抵当権設定の司法書士は自分で選べる?費用と登録免許税を解説

住宅ローンを契約するときは、金融機関と「抵当権設定契約」を結ぶ必要があります。通常は金融機関が指定した司法書士を通じて抵当権の設定が行われるため、私たち利用者が大きな手続きをすることはほとんどありません。こちらの記事でも解説したとおり、抵当権設定はご自身で手続きすることも可能ですが、間違いなく登記できるか不安だとして、金融機関が認めてくれない場合もあります。
今回は、「抵当権を設定する際に、司法書士をご自身で探すことはできるのか?」という疑問を、これから住宅ローンを借りる方にもわかるようにやさしく解説します。
抵当権設定は金融機関と提携した司法書士を通じて行われる
抵当権とは、土地や建物を金融機関から借り入れて購入する際に、その土地や建物に設定する権利のことです。万が一返済ができなくなった場合に、対象の土地や建物を差し押さえ、その売却代金でローンの残高を回収できる権利で、いわば住宅を担保にするしくみです。
抵当権の設定は、通常、住宅ローンの契約手続きと同じタイミングで行います。その際は金融機関が提携している司法書士を介して、金融機関側ですべての手続きを代行してくれます。
そのため利用者は大きな手間を省けるメリットがありますが、抵当権の設定には登録免許税(債権金額の0.4%)に加え、司法書士への報酬がかかります。
なお、登録免許税には軽減措置があります。自己が居住するための住宅用家屋(床面積50㎡以上などの要件を満たし、取得後1年以内に登記)であれば、抵当権設定登記の税率が0.4%から0.1%に軽減されます(適用期限は2027年〔令和9年〕3月31日まで。軽減を受けるには市区町村が発行する「住宅用家屋証明書」が必要で、申請は司法書士が代理で行うのが一般的です)。要件や期限は変わることがあるため、最新の内容は国税庁・法務局などの公式情報でご確認ください。
ただし、金融機関に紹介してもらった司法書士に依頼する場合、その報酬は金融機関側が提示する金額になります。利用者は司法書士を選ぶことも、料金を調整することも基本的にできません。
抵当権設定の司法書士はご自身で探せる?

前述のとおり、抵当権の設定は通常、金融機関が提携した司法書士を通じて行われ、利用者は提示された費用を支払うのが一般的です。
司法書士への報酬は5万円から20万円ほどと決して安くはないため、「少しでも節約したい」と考えるのは自然なことです。こちらの記事でも触れたとおり、金融機関の承認が得られた場合には、ご自身だけで抵当権を設定することも可能で、手続き自体は極端に難しいものではありません。
ただし、多くの金融機関は「正しく登記できないリスク」を理由に、ご自身での手続きを認めない場合があります。法律上は「金融機関で行わなければならない」という規定はないため、金融機関の言い分に強制力があるわけではありませんが、間違いがあってはならない手続きですので、保険として司法書士に確認してもらうことも考えておくと安心です。
司法書士への報酬は原則として自由に決められるため、依頼する司法書士によって数万円の差が出ることもあります。実績・スキル・報酬を総合的に見て、納得できる司法書士に依頼すれば、無駄な費用を抑えられます。
仮に金融機関がご自身での手続きを嫌がる場合でも、ご自身で司法書士を探して、手続き前に書類を確認してもらうといった相談はできそうです。
複数の司法書士に見積もりを依頼しよう

ご自身で司法書士を探せるとはいえ、普段から司法書士と関わることがなければ、どう探せばよいか迷う方も多いでしょう。
いまはインターネットがありますので、「地域名+司法書士」などで検索し、ホームページの問い合わせフォームや電話で見積もりを依頼できます。NTTのタウンページなどの電話帳にも司法書士の連絡先が載っているので、そこから問い合わせる方法もあります。
見積もりは最低でも3件、多くても5件程度お願いするとよいでしょう。問い合わせてみると、司法書士によって見積もり金額に差があることがわかるはずです。もちろん、金融機関から紹介される司法書士もあわせて比較してかまいません。
司法書士を選ぶときは、費用を抑えたいからと報酬の安さだけで決めるのではなく、これまでの実績やスキルなどを総合的に加味して、納得できる相手を選ぶことが大切です。
よくある質問(初心者向けFAQ)
Q. 抵当権設定に司法書士は必ず必要ですか?
法律上は必須ではなく、ご自身で登記することも可能です。ただし抵当権設定登記は専門的で、間違えると後々のトラブルにつながるため、ほとんどの金融機関は司法書士による登記を求めます。実務上は司法書士に依頼するのが一般的です。
Q. 司法書士の報酬と登録免許税は別ですか?
はい、別です。国に納める登録免許税(債権金額の0.4%。住宅用家屋の要件を満たせば軽減で0.1%)と、司法書士に支払う報酬(5万〜20万円程度が目安)は、それぞれ別に必要になります。見積もりを取るときは、両方を含めた総額で確認しましょう。
Q. 費用を少しでも抑えるには?
複数の司法書士から見積もりを取って比較するのが基本です。あわせて、自己居住用の住宅であれば登録免許税の軽減措置(0.1%)の要件を満たしているか、司法書士や金融機関に確認しておくと安心です。
抵当権設定の司法書士は、原則として金融機関が手配しますが、承認が得られればご自身で探すことも可能です。複数の見積もりを比べ、登録免許税の軽減措置も確認しながら、実績・報酬に納得できる司法書士を選びましょう。初めての住宅ローンでも、費用の内訳を知っておくだけで、ぐっと安心して手続きを進められます。
- 2026.06.20
- 住宅ローンQ&A

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