リバースモーゲージの契約が急増!その背景とメリット・デメリットを紹介
近年、自宅を担保にして老後資金を借りる「リバースモーゲージ」の契約が急増しています。日本では高齢者人口が増えているなど、着実に高齢化が進んでいる状況である中、大手都市銀行でもリバースモーゲージに参入するなど、融資商品として身近なものとなりつつあります。
今回は、「リバースモーゲージ」とはどういった融資商品なのか概要を説明するとともに、近年の動向を踏まえた上で、利用するときの注意点を解説します。
リバースモーゲージとは?
リバースモーゲージとは、自宅を担保にして、この自宅に住み続けながら老後に必要な資金を銀行から借りる融資商品です。死後に担保とした自宅を売却することで、融資を受けた代金を一括で返済を行います。残ったお金は相続として遺族に返還されます。
「リバース」は英語で「逆」と言う意味で、「モーゲージ」は住宅などの不動産を担保にした貸付債権の事を言います。
通常の住宅ローンは、住宅を購入する際に、始めにお金を一括で借りた後に、毎月一定額を返済していきますが、リバースモーゲージは、毎月一定額借入を行い、最後に自宅を売却して一括返済をする仕組みであることから、融資におけるお金の流れが「逆」になっています。
東京スター銀行では契約者数が6000人を突破
リバースモーゲージは、元々一部の自治体がはじめた融資制度や社会福祉協議会が市区町村民税が非課税となる低所得者に向けた「不動産担保型生活資金」がルーツとなっていましたが、近年では、年金の給付問題など老後の生活に必要となる収入が不足することが懸念されることから「リバースモーゲージ」に注目を集めるようになっています。
2015年4月15日付けに日本経済新聞朝刊によると「60歳以上のリタイア世帯の家計は平均で年71万円の赤字になっており、貯蓄を取り崩してしのいでいる。」としており、老後に必要な生活資金が不足している実態から、老後も確実に現金が得られることが、リバースモーゲージの契約者数増加の背景にありそうです。
東京スター銀行によると、同行のリバースモーゲージの契約者は年々右肩上がりで増えており、2013年の契約者数は3000人であるのに対し、2016年はその2倍となる6000人以上に契約者数が増加したとしています。
リバースモーゲージで借りたお金は生活資金や住宅ローンの返済に
老後の生活資金を補うためにも有効なリバースモーゲージはですが、実際に借りたお金の使い道を調べてみた所、ダイヤモンド社が運営しているマネー情報サイト「ダイヤモンドザイ」が2017年6月15日に公開した記事によると、「生活資金の足しにしたり、老人ホームの入居一時金の支払いに充てるケースが多いが、最近は住宅ローンの残債の支払いに使う人も増えている。」としています。
住宅を購入する際に、住宅ローンを組んで毎月返済している方が多い中、近年では定年退職後にも住宅ローンが残り、返済が厳しくなると言った状況が増えています。退職金などで一括返済した場合でも、手元資金が残らないことから、その後の生活資金の確保が難しくなってしまいます。
そのため、リバースモーゲージで借りたお金を住宅ローン返済に充てることで、退職金はそのまま手元に確保できることに加え、老後の生活資金として毎月お金が入ってくることから、資金面での不安が無くなるメリットがあると言えそうです。
大手都市銀行3行も取り扱い開始
リバースモーゲージの需要が増えている状況から、近年ではリバースモーゲージを取り扱う金融機関が増加しています。大手都市銀行3行も取り扱いを開始しています。
融資条件は、各銀行毎に大きく異なっており、あらかじめ融資条件を確認の上、金融機関に問い合わせた方が得策と言えそうです。
■三井住友銀行
三井住友銀行は、60歳以上を対象に、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県などの1都3県の他、大阪府、京都府、兵庫県、愛知県内で、評価額が6000万円以上の物件に対して融資を行います。
■みずほ銀行
みずほ銀行は、55歳以上を対象に、1都3県を対象に土地の評価額が2000万円以上と高級マンションを対象に融資を行います。
■三菱UFJ銀行
三菱UFJ銀行は、60~80歳を対象に、1都3県を対象に200万円以上の物件を対象に融資を行います。ただし、使用用途はリフォームに限定されています。
リバースモーゲージの注意点
老後の資金面で心配が不要で一見すると魅力があるリバースモーゲージですが、注意点もあります。
リバースモーゲージが受けられる条件は地域が制限されており、ある程度、人口の確保できる地域に限定されている場合が多いのが現状です。そのため、地方などでは融資が受けられない可能性も考えられます。また、対象物件も土地付きの一戸建てを対象としている金融機関が多く、マンションは融資条件に適用している数が少ないのが現状です。
リバースモーゲージは自宅を死後に一括返済することから、相続できる資金が減少することになるため、相続人の同意を得る必要があります。また、近年では医療技術が向上していることから、予想以上に長生きしてしまい、生存中に融資枠を使い切ってしまい、生存中に一括返済を求められる可能性も考えられます。
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