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マイホーム購入で受け取る書類一覧|引渡し時の確認ポイント

不動産を購入するときには、たくさんの書類が取り交わされます。

気に入った物件が見つかったときに売主へ提出する買付証明書、契約で取り交わす売買契約書や重要事項説明書、引渡し時の登記書類などが代表的なものでしょう。

一方で、売主や不動産会社から「受け取る」書類のなかにも、とても重要なものが含まれています。確認や整理を怠ると、入居後に思わぬトラブルの原因になりかねません。

今回は、マイホーム購入時に受け取る書類について、初めての方にも分かるように整理していきます。

受け取る書類は、大きく2種類に分けて考えると分かりやすい

たくさんある書類も、次の2つに分けて考えると頭に入りやすくなります。

物件を客観的に確認するための書類……その土地・建物が「どういうものか」を公的な記録や専門家の調査で示すもの
入居後の暮らしを引き継ぐための書類……住み始めてから、あるいは将来のリフォーム・売却のときに必要になるもの

前者は主に契約から住宅ローンの審査までに、後者は引渡しのときに受け取ります。「その場でもらって終わり」ではなく、住んでいる間ずっと保管しておくものだと考えてください。

1. 物件の状況を把握するための書類

「物件を特定する」とは、見た目や感触にとらわれない客観的な事実で確認する、ということです。おもに行政機関の発行物や、関係する当事者の証明書が該当します。

(1)登記事項証明書(不動産登記簿謄本)
法務局で取得できる公的な書面です。所在・地番・面積・所有者・抵当権などの情報が記載されており、手数料を納めれば誰でも取得できます(オンラインでの請求も可能です。手数料は法務局の公式サイトでご確認ください)。

通常は不動産会社が取得し、契約時の添付資料や住宅ローンの提出書類として使われます。

ここで2026年に入ってからの新しいルールにも触れておきます。2026年(令和8年)4月1日から、不動産の所有者の住所や氏名が変わった場合、その変更登記の申請が義務化されました。変更があった日から2年以内に申請する必要があり、正当な理由なく怠ると5万円以下の過料の対象になります。施行日より前に住所が変わっていて未登記の場合も対象で、2028年(令和10年)3月31日までに手続きが必要です。

これに先立ち、2024年(令和6年)4月1日からは相続登記の申請も義務化されています(相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料)。

購入した家に住み続けるあいだに転居や結婚で住所・氏名が変わることは珍しくありません。登記の内容は「一度やって終わり」ではないことを、この機会に覚えておきましょう(詳しい手続きや例外は法務省・法務局の公式サイトでご確認ください)。

(2)土地測量図・境界確認書
一戸建てや土地の売買で、「どこからどこまでが売買の対象なのか」を示す書類です。

境界標が見当たらない、位置がはっきりしないといった場合は、原則として売主に、隣地の所有者から了承を得た測量図を作成してもらいます。境界のあいまいさは、入居後の隣家とのトラブルや、将来売却するときの障害になりやすいところです。契約前に必ず確認しましょう。

(3)建築確認済証・検査済証
一戸建ての売買で使う書類です。購入する建物が建築基準法に適合していることの証明となり、住宅ローンを利用する場合は金融機関から提出を求められます。

古い家では紛失していることもあります。その場合は、建築確認や検査の記録が役所に残っていることを示す「台帳記載事項証明書」を取得できるケースがあるため、不動産会社に相談してみてください。

(4)建築設計図書・工事記録資料
こちらも一戸建ての売買で受け取る書類です。公的な証明書ではありませんが、将来リフォームをするときや、建物を維持管理していくうえで所有者が保管しておくべき書類です。壁の内側の構造や配管の位置が分かるため、あるとないとでは工事の進めやすさが変わります。

2. 売主から引き継ぐべき書類

引渡しの際に、売主から買主へ引き継いでもらう書類があります。引越し後も問題なく暮らしていくために必要ですので、引渡し時にしっかり確認しておきましょう。

(1)耐震診断報告書・住宅性能評価書・既存住宅性能評価書
耐震性は、中古住宅を選ぶうえで大きな関心事です。購入する物件が新耐震基準より前の建物であれば、これらの書類が残っていないかを売主に確認してみましょう。

税制面でも押さえておきたい点があります。住宅ローン減税の既存住宅の要件は、2022年(令和4年度)の税制改正で「耐火住宅25年以内・非耐火住宅20年以内」という築年数要件から、「昭和57年(1982年)以後に建築された住宅(新耐震基準に適合する住宅)」へと緩和されました。それより前に建てられた住宅では、耐震基準に適合することを証明する書類が必要になります。適用の可否は物件ごとに異なるため、国土交通省・国税庁の公式サイトや税務署でご確認ください。

将来の建替えやリフォームを考えるなら、地盤調査報告書やアスベスト使用調査報告書などがあれば、あわせて引き継ぎを受けておくと安心です。

(2)建物状況調査(インスペクション)の結果に関する書類
中古住宅の売買では、建築士などの専門家が、基礎や外壁のひび割れ・雨漏りといった劣化の状況を目視や計測で調べる「建物状況調査(インスペクション)」が広く行われるようになりました。

宅地建物取引業法では、過去1年以内に建物状況調査が実施されている場合、その結果の概要が重要事項説明で説明されることになっています。調査が行われていた物件なら、報告書そのものも引き継いでもらいましょう。既存住宅売買瑕疵保険に加入する際にも関係してきます。

(3)マンションの管理規約・使用細則・維持費に関する書類
マンションは1棟の建物に多くの世帯が暮らすため、細かなルールが定められています。ペットや楽器の可否、リフォームの制限、駐輪場・駐車場の使い方など、入居後の生活に直結する内容が書かれています。

あわせて、管理費・修繕積立金・管理組合費・施設使用料などを明記した書類も受け取ります。可能であれば長期修繕計画や直近の総会議事録も見せてもらいましょう。修繕積立金が将来どのくらい上がりそうか、大規模修繕の予定はいつかといった見通しが立てられます。

なお、これらの書類は売買取引で必ず引き渡す決まりがあるわけではありません。それでも、入居後にトラブルや不便を抱えないよう、提出を求めておくことをおすすめします。

いまは「紙で受け取る」とは限りません

もうひとつ、近年変わった点があります。

2022年(令和4年)5月18日から、宅地建物取引業法の改正により、重要事項説明書・契約締結時の書面・媒介契約書などを電磁的方法(電子データ)で提供できるようになりました。宅地建物取引士の押印も廃止されています。

そのため、書類が紙のファイルではなくPDFなどのデータで届くことも増えています。データで受け取った場合こそ、後から探せなくなりがちです。

・受け取ったその日にフォルダを1つ作ってまとめる
・スマートフォンだけでなく、パソコンや外付けの保存先にも控えを残す
・紙の書類は、家の権利に関わるものと日常のルールに関わるもので分けて保管する

このくらいの手間をかけておくと、10年後、20年後に売却やリフォームを考えたときに、自分自身が助かります。

受け取った書類は、いつ・何に使う?

書類 受け取る主なタイミング あとで使う場面
登記事項証明書 契約〜引渡し 所有者・面積・抵当権の確認、住宅ローンの審査
土地測量図・境界確認書 契約〜引渡し 隣地との境界確認、将来の売却・建替え
建築確認済証・検査済証 引渡し 建築基準法適合の証明、住宅ローンの審査、増改築
建築設計図書・工事記録 引渡し リフォーム・修繕、設備の更新
建物状況調査の結果 重要事項説明〜引渡し 劣化状況の把握、既存住宅売買瑕疵保険
耐震関係・住宅性能評価の書類 引渡し 税制優遇の判断材料、耐震改修の計画
管理規約・長期修繕計画(マンション) 引渡し 入居後のルール確認、修繕積立金の見通し

よくある質問

Q. 書類は誰が用意してくれるのですか?
登記事項証明書などは通常、仲介する不動産会社が取得します。一方で、マンションの管理規約や設計図書、耐震関係の書類は「売主が持っているもの」です。自動的に出てくるとは限らないので、契約前に「引渡し時に引き継いでもらえる書類の一覧」を確認しておくとスムーズです。

Q. 売主が書類をなくしていた場合はどうなりますか?
建築確認済証・検査済証は、役所に記録が残っていれば台帳記載事項証明書で代替できることがあります。管理規約は管理会社から取り寄せられる場合もあります。「無いから仕方ない」と流さず、代わりになる方法があるかを不動産会社に相談しましょう。

Q. 住宅ローンの審査には、どの書類が必要ですか?
金融機関によって異なりますが、本人確認書類・収入を証明する書類(源泉徴収票や確定申告書など)に加えて、売買契約書・重要事項説明書・登記事項証明書・建築確認済証などの物件関係書類を求められるのが一般的です。

なおSBI新生銀行のように、事前審査(仮審査)を行わず本審査のみで手続きが完結する銀行もあります。この場合は最初から必要書類を一式そろえることになるため、「どの書類がいつ必要か」を早めに把握しておくと、手続きがスムーズです(必要書類は各金融機関の公式サイトでご確認ください)。

Q. 受け取った書類は、いつまで保管すればいいですか?
その家に住んでいるあいだ、そして売却するときまでが目安です。売却時には登記関係・設計図書・管理規約・修繕履歴が買主から求められます。書類がきちんとそろっている家は、それだけで買い手に安心感を与えます。

Q. 電子データで受け取った書類も、原本と同じ扱いになりますか?
重要事項説明書などは、法令で定められた方法で提供された電子データであれば有効とされています。ただし金融機関や役所の手続きでは紙の提出を求められる場面もあります。必要に応じて印刷できるよう、データは確実に保存しておきましょう。

まとめ

契約や引渡しは1〜2か月で終わりますが、住むのは何十年という長い期間です。人によっては、そのままずっと暮らすことになるでしょう。

書類は「もらう瞬間」より「あとで使うとき」に価値が出ます。つつがなく快適に住まうために、大事な書類は確実に受け取り、整理を怠らないようにしましょう。

制度や手続きの内容は変わることがあります。最新の取り扱いは、法務省・法務局、国土交通省、各金融機関の公式サイトでご確認ください。

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