- 公開日: 2026.10.17
- 不動産の売却について
マイホームを売却する理由とは?ランキングから学ぶ住宅ローンの教訓

「前の持ち主は、なぜこの家を売ったんだろう?」と気になる方へ。マイホームを売る理由で多いのは、もっと暮らしに合う家への住み替えです。最近はそれに加えて、売れるうち、価格が高いうちに売っておきたいという市況を意識した理由が上位に並んでいます。
中古のマンションや一戸建てを探していると、売る人の事情も見えてきます。売却の理由を知っておくと、これから住宅ローンを借りる人にとっても、将来の住み替えや返済の行き詰まりに備えるヒントになります。
いまの売却理由の上位は「売れるときに売る」「高いうちに売る」
リクルートのSUUMOリサーチセンターが2026年6月に公表した首都圏『住まいの売却検討者&実施者』調査(2025年)では、売却を考えた理由の上位は次のとおりでした。
| 順位 | 売却しようと思った理由 | 割合 |
|---|---|---|
| 1位 | 売れるときに売るため | 28.9% |
| 2位 | 高いうちに売るため | 28.0% |
| 3位 | 住む場所を変えるため | 27.8% |
| 4位 | より条件のよい住まいに移るため | 24.1% |
(リクルート 首都圏『住まいの売却検討者&実施者』調査(2025年)・2026年6月18日発表)
なかでも「高いうちに売るため」は前の年の26.7%から28.0%に増え、2020年以降で最も高くなりました。住宅価格の高止まりを受けて、時期を見て売ろうと考える人が増えていることがうかがえます。
同じ調査では、「ローンを返済するため」と答えた人も前の年より増えています。金利や物価が上がるなかで、返済のために家を手放すことを考える人もいる点は見逃せません。
売却を考えた人の年代は40代が25.8%で最も多く、次いで20代が22.6%でした。20代は前の年から大きく増えていて、若いうちに買い、ライフステージに合わせて住み替える動きも広がっています。
2015年のランキングでも1位は住み替え、2位は資金の問題
もう少し前のデータも見てみます。住宅情報サイトのHOME’S(現・LIFULL HOME’S)が2015年2月に発表した、住まいを売ったことがある480人への調査(複数回答)では、上位はこうなっていました。
- 1位 より良い住まいに住み替えるため(42.3%)
- 2位 資金が必要となったため(12.9%)
- 3位 今が売り時だと考えたため(税制改正などから)(9.4%)
- 4位 勤め先の転勤のため(7.9%)
- 5位 住まいを相続した/することになったため(7.5%)
調査の対象も時期も違うので、数字をそのまま比べることはできません。とはいえ、住み替えが売却のいちばんの動機であることは、10年たっても変わっていないようです。
住み替えで売るには、残りのローンを返せることが条件
いちばん多い住み替えには、実は前提となる条件があります。それは、家を売ったお金などで、住宅ローンの残りを返しきれることです。ここで大切な用語を2つ、かみくだいて説明します。
残債(ざんさい)とは、住宅ローンのまだ返し終わっていない借入残高のことです。家を売るときは、原則として売却代金などで残債を完済し、銀行が家に付けている抵当権を外す必要があります。
オーバーローンとは、家の売却価格より残債のほうが多い状態のことです。この状態では家を売ってもローンを返しきれず、足りない分を預貯金などで用意しないと、住み替えのハードルが一気に上がります。
購入時に諸費用まで含めて借りたり、頭金をほとんど入れなかったりすると、借りてから数年はオーバーローンになりやすくなります。いまの自分の家がどちらの状態かは、返済予定表の残高と、不動産会社の査定額を並べるとわかります。
将来の住み替えを考えるなら、ゆとりのある時期に一部繰上返済で残債を減らしておく方法もあります。繰上返済の手数料は銀行によって無料のところも有料のところもあるので、借りる前に比べておくと後で動きやすくなります。
転勤で手放すか、貸すか
2015年の調査で4位だった転勤も、売却につながりやすい理由です。単身赴任を避けたいと考える人もいて、せっかく手に入れたマイホームを売る選択をするケースがあります。
ただ、転勤先から戻る予定があるなら、売らずに貸す方法も考えられます。その場合は住宅ローンの扱いに注意が必要なので、転勤でマイホームを賃貸に出すときの住宅ローンの続け方もあわせて読んでみてください。
これから買う人がいちばん気にしたいのは資金の問題
ひと口に資金の問題といっても、前向きな理由ばかりではありません。収入が思うように増えなかったり、教育費や生活費がふくらんだりして、返済が重荷になって売るケースも含まれます。
子どもが小さいうちは負担にならなかった学費も、中学・高校、大学と進むにつれて大きな額になります。子どもの成長に合わせて、食費などの毎日の生活費もかさんでいきます。
家を買うときは、どうしても将来を楽観的に見積もりがちです。順調なら問題ありませんが、収入が減ったり出費が重なったりすると、ローンの返済が家計に重くのしかかります。
住宅ローンを組むときは、いまの収入をピークと考え、できるだけ将来に負担を残さない返済計画を立てることが、売らずに住み続けるための備えになります。
万一、返済が苦しくなったら、滞納する前に借入先の金融機関へ相談してください。【フラット35】など住宅金融支援機構の住宅ローンでは、返済期間の延長などの返済方法の変更メニューが用意されています。毎月の返済額は減りますが、返済期間が延びるぶん総返済額は増えます(住宅金融支援機構「月々の返済でお困りになったとき」)。
競売の件数は2025年も増え、2年連続の増加
返済が行き詰まった住宅がたどり着く先のひとつが、競売(けいばい)です。競売とは、返済が滞ったときに、お金を貸した側の申し立てで裁判所が家を売りに出す手続きのことです。
不動産競売流通協会が2026年2月に公表したデータによると、2025年の競売物件数は1万2,382件でした。2024年の1万1,415件から967件増え、2年連続の増加です。
リーマンショック後の2009年に6万件を超えたピークからは大きく減りましたが、2014年以降は減少が続いていました。増加幅も2024年の329件から大きく広がっており、金利や物価の上昇で返済に行き詰まる世帯が増え始めている兆しとも読めます。
この動きを他人事と考えず、無理のない返済額で借りることがなにより大切です。住宅ローンで買う場合と現金で買う場合の違いは、住宅ローンでマイホームを買うメリット・デメリットでも整理しています。
金利や条件は月ごとに変わるので、申し込む前に各金融機関のページで最新の内容を見ておいてください。

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