不動産を売却する時の「媒介契約」とは何か?概要を解説
不動産を売却する際に、不動産会社に売却の手続きを依頼する場合、「媒介契約」を締結する必要があります。媒介契約を結ぶことで、不動産の売却に伴う手続きといった業務が行われます。ただ、一言で媒介契約といっても、イメージしづらく、具体的にどのような契約なのかを正確に理解しづらいものです。
今回は、不動産を売却する際の「媒介契約」について、その概要を解説します。
媒介契約(ばいかいけいやく)とは?
不動産を売却する際に、よく耳にする「媒介契約(ばいかいけいやく)」とは、不動産会社が、依頼主の要望に応じて不動産の売買、交換、賃貸借を行う場合において、それらの取引を成立に向けて売り主と買い主との間に立って業務を行う上での契約となります。
似たような言葉として、「仲介」という言葉も耳にしますが、この媒介と仲介については、ほぼ同一の意味となります。
不動産の購入や借りる場合においては、物件をご自身で選ぶことになりますので、媒介契約は締結しません、あくまでも、売り主が不動産会社との媒介契約に基づき、預かっている物件を、購入もしくは借りたい方に紹介する業務を依頼し、購入もしくは賃借契約の希望があれば、両者の間にたって契約成立に向けて動きます。
媒介契約で交わされる契約内容
不動産会社と媒介契約を締結した後は、国土交通省が策定した標準媒介契約約款に基づいて業務が行われます。媒介契約を締結する際に、交わす媒介契約書には以下の内容が記述されており、この記述内容に従って業務が行われます。
1.媒介契約の種類
2.指定流通機構(レインズ)への登録有無
3.契約期間
4.報酬
5.売り主への報告義務
6.契約違反時の違約金の取り決め
上記6つの内容については、後述する媒体契約の種類によって大きく異なります。媒介契約は主に3種類あり、各特徴を把握した上で、適切な媒介契約を結ぶ必要があります。
媒介契約の3種類の違い
媒介契約には、主に3種類の契約が存在します。1つ目は「一般媒介契約」、2つ目は「専任媒介契約」、3つ目は「専属専任媒介契約」があります。
一般媒介契約
一般媒介契約は、不動産を売却する際、複数の不動産会社と売却手続きを依頼できる契約です。また、契約期間も存在しておらず、手続きの状況などに合わせて契約期間を設定することができます。ただし、行政指導の範囲では原則3ヶ月となっています。
ただ、一般媒介契約は、複数の不動産会社と契約が締結できる代わりに、指定流通機構(レインズ)への登録がないため、ご自身で多くの不動産会社と契約して、販路を広げていく必要があります。また、不動産会社が販売状況について報告する義務はありません。
媒介契約を締結中に、ご自身で買い主を見つけた場合、媒介契約を依頼した不動産会社を通さずに、買い手と直接売買契約を結ぶことも認められています。
専任媒介契約
専任媒介契約は、不動産を売却する際に、特定の1社の不動産会社と売却手続きを依頼できる契約です。契約期間は3ヶ月となっており、契約期間中は他の不動産会社と媒介契約を行うことはできません。
また、販売状況を2週間に1回以上の間隔で定期的に報告してくれるなど、販売状況が常に把握できるメリットもあります。更に、指定流通機構(レインズ)への登録が行われるため、不動産会社1社との契約でも、複数の不動産会社と物件情報が共有することができますので、一般媒介契約とは異なり、複数の不動産会社と媒介契約を締結するという手間も省けます。
ただし、媒介契約を締結し、依頼した不動産会社の仕事の成果がいまいちだった場合、解約をしなければ別の不動産会社と媒介契約を結ぶことができません。ただし、契約期間は3ヶ月となっていますので、この期間内に成果がでなければ別の不動産会社と契約し直すことはできます。
専任媒介契約でも、ご自身で買い手を見つけた場合、不動産会社を通さずに、相手と直接売買契約を結ぶことが認められています。
専属専任媒介契約
専属専任媒介契約は、契約条件としては特定の1社との不動産会社で媒介契約を3ヶ月間締結し、販売状況の報告と指定流通機構(レインズ)への登録が行われるなど専任媒介契約とほぼ同一ですが、大きな違いとしては、ご自身で買い手を見つけた場合においても、依頼した不動産会社を通じて売買契約を行う必要がある点です。
不動産会社としては、専任媒介契約もしくは専属専任媒介契約を進めてくる場合が多いです。また、特典として買取保証などを付帯するケースもあります。ただ、ご自身がいくらで物件を売却したいのかをしっかりと決めた上で、媒介契約を結ぶ不動産会社を選定することが重要です。
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