値引き交渉を成功させるには、「値引きの理由」を明確にしておくと効果的
「気に入った物件が見つかったのですが、若干予算オーバーです。
値引き交渉したいのですが、こちらの予算の都合だけで売主に交渉しても良いものでしょうか。
何か良い方法を教えてください」
買主は少しでも安く買いたいでしょうし、売主が高く売りたいのはもちろんでしょう。
そんな中で、単に安くして欲しいというだけではなかなか希望通りには進みません。
ですから、売主に対して値引きの明確な理由を提示することが不可欠になってきます。
今回は、どのようなことが値引きの理由では効果的かについて説明していきます。
値引き交渉の常道「ローンの限度額」
値引き交渉で頻繁に使われるのが、「○○万円までならローンが借りられるので、この金額でなら買いたい。」という理由です。
確かに、単純な値引き交渉ではなく理由としては明確と言えます。
しかし、この理由付けだけではすんなりと交渉が進みにくくなっているのです。
というのも、ローン限度額を理由とした交渉が乱用され過ぎたため、売主側の仲介業者である不動産会社から「住宅ローンの仮承認書」の提出を求められるケースが出てきたからです。
中古マンションや一戸建ての場合、売主から売却の依頼を受けた「元付不動産会社」と、買主から物件を探す依頼を受けた「客付不動産会社」に分かれる取引のケースがあります。
高く売りたい売主の依頼を受けている元付業者は、「ローン限度額」が確かなものかを見極め、売主に報告することになります。
「ローン限度額」を理由とした交渉は方便と思われる可能性も?
交渉の結果、売出価格と値引き交渉額の中間の金額が妥協点となる場合に、「ローンの限度額は方便だったのか」ということになるかも知れません。本当に限度額なら、妥協したくてもできないはずですから。
つまり、値引き交渉額から金額が動いた時点で「ローン限度額」の理由は反故になってしまい、交渉の辻褄が合わなくなってしまう可能性があるのです。
納得が得られやすい理由「リフォーム」
前述のように、ローンの事情となると後に引けなくなる可能性が出てきますので、視点を変えた別な理由が必要になります。
そこでお勧めなのが、「リフォーム」です。
内外装リフォームや間取りの変更、水回り設備の交換などフルリフォームを検討していることを値引きの根拠とするのです。
これなら値引き額が動いた場合でも、リフォーム箇所を減らすなどの理由付けができ、辻褄が合わなくなることもありません。
ローン限度額を理由にしてしまうと、物件の売主は「○○万円が限度なら、もう少し違う買主を探してくれ」と申し出ることもあり、交渉を優位に進める事が困難になります。
リフォームを理由にすれば、場合によっては、「□□については、売主側で負担する」というような予想外の成果を得られる可能性もあり、さまざまな余地のある交渉理由になるのです。
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