- 公開日: 2026.07.14
- 売買契約のポイント
住宅ローンの抵当権設定を自分で行う手順|必要書類と費用を解説

住宅ローンを新たに契約する、もしくは借り換える場合、住宅ローンを契約する金融機関のために、ご自身の土地や建物に対して抵当権を設定する必要があります。以前の記事でも記載しましたが、金融機関が許可すれば、この抵当権の設定登記をご自身で行うことも可能です。
今回は、抵当権の設定をご自身で行ってみたいと検討している方に向けて、手続きの流れと必要書類、かかる費用をやさしく解説します。
住宅ローンの抵当権設定はご自身で手続き可能
住宅ローンを金融機関と契約する場合、これからローンで購入しようとしている土地や建物に対して、抵当権を設定する必要があります。
抵当権を設定することで、ご自身がこれから購入しようとしている土地や住宅を担保として差し出します。万が一、支払いができなくなり滞納が続いた場合、金融機関はその不動産を差し押さえて売却(競売)することで、住宅ローンの残債を回収できるようにしているのです。
この抵当権の設定手続きは、通常、金融機関が提携している司法書士がまとめて代行してくれます。そのためご自身で特別な手続きを行う必要はありませんが、専門家に依頼する分、登録免許税などの実費に加えて、司法書士への報酬としておおよそ5万円から10万円程度の費用が発生します(報酬額は事務所や借入額によって異なります)。
ただし、抵当権の設定登記そのものはご自身でも行うことができ、手順さえ理解できれば、さほど難しい手続きではありません。以前の記事で紹介したとおり、金融機関の許可が下りれば、ご自身で手続きを行うことで司法書士報酬分の費用をおさえることができます。
ただし実際には、貸し倒れリスクに直結する登記のため、指定の司法書士による手続きを融資の条件としている金融機関が多く、本人申請を認めてもらえないケースも少なくありません。まずは借入先の金融機関に相談し、可否を確認するところから始めましょう。
また、抵当権のしくみそのものについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
金融機関から必要書類を入手する

抵当権を設定するには、はじめに住宅ローンを契約する金融機関から、設定手続きに必要な書類を入手します。
金融機関と住宅ローンを契約する際には、あわせて「抵当権設定契約」を締結します。このときに作成される「抵当権設定契約書」が、登記の原因を証明する書類(登記原因証明情報)になりますので、大切に準備しておきます。あわせて、金融機関側の情報として会社法人等番号(または資格証明書)と、金融機関からの委任状も必要になりますので、担当者に確認しましょう。
さらに、担保に入れる土地や建物について、ご自身がその不動産の名義人(所有者)であることを証明する「登記識別情報」(または旧方式の「登記済証」=いわゆる権利証)を手元に用意します。登記識別情報は、12桁の英数字(符号)で構成されており、不動産の名義人本人であることを証明する大切な情報です。通知書のシールや袋とじは開封せず、そのまま保管しておきましょう。なお、新築・購入と同時に抵当権を設定する場合は、所有権の登記と連件で申請するため、書類の流れが少し異なります。事前に法務局へ確認すると安心です。
法務局のホームページより登記申請書をダウンロードして記入する

金融機関からの必要書類がそろったら、自宅のパソコンで法務局のホームページにアクセスし、登記申請書をダウンロードして必要事項を記入します。
法務局の不動産登記の申請書様式についてのページには、登記の種類ごとに申請書のフォーマットと記載例が用意されています。今回は抵当権設定を行いますので、「抵当権設定登記申請書」をダウンロードします。
記入内容は、掲載されている記載例のとおりに書いていけば大丈夫です。前述の抵当権設定契約書を入手していれば、債権額・利息・債務者などの記載事項はそちらの内容に従って転記できます。
市区町村役場などで印鑑証明書を取得する

つづいて、担保を提供するご自身(不動産の所有者)の印鑑証明書を取得します。抵当権設定登記に添付する印鑑証明書は、発行後3か月以内のものと決められている点に注意してください。
印鑑証明書は市区町村役場の窓口のほか、マイナンバーカードがあればコンビニ交付サービスでも取得できます(対応していない自治体もあります)。手数料は自治体によって異なりますが、1通300円前後が目安です。
管轄の法務局に出向いて手続きを行う

すべての書類が用意できたら、不動産の所在地を管轄する法務局で登記申請を行います。管轄の法務局は、法務局ホームページの「管轄のご案内」で確認できます。不明な点は、記載されている電話番号から事前に問い合わせることも可能です。
法務局の窓口は平日の午前8時30分から午後5時15分までです。土日祝日はお休みですので注意してください。
窓口では、前述の書類一式と実印、そして登録免許税を納めます。登録免許税は原則として借入額(債権額)の0.4%ですが、ご自身が住むための住宅(床面積50㎡以上などの要件を満たす住宅用家屋)の取得資金に係る抵当権設定であれば、税率が0.1%に軽減されます(2027年3月31日までに申請する登記が対象)。軽減を受けるには、市区町村が発行する「住宅用家屋証明書」を申請書に添付し、新築・取得後1年以内に登記する必要があります。税額は収入印紙で納めるのが一般的です。
また、忙しくて窓口に出向くことが難しい場合は郵送でも手続きが可能です。郵送の場合は、書類一式を封筒に入れ、表面に「不動産登記申請書在中」と記入のうえ、書留郵便で送付します。
費用の目安とよくある質問(FAQ)
自分で手続きした場合と司法書士に依頼した場合の費用の違いを、簡単に整理しておきましょう。
| 費用の項目 | 司法書士に依頼 | 自分で手続き |
|---|---|---|
| 登録免許税 | 借入額の0.4%(住宅用の軽減で0.1%) | 同左(どちらでも同額) |
| 司法書士報酬 | 5万〜10万円程度が目安 | 0円 |
| 証明書等の実費 | 数百円〜(印鑑証明書など) | 数百円〜(同じ) |
| 手間・時間 | ほぼおまかせ | 書類作成・法務局対応を自分で行う |
節約できるのは司法書士報酬の部分で、登録免許税はどちらの方法でも同じ金額がかかります。
Q. 金融機関は本当に自分での登記を認めてくれますか?
正直なところ、認めてもらえないケースの方が多いのが実情です。登記にミスがあると金融機関の担保に影響するため、提携司法書士による手続きを融資条件としている銀行がほとんどです。可否は契約前の早い段階で確認しましょう。
Q. 借入額3,000万円の場合、登録免許税はいくらですか?
本則の0.4%なら12万円、住宅用家屋の軽減税率0.1%が適用されれば3万円です。軽減の適用には住宅用家屋証明書の添付が必要ですので、忘れずに準備してください。
Q. オンラインで申請することはできますか?
不動産登記はオンライン申請にも対応していますが、電子署名や専用ソフトの準備が必要で、初めての方にはハードルが高めです。ご自身で行う場合は、窓口または郵送での書面申請が現実的でしょう。
抵当権設定は、住宅ローン契約の最後を締めくくる大切な手続きです。費用を抑えたい方は、まず金融機関への相談から始めてみてください。

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