HOME > すべての記事 > 売買契約のポイント > 手付金を払う前に確認|売買契約書・ローン特約のチェックポイント

手付金を払う前に確認|売買契約書・ローン特約のチェックポイント

前回その1では、契約する前のチェックポイントとして、購入する土地・建物そのものに焦点を当てました。

今回は、契約内容と資金面について、契約前に確認しておきたいことを整理します。手付金を払って契約を結んでしまうと、あとから「やっぱりやめます」とは簡単に言えません。だからこそ、判を押す前の数日間が勝負どころです。

売買契約書には売主と買主で承諾した内容が記載される

手付金は、売買契約を結ぶ際に買主が売主に対して支払うお金です。

売買契約では、「売買契約書」「重要事項説明書」という2つの重要な書面に記名・押印します。売買契約書には、売主と買主で合意した約束ごとや条件が記載されています。

ですから、もし契約後に売主と買主のあいだでトラブルが起きた場合、その解決・交渉の拠りどころになるのがこの書面です。買主に不利とも思える解釈ができる記載がないかには、特に注意しなければなりません。

一方の「重要事項説明書」には、購入する物件がきちんと法令をクリアしているのか、物件の内外に問題はないかなど、物件の現状や問題の有無が記載されています。これは宅地建物取引業法にもとづき、宅地建物取引士が契約前に説明することが義務づけられている書面です。

「瑕疵」は、いまは「契約不適合責任」で扱われます

以前の記事や書籍では、物件の欠陥のことを瑕疵(かし)と呼び、売主が負う責任を「瑕疵担保責任」と説明していました。

ところが、2020年(令和2年)4月1日に施行された改正民法により、売買のルールが見直され、現在は「契約不適合責任」という考え方で扱われています。名前が変わっただけではなく、買主にとっての意味も変わりました。

ポイント これまで(瑕疵担保責任) 現在(契約不適合責任)
判断の基準 「隠れた欠陥」があったかどうか 引き渡されたものが契約の内容に適合しているか
買主が請求できること 契約の解除・損害賠償が中心 解除・損害賠償に加え、補修などの追完請求・代金の減額請求もできる
実務上の要点 「言った・言わない」になりやすい 契約書にどう書いてあるかが決定的に重要

つまり、「契約書・重要事項説明書にどう書かれているか」が、これまで以上に重みを持つようになったということです。中古住宅では、設備の不具合や雨漏りについて売主の責任をどこまで・いつまで負うのかが個別に取り決められることが多いので、「どの範囲を、いつまで、誰が」責任を負うのかを必ず確認してください。契約の内容を書面に落とし込んでおくことが、いちばんの自衛策になります。

契約日の数日前に契約書面の内容を把握しておく

不動産の売買では、重要事項説明書と売買契約書の説明が契約当日に行われるのが通例です。それ自体は違法ではありませんが、当日に初めて何十ページもの書面を読み込むのは現実的ではありません。

そこでおすすめしたいのが、契約日より前に書面の写しをもらい、不動産会社から説明を受けて、思いつく限り質問しておくことです。「事前に契約書と重要事項説明書のドラフトをいただけますか」と伝えれば、多くの会社は対応してくれます。

いまは説明の受け方の選択肢も増えました。売買・賃貸のいずれもオンラインでの重要事項説明(IT重説)が認められており、書面についても相手方の承諾があれば電磁的方法(電子データ)で交付できるようになっています。遠方に住んでいる方や、平日に時間を取りにくい方は、こうした方法が使えるか相談してみましょう。

もし内容にどうしても問題があると思ったら、文言を修正できるものかを申し出ても構いません。契約書面は不動産法令上の規定のフォーマットに従って作成されるため、条文や文言の修正は簡単ではないのが現実ですが、要はそれだけ真剣に契約に臨む姿勢が必要だということです。

見落とすと大きい「手付金」と「ローン特約」

契約前の確認事項のなかで、資金面に直結するのがこの2つです。

手付金は「いつまでなら解除できるか」がすべて

手付金は、購入代金の一部に充当されるのが一般的ですが、同時に「解約手付」としての役割を持っています。買主から契約を解除する場合は手付金を放棄し、売主から解除する場合は手付金の倍額を返す――という形です。

ここで大事なのが「相手方が契約の履行に着手するまで」という期限です。契約書には解除できる期限が具体的な日付で書かれていることが多いので、その日付を必ず自分の目で確認してください。期限を過ぎると、手付金を放棄しても解除できず、違約金の話になってしまいます。

ローン特約(融資利用の特約)は必ず内容を確認する

住宅ローンの審査に落ちたのに契約だけ残る――これがいちばん怖いパターンです。それを防ぐのがローン特約(融資利用の特約)で、定められた期日までにローンの承認が得られなかった場合、契約を白紙解除して手付金を返してもらえるという取り決めです。

確認すべきなのは次の3点です。

  • 期限はいつか(この日までに承認が下りないと使えない)
  • 対象の金融機関・借入額はどう書かれているか(記載と違う金融機関で審査に落ちた場合、使えないことがあります)
  • 解除の方法と、手付金が返還される条件

事前審査を通していても、本審査で否決されることはあります。「事前審査に通ったから大丈夫」と考えて特約の内容を読み飛ばさないでください。

住宅ローンは1度組んだら簡単には変更できない!資金計画は最も重要なファクターです!

契約書面も重要ですが、現実的には資金計画がもっとも重要と言えるでしょう。無理な返済計画を組んでしまうと、その後の生活に大きな影響を与えることになります。

住宅ローンは1度組んでしまうと簡単に内容を変更できません。子どもの進学や自身の老後など、人生設計(ライフプラン)を考慮した返済計画を立てる必要があります。借り換えという手段はありますが、そのときにも新たに審査と諸費用がかかることを忘れないでください。

諸費用についても、保険など必要以上の保障を付けていないか、複数の会社に相見積もりを取ったか、金額交渉をしたかなど、内容を1つずつチェックします。火災保険は不動産会社の紹介先で即決せず、補償内容と保険料を比べてから決めるだけでも差が出ます。

そして、使える公的支援の確認も忘れずに。ただしこの分野は制度の入れ替わりが激しく、記事公開当時に案内していた「すまい給付金」「省エネ住宅エコポイント」といった制度は、その後の制度改編で入れ替わっています。2026年時点では、省エネ性能の高い住宅の新築や省エネリフォームを支援する国の制度として「みらいエコ住宅2026事業(Me住宅2026)」が実施されています(国土交通省・経済産業省・環境省の3省連携。申請は登録事業者が行う仕組みです)。

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)も2026年入居分から2030年末まで延長・拡充されました。利用できる制度と条件は年度ごとに変わりますので、必ず国土交通省など公式の最新情報で確認し、契約前に「この物件でどの制度が使えるか」を不動産会社と一緒に洗い出しておきましょう。

契約前チェックリスト

確認する項目 見るポイント 確認先
重要事項説明書 法令上の制限、インフラの状況、管理費・修繕積立金、既存の不具合の説明 宅地建物取引士(契約前の説明が義務)
売買契約書の特約欄 契約不適合責任の範囲と期間、引き渡しの条件、付帯設備の扱い 不動産会社
手付金 金額、解除できる期限(日付)、違約金の定め 売買契約書
ローン特約 期限、対象の金融機関・借入額、白紙解除の条件 売買契約書
諸費用 仲介手数料、登記費用、融資事務手数料、印紙税、火災保険料 資金計画書・見積書
公的支援 住宅ローン控除の対象になるか、補助金の申請期限に間に合うか 国土交通省・国税庁の公式情報

よくある質問

Q. 契約書を事前にもらうのは、失礼にあたりませんか?

まったく問題ありません。むしろ、事前に読み込んで質問する買主は「きちんと理解して契約する人」として歓迎されます。当日にその場で読んで判断するほうが、双方にとってリスクです。

Q. 手付金はいくらくらい用意するものですか?

物件や売主によって異なり、契約で決まります。金額の大小より「いつまでなら手付放棄で解除できるか」を把握しておくことのほうが重要です。用意できる金額に不安があれば、契約前に不動産会社へ相談しましょう。

Q. 住宅ローンはどこで借りるか、契約前に決めておくべきですか?

ローン特約に金融機関名が書かれることがあるため、契約の段階で申込先の目星はつけておくのが安全です。金利だけでなく保証料・事務手数料・団信の内容まで含めて比べましょう。たとえばSBI新生銀行のように保証料や一部繰上返済手数料が0円で費用の内訳が分かりやすい商品を、比較の物差しとして押さえておくと判断しやすくなります。

まとめ

物件の状況や約束ごとを確認しないまま手付金を払って契約が完了してしまうと、あとにトラブルの種を残すことになります。特に、契約不適合責任の範囲・手付解除の期限・ローン特約の3点は、契約書に書かれた内容がそのまま結果になります。

皆さんは素人の買主なのですから、「こんな事を聞いたら笑われるのでは」などと考える必要は一切ありません。分からないことは、分かるまで聞いていいのです。快適なマイホームで安心して暮らせるよう、「契約前の再確認」を心掛けましょう。

地方銀行との圧倒的な金利差!借入れ・借換えした後もお得♪

イオン銀行は、ネット申込と店頭相談の両方が可能なハイブリッド型!
金利以外のお得なサービスも充実しているため、生活費の節約もできます。

イオン銀行住宅ローンはここがお得!

  • 疾病保障付住宅ローンは2つの特約付きでさらに安心
  • 保証料0円!負担になる諸費用を大幅節約
  • 一部繰上げ返済手数料0円!借り入れ後もお得に返済

詳細&お申込みはこちら

売買契約のポイント関連記事