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住宅ローンの「抵当権」とは?仕組み・抹消手続き・費用をやさしく解説

住宅ローンを借りて家を買うとき、必ず登場するのが「抵当権(ていとうけん)」という言葉です。聞き慣れない法律用語なので「なんだか難しそう」「自分の家を取られてしまうの?」と不安に感じる方も多いはず。でも、仕組みを順番に知れば心配はいりません。

住宅は人生で一番大きな買い物といわれるほど高額です。だからこそ、多くの方が住宅ローンを利用して購入します。このとき金融機関が設定するのが抵当権です。この記事では、はじめて住宅ローンを検討する方に向けて、抵当権とは何か・どこに記録されるのか・完済したらどうするのかを、できるだけやさしく解説します。

抵当権とは「借入金の担保として土地や建物を提供すること」

住宅ローンを契約する際に必ず設定する抵当権とは、お金を借りるとき、万が一返済できなくなった場合に備えて、購入する土地や住宅を担保として提供することです。難しく言えば「担保物権」の一種ですが、ひとことで言えば「返せなくなったときの保険として、家と土地を担保に入れる」仕組みだと考えてください。

抵当権を設定することで、もし住宅ローンを返済できなくなった場合、金融機関は対象の土地や住宅を差し押さえることができます。とはいえ、1〜3か月ほど滞納したからといって、すぐに家を取り上げられるわけではありません。何度も督促を受けても返済が滞り続けた場合に、最終的に裁判所が動き、家が競売にかけられます。詳しくは住宅ローンを滞納し続けるとどうなるかを解説した記事もあわせてご覧ください。

競売にかけられると、その売却代金で残った住宅ローンを精算することになります。つまり抵当権は、いきなり発動するものではなく、「返済が長く滞ったときの最後の手段」と理解しておけば十分です。日々まじめに返済していれば、過度に怖がる必要はありません。

抵当権は不動産登記の「権利部」に記載される

不動産登記簿と抵当権のイメージ

抵当権は、金融機関と債務者(お金を借りる人)のあいだで合意があれば成立しますが、住宅や土地のように金額が大きいものは、後々のトラブルを防ぐために書面(登記)でしっかり残しておく必要があります。

具体的には、不動産登記簿について解説した記事で紹介している不動産の登記記録(不動産登記簿)に記録されます。不動産登記簿は大きく「表題部」「権利部」の2つに分かれており、抵当権など土地や建物の権利関係に関する記述は「権利部」に記載されます。

登記の手続きそのものは、一般的にはご自身で行うことは少なく、金融機関が提携している司法書士が代わりに行うのが通常です。ご自身は登記内容を確認するだけで済むため、複雑な作業に追われる心配はほとんどありません。

住宅ローンの完済や売却時は「抵当権抹消」の手続きを行う

住宅ローン完済と抵当権抹消のイメージ

抵当権は、住宅ローンの残債(残り)がある状態でのみ有効です。住宅ローンをすべて完済した場合や、事情があって住宅を売却し、その代金で完済した場合は、抵当権を消すための手続き「抵当権抹消登記(ていとうけんまっしょうとうき)」を行う必要があります。

ここで大切なのは、ローンを完済しても抵当権は自動では消えないということです。「払い終わったのに登記簿に抵当権が残ったまま」というケースは珍しくありません。放置すると、将来その家を売ったり、新たに別のローンを組んだりする際に支障が出ることがあるため、完済後は早めに手続きするのがおすすめです。

住宅ローン完済時

住宅ローンを完済すると、金融機関から抵当権抹消の案内と、手続きに必要な書類一式が郵送されてきます(通常は完済後1〜2週間ほどで届きます)。

抵当権を設定するときは金融機関が代わりに手続きしてくれましたが、抵当権抹消登記は、ご自身で司法書士に依頼するか、最寄りの法務局の窓口で自分で手続きする必要があります。手続きは郵送でも可能で、内容そのものは複雑ではありません。時間が取れる方は、ご自身で法務局に出向いて手続きしても問題ないでしょう。忙しい方は司法書士に依頼すれば手間を省けます。

住宅売却時

事情があって住宅を売却する場合も、抵当権を抹消したうえで売却する必要があります。ただし、住宅ローンが残っているときは、ローンを完済しないと売却できません。そのため、住宅ローンが残っている家を売却する方法を解説した記事のとおり、売却で得たお金をローンの返済に充てて完済します。

売却と同時に完済する場合は、金融機関を通じて抵当権抹消の手続きが可能です。もちろん、ご自身で法務局に出向いて手続きすることもできます。

抵当権抹消にかかる費用の目安

抵当権抹消登記には、登録免許税として「不動産1個につき1,000円」がかかります(法務局公式)。一戸建ては土地と建物がそれぞれ1個ずつ=合計2個と数えるのが一般的なので、多くのケースで2,000円になります。マンションの場合は「建物(部屋)+敷地権」の個数で計算するため、敷地権が1つなら2,000円が目安です。手続きには、金融機関から届く書類のほか、法務局のホームページからダウンロードできる申請書などが必要です。

項目 費用の目安 備考
登録免許税 不動産1個につき1,000円 一戸建ては土地+建物で2,000円が一般的
登記事項証明書など 1通500円前後 登記内容の確認用(必要に応じて)
司法書士に依頼する場合の報酬 1.5万〜2.5万円程度 自分で手続きすれば不要

※費用は不動産の個数や依頼先によって変わります。最新の取り扱いや正確な金額は、法務局または司法書士にご確認ください

よくある質問(FAQ)

Q. 抵当権を設定すると、家は自分のものではなくなるの?
A. いいえ。抵当権を設定しても、家や土地の所有者はあくまでご自身です。住んだり、(金融機関の同意のもとで)売却したりできます。抵当権は「返済できなくなったときに担保として差し押さえられる権利」を金融機関が持つ、というだけのものです。

Q. 住宅ローンを完済すれば、抵当権は勝手に消える?
A. 消えません。完済後にご自身で「抵当権抹消登記」をしないと、登記簿には抵当権が残ったままになります。将来の売却や借り換えで困らないよう、完済後は早めに手続きしましょう。

Q. 抵当権抹消は自分でできる?
A. できます。金融機関から届く書類と、法務局のホームページからダウンロードした申請書をそろえて法務局に提出すれば完了します。手続きが不安な方や時間が取れない方は、司法書士に依頼すると安心です。

Q. 「抵当権」と「根抵当権(ねていとうけん)」は何が違うの?
A. 抵当権が「特定の借入れ1本」を担保するのに対し、根抵当権は一定の限度額まで繰り返し借入れができる枠を担保するもので、主に事業資金などで使われます。一般的な住宅ローンでは通常の抵当権が使われます。


抵当権は、はじめて住宅ローンを借りる方にとっては身構えてしまう言葉ですが、仕組みを知れば「返済が長く滞ったときの担保」というシンプルなものだと分かります。まじめに返済を続けていれば過度に心配する必要はありません。そして完済したら抵当権抹消の手続きを忘れずに——この2点を押さえておけば十分です。住宅ローン選びの第一歩として、用語の意味を一つずつ理解していきましょう。

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