- 公開日: 2026.07.14
- 不動産の売却について
住宅売却でかかる税金とは?譲渡所得の税率と3,000万円控除を解説

住み替えやその他の事情でこれまで住んでいた住宅を売却する場合、不動産会社への売却依頼や登記手続きなど、さまざまな費用と手間が発生します。
住宅などの不動産は、取得するときや保有しているとき(固定資産税など)に税金を支払いますが、実は売却するときにも税金がかかる場合があります。今回は、住宅の売却を検討中の方に向けて、不動産を売却する際に発生する税金をやさしく解説します。
不動産を売却する際に発生する費用
住宅などの不動産を売却する際は、多くの場合、不動産会社に売却活動や買い手探しを依頼しますので、不動産会社に支払う仲介手数料が諸費用の大きな割合を占めることになります。
そのほか、売買契約書に貼る印紙税や、住宅ローンが残っている場合の抵当権抹消の登記費用など、こまごまとした費用も発生します。付随的な費用としては、住み替え先への引っ越し費用や、次の方に引き渡すためのクリーニング費用なども挙げられます。
売却時の諸費用の詳細はこちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
そして税金の話で大切なのは、こうした費用が「税金の計算で差し引ける」という点です。売却価格から、その不動産を取得したときの費用(取得費)と、売却にかかった諸費用(譲渡費用)を差し引いて残った利益が「譲渡所得」として課税対象となります。
譲渡所得 = 譲渡価額(売却価格) −(取得費 + 譲渡費用)
※取得費は「買ったときの金額そのまま」ではなく、建物部分は経過年数に応じた減価償却費相当額を差し引いて計算する点に注意してください。
売却益が出れば譲渡所得として課税対象に

譲渡所得とは、不動産や株式などの資産を他人に譲り渡したときに生じる所得のことです。
例で考えてみましょう。2,600万円で取得した住宅が3,000万円で売れたとします。仲介手数料の上限は「売買価格×3%+6万円+消費税」なので約106万円。登記や印紙税などその他の費用も合わせて、譲渡費用と取得費の合計が仮に2,900万円だったとすると、売却価格3,000万円から2,900万円を差し引いた100万円が譲渡所得として課税対象になります。
ただし、譲渡所得にそのまま課税されるとは限りません。後述するとおり、対象の不動産を所有していた期間に応じて税率が変わるほか、ご自身が住んでいた住宅(居住用財産)であれば最高3,000万円の特別控除が適用できるケースがあり、その場合、実際に支払う税金はゼロになることも珍しくありません。
不動産の譲渡所得は長期譲渡所得と短期譲渡所得に分けられる
不動産の譲渡所得は、所有期間に応じて長期譲渡所得と短期譲渡所得の2つに分けられ、税率が大きく異なります。判定の基準日は「売却した日」ではなく「譲渡した年の1月1日時点」で5年を超えているかどうかです。
| 区分 | 所有期間(譲渡年の1月1日時点) | 税率 |
|---|---|---|
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 所得税15%+住民税5%=合計20% |
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 所得税30%+住民税9%=合計39% |
※このほか、2037年(令和19年)までは復興特別所得税(所得税額の2.1%)が上乗せされるため、実際の税率は長期20.315%・短期39.63%となります(2026年時点・国税庁)。
同じ売却益でも、所有期間が5年を超えるかどうかで税負担が約2倍変わります。購入から数年での売却を考えている方は、「1月1日時点で5年超」になるタイミングを意識すると、税負担を大きく抑えられる可能性があります。
その他にも様々な特例が受けられる

譲渡所得には、所有期間による税率の違いのほかにも、さまざまな特例があります。
代表的なのが、ご自身が住んでいた住宅や敷地を売却した場合の「居住用財産の3,000万円特別控除」です。譲渡所得から最高3,000万円まで控除できるため、多くのマイホーム売却では課税対象額がゼロとなり、税金を支払う必要がなくなります。
さらに、3,000万円を控除してもなお譲渡所得が残る場合でも、売却した年の1月1日時点で所有期間が10年を超えるマイホームであれば「軽減税率の特例」を併用でき、課税譲渡所得のうち6,000万円以下の部分は所得税10%+住民税4%=合計14%(復興特別所得税込みで14.21%)に軽減されます。
このほか、マイホームを買い換えた場合の課税繰り延べの特例や、売却で損失が出た場合の損益通算・繰越控除の特例などもあります。適用できるかどうかは要件の確認が必要ですので、個々の事例については最寄りの税務署や税理士への相談をおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q. 売却して損が出た場合、税金はどうなりますか?
譲渡所得がマイナス(譲渡損失)なら、譲渡に対する所得税・住民税はかかりません。さらにマイホームの売却では、一定の要件(譲渡した年の1月1日時点で所有期間5年超など)を満たすと、損失を給与所得などと損益通算し、引き切れない分を翌年以降3年間繰り越せる特例もあります。
Q. 3,000万円特別控除を使えば申告は不要ですか?
いいえ、特例の適用には確定申告が必要です。控除の結果、納める税金がゼロになる場合でも、申告をしなければ特例は受けられません。売却した翌年の確定申告期限までに、必要書類をそろえて申告しましょう。
Q. 「所有期間」は引っ越した日から数えますか?
いいえ、所有期間は原則として取得した日から譲渡した年の1月1日までで判定します。「売却した日まで」で数えないため、実際の保有年数より短く判定される点に注意してください。
売却にかかる税金は、特例を知っているかどうかで負担が大きく変わります。売却を決める前に、ご自身のケースでどの特例が使えるかを確認しておきましょう。※税制は改正されることがあるため、最新の情報は国税庁のホームページ等でご確認ください。

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