- 公開日: 2026.10.23
- 不動産の売却について
家の売却は買取と仲介どっちがいい?違いと選び方の目安

家を売るときに仲介と買取のどちらがいいかは、売却を急ぐかどうかで決まります。時間に余裕があり、少しでも高く売りたいなら仲介、期限までに確実に現金化したい場合や買い手がつきにくい物件なら買取が向いています。
買取は不動産会社が直接買うので早く売れますが、価格は市場価格より安くなります。その代わり仲介手数料がかからず、売却後の欠陥の責任も免除されることが多いなど、仲介とは費用と手間のかかり方が違います。
不動産売却における「仲介」と「買取」の違い
住宅などの不動産を売る方法には、仲介と買取の2通りがあります。違いをまとめると、下の表のようになります。
| 比較の観点 | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 買い手 | 市場で探した個人など | 不動産会社が直接買い取る |
| 売却価格 | 市場価格で売れる可能性がある | 市場価格より安くなる傾向 |
| 売却までの期間 | 一般に3〜6ヶ月程度が目安(物件により変動) | 短期間で現金化しやすい |
| 仲介手数料 | 必要 | 原則不要 |
| 契約不適合責任 | 売主が一定期間負うのが一般的 | 免除・軽減されるのが一般的 |
| 内覧の対応 | 購入希望者ごとに必要 | 不動産会社の現地確認のみ |
仲介は不動産会社が売り手と買い手の間に立つ
仲介とは、不動産会社が売り手と買い手の間に立って、価格の交渉や契約の手続きを進める方法です。住宅の売買では、こちらがよく使われます。
不動産の売買は金額が大きく、契約にも専門的な知識が必要なので、個人どうしで直接まとめるのは簡単ではありません。不動産会社が間に入ることで、契約から引き渡しまでの手続きを進めやすくなります。
仲介で売るときは、家を買うときと同じく仲介手数料がかかります。売るときの手数料の上限や計算方法は住宅売却の仲介手数料の上限と計算方法の記事で解説しています。
買取は不動産会社が自分で買い手になる
買取とは、不動産会社が自ら買い手となって物件を直接買い取る方法です。買い手を探す期間がいらないので、売りたいときにすぐ売れます。
買取には、相談後すぐに買い取ってもらう即時買取と、買取保証の2つのタイプがあります。買取保証は、まず仲介で売り出し、一定期間たっても買い手が見つからなければ不動産会社が買い取ると、あらかじめ約束しておく方法です。
仲介は高く売れる可能性がある代わりに時間がかかる

市場価格で売れる可能性がある
仲介の大きな利点は、市場価格で売れる可能性があることです。築年数の浅い物件や駅に近い物件は買い手がつきやすく、希望に近い値段で売れることもあります。
売り出しから引き渡しまで3〜6ヶ月ほどかかる
仲介の弱点は、売れるまでに時間がかかることです。依頼を受けた不動産会社は、不動産会社どうしで物件情報を共有するレインズへの登録や、ポータルサイト・チラシでの広告で買い手を探します。
専任媒介や専属専任媒介の契約では、レインズへの登録が義務付けられています。媒介契約の種類ごとの違いは媒介契約の一般・専任・専属専任の違いの記事で紹介しています。
買い手が見つかったあとも、買い手の住宅ローン審査や契約の手続きがあります。売り出しから引き渡しまでは一般に3〜6ヶ月程度が目安で、価格の決め方によってはそれ以上かかることもあります。
売却の全体の流れは住宅を売却する流れ7ステップの記事で紹介しています。引っ越しや住み替えの予定がある方は、この期間を逆算して売り出しの時期を決めてください。
2025年1月から売主がレインズで取引状況を確認できる
仲介では、不動産会社が自社で買い手も見つけようとして、ほかの会社からの問い合わせを断る囲い込みが問題になってきました。囲い込みをされると売れるまでの期間が延び、値下げを迫られることもあります。
そこで2025年1月1日から、不動産会社にはレインズへ物件の取引状況を登録することが義務付けられました。取引状況は「公開中」「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」の3種類です。
売主は、登録証明書の二次元コードから売主専用の画面を開き、自分の物件の状況を確かめられます。事実と違う登録は指示処分の対象です(国土交通省「レインズの機能強化について」)。
買取はすぐ売れる代わりに価格が下がる

買い手を探さずに短期間で売れる
買取の利点は、不動産会社が直接買い手になるので、仲介より早く売れることです。転勤や相続で、決まった期日までに現金にしたい場合に向いています。
さらに、買取では契約不適合責任を免除・軽減する契約が多く結ばれます。契約不適合責任とは、売った家に契約と違う欠陥が見つかったときに売主が負う責任のことで、2020年4月の民法改正の前は瑕疵担保責任と呼ばれていました。
内覧のたびに家を片づけて案内する手間がなく、仲介手数料もかかりません。築年数が古く、売ったあとの雨漏りや設備の故障が心配な家ほど、責任を負わずに済む点は大きな違いです。
買取価格は市場価格より安く決まる
買取の弱点は、買取価格が市場価格より安く決まることです。不動産会社は買い取った物件をリフォームし、価値を高めてから売り直すことで利益を出しています。
そのため、リフォーム費用や資金を借りる費用、人件費などを差し引いた金額が買取価格として示されます。中古車を下取りに出すと、店頭の販売価格よりかなり安い値段がつくのと同じ理屈です。
どのくらい安くなるかは物件やエリアで大きく違うので、査定を受けないと分かりません。買取を考える場合も複数の会社に査定を頼み、仲介で売ったときの想定価格と比べてから決めてください。
仲介か買取かを決める目安
迷ったときは、次の3つに当てはまるかで考えると、どちらが合うかを決めやすくなります。
- 売却の期限が決まっていない、または半年以上先なら仲介
- 築年数が古い、立地の条件が厳しいなど、市場で買い手がつきにくい物件なら買取
- 高く売りたいが期限までに必ず売り切りたいなら、仲介で売り出して買取保証をつける
買取保証は、買い替え先の購入時期が決まっている方に向いています。ただし、保証される買取価格は市場価格より低めに決まることが多いので、価格と期間の条件を契約前に書面で確認する必要があります。
住宅ローンが残っていても売却はできる
住宅ローンが残っている家も、仲介・買取のどちらでも売れます。ただし、引き渡しまでにローンを完済し、金融機関の抵当権を抹消しなければなりません。
まずはローンの残高と査定価格を比べ、売却代金で完済できるかを見ることから始めてください。手続きの流れは住宅ローンが残っている家を売るときの抵当権と残債の手続きの記事で紹介しています。
売却代金だけでは足りない場合は、自己資金を足すか、住み替え先のローンに残りを上乗せできる住み替えローンを金融機関に相談してください。足りない額が大きいときの方法はオーバーローンでも家を売る方法で解説しています。
売却の方法や不動産会社ごとの条件、制度の運用は変わることがあるので、媒介契約や売買契約を結ぶ前に、不動産会社の説明と国土交通省の案内で最新の内容を確かめてください。

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