。引っ越してから気づいても間に合いません。転勤の内示が出たら、引っ越しの荷造りと一緒に、税務署への届出も予定に入れておいてください

なお、控除期間そのものは延長されません。たとえば13年の控除期間のうち3年間住まなかった場合、その3年分は取り戻せず、残りの期間についてだけ再適用となります。

※適用の可否は個別の事情によって変わります。詳しくは国税庁「転勤と住宅借入金等特別控除等」を確認のうえ、所轄の税務署にご相談ください。

購入前に確認しておきたい会社の制度

転勤族の住まい選びは、会社の制度を知っているかどうかで選択肢が変わります。購入前に、次の点を人事・総務に確認しておきましょう。

  • 転勤の範囲…全国転勤か、エリア限定か。勤務地限定制度(地域限定社員)はあるか。
  • 単身赴任手当・帰省旅費…支給の有無、金額、支給される条件。
  • 持ち家に対する制度…留守宅手当、社宅の利用可否、住宅手当が持ち家でも出るか。
  • 転勤の希望申告制度…家庭の事情(子どもの進学・親の介護など)を考慮してもらえる仕組みがあるか。
  • テレワーク・リモート勤務…どの職種で、どの頻度まで認められるか。

これらの制度が手厚いほど、「買っても住み続けられる」可能性は高くなります。住宅ローンの借入額を決める前に、まずは自社の制度を洗い出してみてください。

働き方の変化と転勤のいま

共働き世帯の増加や介護の必要な家庭が増えるなかで、会社命令による一方的な転勤は以前より運用が難しくなっています。テレワークの普及も、住む場所の自由度を広げました。

国土交通省の「テレワーク人口実態調査」(令和6年度)によると、雇用型就業者のうちテレワークを実施している人の割合は24.6%で、コロナ禍前(最高でも16.6%程度)と比べれば高い水準が続いています。一方で、ピーク時(令和3年度の27.0%)からはやや低下し、下げ止まりの傾向ともされています。

つまり、「テレワークが普及したから転勤はなくなる」と決めつけるのは早計です。実施率は業種・職種・企業によって大きく異なります。過度な期待をせず、自分の会社・自分の職種で実際にどこまで認められるのかを確認したうえで、住まいの計画を立てるのが現実的です。

希望を出せる制度がある会社も増えていますので、家庭の事情を早めに伝えておくことも、長く住み続けるための立派な工夫のひとつです。

よくある質問

Q. 転勤中に家を賃貸に出しても、住宅ローンはそのままでよいですか?

自己判断で貸し出さず、必ず借入先の金融機関に相談してください。住宅ローンは本人・家族が住むことを前提にした商品のため、賃貸に出す場合の取扱いは金融機関によって異なります。転勤という正当な事情があれば、条件付きで認められることも少なくありません。取扱いの詳細は各金融機関の公式サイト・窓口でご確認ください。

Q. 単身赴任だと住宅ローン控除は受けられなくなりますか?

いいえ。家族がその家に住み続け、事情が解消したら本人も戻って一緒に住むと認められる場合は、控除を受け続けられます(国税庁 No.1234)。ただし、家族も一緒に転居して空き家になる場合は扱いが変わりますので、上の第4章をご確認ください。

Q. 転勤の可能性があるなら、借入額は抑えたほうがよいですか?

慎重に考える価値はあります。単身赴任になれば二重生活の費用がかかり、賃貸に出しても空室期間があれば家賃収入は途切れます。手当や家賃収入をあてにしすぎず、「万一そのお金が入らなくても返せる額」で借入額を決めておくと、どの選択肢に転んでも耐えられます。

Q. 中古と新築、転勤族にはどちらが向きますか?

一概には言えませんが、将来の売却・賃貸の可能性を考えるなら、「自分が住みたい家」であると同時に「他の人にも選ばれる家か」という視点が役立ちます。駅からの距離、周辺の生活利便性、学校区など、需要が安定しやすい条件を満たしているかを確認しておきましょう。

まとめ:出口を決めてから入口に立つ

転勤が多い方のマイホーム購入は、「もし転勤になったらどうするか」という出口を先に決めてから、購入という入口に立つことが何より大切です。

  • 転勤先になりうる勤務地すべてに通える立地を選ぶ
  • 遠距離なら、単身赴任でも帰りやすい立地にしておく
  • 賃貸・売却も選べるよう、需要のある立地を選ぶ
  • 住宅ローン控除の届出(住まなくなる前に提出)を忘れない
  • 手当をあてにしすぎない借入額にする

住宅ローンを選ぶときは、転勤族ならではの視点として「手続きのしやすさ」も見ておくとよいでしょう。引っ越しが多いと店舗に何度も足を運ぶのは大変です。たとえばSBI新生銀行の住宅ローンは、オンラインでの手続きと店舗での相談の両方に対応しており、保証料や一部繰上返済手数料が0円、一般団信・全疾病保障付団信を金利の上乗せなしで付けられるなど、費用と保障のわかりやすさに特徴があります。もちろん最適な1本は人によって違いますので、複数の金融機関を同じ条件で比べて選んでください。

※本記事の内容は2026年7月時点の公表情報にもとづく一般的な説明です。税制の適用可否は個別の事情で異なりますので、詳細は所轄の税務署・税理士へ、住宅ローンの取扱いは各金融機関の公式サイト・窓口でご確認ください。

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