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売れ残り物件は買い得?理由の見極め方と価格交渉のコツ

不動産情報に売りに出されている中古一戸建てやマンションの中には、掲載から3ヶ月以上経過しているものもあり、そのような物件は不動産会社の間で「売れ残り」のレッテルを貼られていたりします。

でも、なかには思わぬ掘り出し物が隠れている場合があります。

ここでは、売れ残り物件をどう見極め、どう交渉すればよいのかを、はじめて住まいを買う方にもわかるように整理してみましょう。

売れ残り物件なら思い切った価格交渉も可能!?

ニーズの高い物件であれば、通常、1~2ヶ月程度で成約することでしょう。

反対に長らく売れない物件は、不人気エリア、日照難、利便性が悪い、使いづらい間取りなどの不利な条件が伴っており、本来ならそれが価格に反映されるはずがされておらず、相対的には高いと言えるのです。

そんな売れ残っている物件は、他に検討者がいないはずで、じっくり検討できる点が大きなメリットと言うことができます。

不利な条件を含めて念入りに調査し、価格次第で妥協できるのであれば、思い切った価格交渉をしてみましょう。

「売れ残り」には理由がある まず確認したいチェックポイント

大切なのは、「なぜ売れていないのか」を先に突き止めることです。値段を下げれば解決する理由もあれば、下がっても引き受けたくない理由もあります。おおまかに次のように分けて考えてみてください。

売れない理由 どう見るか 備考
価格が相場より高い 交渉しだいで解決できることが多い。近隣の成約事例と比べてみる いちばん狙い目のパターン
日当たり・間取り・階数など好みの問題 自分にとって許容できるかどうか。気にならないなら買い得になる 将来売るときも同じ理由で不利になる点は考慮
駅から遠い・周辺環境 暮らし方しだい。実際に平日と休日、昼と夜に歩いて確かめる 資産価値には影響しやすい
建物の傷み・修繕の必要 直すのにいくらかかるかを見積もってから交渉する リフォーム費用込みで総額を判断
法律・権利にかかわる事情 慎重に。住宅ローンが使えないこともあるので下の項目で確認 安さの理由がここにある場合は要注意

マンションであれば、管理費・修繕積立金の額と滞納の有無、長期修繕計画、管理組合の運営状況もあわせて確認しておきましょう。「建物は気に入ったのに、積立金が足りず将来大きな一時金が必要だった」というのは、後から取り返しがつきにくい部分です。

情報を見ただけでは、売主が置かれた状況をうかがい知ることはできない

売主が売却したい理由はさまざまですし、なかなか売れない状況にしびれを切らしている方もいることでしょう。

相場より高めの価格で出してはみたが、反響の無さに価格改定を検討しようと考えている売主や、そろそろ買い手が見つからないと、次の買い替え先への資金を捻出できなくなってしまう売主などもいるかも知れません。

一方、中心部のマンションや人気エリア内の物件になると、売り出した価格からさらに買い上がるほどの高値で決まることがあり、売主が強気になるケースがしばしば見られます。

つまり、同じ「値引き交渉」でも、通る物件とまったく通らない物件があるということですね。ここを見誤らないためにも、次にお話しする「書面での交渉」が効いてきます。

売主に対して書面で条件交渉する

掘り出し物を探し当てたら、いよいよ値引き交渉です。交渉は口頭ではなく書面(購入申込書・買付証明書)で行います。書面には、希望価格のほか、手付金の額や住宅ローン利用の有無などを記載し、署名押印します。

具体的に、どの程度の値引き交渉をするのかについては、売主と直接のやりとりはせず、不動産会社を通して行うようにします。

そして、依頼を受けた不動産会社は、この書類を持って売主の元へ交渉に行きます。実際の交渉では、売主・買主の条件調整を何度か行ったのち、合意を得られれば契約となります。

このとき「住宅ローンの事前審査を通しておく」と、交渉での説得力がまったく違います。売主にとっていちばん怖いのは、契約後にローンが通らず白紙に戻ることだからです。値引きをお願いする立場であればなおさら、「この人なら確実に買える」と思ってもらえる材料をそろえておきましょう。

見落としに注意 住宅ローンが使いにくい物件もあります

安さの理由が「法律・権利にかかわる事情」だった場合は、そもそも住宅ローンが借りられない、あるいは希望額まで借りられないことがあります。代表的なのは次のようなケースです。

  • 再建築不可の物件……建築基準法の接道義務を満たさず、いまの建物を取り壊すと建て替えられない土地。担保としての評価が大きく下がります。
  • 旧耐震基準の建物……1981年(昭和56年)5月末までの基準で建築確認を受けたもの。金融機関によって取り扱いが分かれます。
  • 借地権の物件……土地が自分のものにならないため、取り扱える金融機関が限られます。
  • 検査済証がない・既存不適格……法令に適合していることを確認できず、審査が慎重になります。
  • 専有面積が小さいマンション……金融機関ごとに最低面積の目安が設けられていることがあります。

さらに、税金の面でも差が出ます。住宅ローン控除(住宅ローン減税)は、中古住宅の場合「昭和57年(1982年)1月1日以後に建築されたもの」であれば追加の証明書なしで対象になり得ます(2022年度の税制改正で、それまでの築年数要件=耐火25年・非耐火20年が新耐震基準への適合に緩和されました)。それ以前の建物でも、耐震基準適合証明書などで新耐震基準への適合を証明できれば対象になります。

取り扱いの可否や条件は金融機関によって異なります。気になる物件が見つかったら、申し込みの前に不動産会社と金融機関の両方に「この物件でローンは使えますか」と確認しておくと安心です。控除の詳しい要件は国税庁の公式情報でご確認ください。

建物の状態が不安なら「建物状況調査」という手も

中古住宅では、2018年(平成30年)4月から建物状況調査(インスペクション)の制度が動いています。国土交通大臣の定める講習を修了した建築士が、基礎や外壁のひび割れ、雨漏りの跡といった劣化状況を目視などで調べるもので、不動産会社は媒介契約のときに制度の説明と、調査会社のあっせんを希望するかどうかの確認を行うことになっています

売れ残りの理由が建物の傷みにありそうなときは、調査の結果を踏まえて「修繕にいくらかかるか」を数字にできますから、価格交渉の根拠としても心強い材料になります。希望する場合は、不動産会社に相談してみましょう。

売れ残り物件についてよくある質問

Q. 値引きはどのくらいお願いできますか?
A. 一律の目安はありません。売り出しからの期間、価格改定の履歴、売主の事情によって大きく変わります。相場から離れた大幅な指値は、交渉のテーブルにすら乗らないこともありますので、近隣の成約事例を確認したうえで根拠のある金額を示しましょう。

Q. 購入申込書を出したら、必ず買わなければいけませんか?
A. 申込みの段階では、まだ売買契約は成立していません。義務が生じるのは売買契約書に記名・押印した時点からです。ただし、下の「まとめ」でも触れるとおり、軽い気持ちでの提出は避けるべきです。

Q. 長く売れ残っている物件は、買った後で売りにくいのでは?
A. その可能性はあります。自分が売るときにも同じ理由が効いてきますので、「一生住むつもりか」「いずれ売る可能性があるか」で判断を変えるとよいでしょう。

Q. 先に住宅ローンの事前審査を受けても大丈夫ですか?
A. 問題ありません。むしろ、購入できる金額の上限がはっきりしてから探したほうが効率的です。物件が決まってから正式な審査に進む流れが一般的です。

まとめ

書面を提出していても、交渉の段階では権利上の義務が発生することはなく、契約書に記名・押印した時点から発生します。

しかし、だからといって軽々に申込書を提出するのは信義に反する行為と思われかねません。値引きなどの条件が折り合えば契約しようという意思を持って交渉するようにしましょう。

「売れ残り」という言葉は少しネガティブに響きますが、理由がはっきりしていて、その理由を自分が受け入れられるなら、それは立派な掘り出し物です。理由を調べ、ローンが使えるかを確かめ、根拠を持って交渉する——この3つを押さえれば、あわてずに良い買い物ができますよ。

※税制や制度の内容は変更されることがあります。住宅ローン控除の要件は国税庁、建物状況調査の制度は国土交通省の公式情報で最新の内容をご確認ください。住宅ローンの取り扱い条件は金融機関ごとに異なりますので、各金融機関の公式サイトでご確認ください。

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