住宅をリフォームをご検討中の方へ、リフォームで住宅ローン控除は利用できる?
これまで住んできた住宅をリフォームする場合、金融機関からリフォーム工事に必要となる費用を借り入れる場合、工事費もしくは借入額や期間に応じて様々な控除や補助金が適用できる場合があります。
住宅を新規で取得する場合、多くの方が住宅ローン控除を利用することができますが、古くなった住宅をリフォームする場合においても住宅ローン控除が利用できるのか気になるところです。今回は、住宅のリフォームで住宅ローン控除が適用できるのか解説します。
住宅のリフォームでも住宅ローン控除が適用可能
これまで住んできた住宅をリフォームする場合において、金融機関から工事費用を借り入れる場合、工事費や借入額、償還期間によっては住宅ローン控除を利用することができます。また、後述している通り、住宅の使用用途や仕様などが住宅ローン控除の適用条件を満たしている必要があります。
国土交通省のホームページを確認すると、住宅ローン控除を適用する条件として「個人が居住用の住宅を新築もしくは取得、増改築等をした場合」と記載されており、増改築(リフォーム)でも住宅ローン控除が利用できることがわかります。
住宅ローン控除とは、2018年2月10日の記事で解説していますが、借り入れした金額(ローンの残高)に応じて、毎年ご自身の収入に課税された所得税より一定額が控除される制度で、10年間に渡り、借入残高に対して1%の額(年間最大控除額40万円)が控除されます。そのため、10年間で控除される額は最大で400万円となります。
ただし、住宅ローン控除を利用する場合、新規取得した場合と同様に以下の適用要件を満たしている必要があります。
1.個人が居住する居住用の住宅であること
2.床面積が2分の1以上であること
3.取得もしくは増改築完了から6ヶ月以内に居住を開始すること
4.床面積が50平方メートル以上であること(床面積の2分の1以上が居住用であること)
5.住宅ローンの借入期間が10年以上であること
6.年間の所得の合計額が3,000万円未満であること
住宅ローン控除を利用する場合における増改築の条件
増改築(リフォーム)を行う場合において住宅ローン控除を利用する場合は以下に定められたいずれかの工事内容である必要があります。
1.増築もしくは改築など建築基準法に定められる大規模な修繕または大規模な模様替えを行う場合
2.集合住宅などの区分所有の場合は、区分所有部分の床や階段、壁の過半について修繕や模様替えを行う場合
3.居室や台所、浴室、便所、洗面所、何度、玄関、廊下など一室の床または全ての修繕や模様替えを行う場合
4.建築基準法施行令の構造強度等に関わる耐震性を高めるための修繕もしくは模様替え、増改築を行う場合
5.バリアフリーを目的とした改修工事を行う場合
6.省エネ性能を高める目的とした改修工事を行う場合
工事内容から見ると、大抵のリフォームを行う場合は、住宅ローン控除を適用する条件に当てはまるといえます。ただし、後述している通り、リフォームの規模によっては他の控除制度を利用すべきものもありますので、リフォームに必要となる工事費や借入金の額を算出した上で、複数の控除制度を比較して検討したほうが良いと言えます。
ローンの借入期間が10年以上と大規模なリフォームに最適
住宅のリフォームで住宅ローン控除を利用する場合は、ローンの金額も新規住宅を取得するのとほぼ同等額で、借入期間が10年以上となる大規模なリフォームを行う場合に最適であると言えます。
前述していますが、住宅ローン控除を適用するにあたり、ローンの借入期間が10年以上である必要がありますので、建物を増築する、家全体を改修するといった大規模なリフォームを行う場合において、数千万円以上の融資を受けてリフォームを行う場合において利用しやすいと言えます。
一方で、リフォームする箇所が一部のみである場合や、工事費が数百万円から数千万程度とさほど高くなく、5年程度でローンを返済できる場合などは、2020年4月20日の記事で紹介している通り、バリアフリーリフォーム減税や省エネリフォーム減税、耐震改修リフォーム減税、同居対応型リフォーム減税といった、リフォーム内容に合わせた減税制度を選んで利用すると良いでしょう。
この4つのリフォーム減税は、条件や内容によって多少異なる点がありますが、最大控除額が最大250万円で控除期間が5年間で、控除率にして2%となっています。
- 2020.04.23
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