HOME > すべての記事 > 住宅ローンの注意点 > 頭金ゼロで家は買える?データで見る自己資金が少ないときのリスク

頭金ゼロで家は買える?データで見る自己資金が少ないときのリスク

住宅購入には、一般的に2割程度の頭金が必要と言われています。 これは売買代金の2割が自己資金で、残りの8割は住宅ローンを組むということですが、実態は自己資金ゼロ、場合によっては諸費用までローンを組むというケースも少なくありません。 ここまでしてマイホームを購入しても問題は無いのでしょうか。 今回は、自己資金が少ないまま住宅を購入するリスクについて、公的な最新データを見ながら説明していきます。

ポイント頭金は2割、諸費用と合わせると3割必要。でも実態は・・・

マンションや一戸建てを購入する際には、売買代金の他に諸費用が掛かります。 この諸費用を物件価格の1割と想定すると、売買代金の頭金と合わせて3割の自己資金が必要になります。 仮に、物件価格が2,500万円の場合、頭金分として500万円、諸費用分として250万円、合わせて750万円が必要となる訳です。 しかし実態は、これよりずっと少ない自己資金で購入している方が多数派です。住宅金融支援機構が2026年7月24日に公表した「2025年度フラット35利用者調査」(2025年4月~2026年3月に承認された35,553件を集計)によると、利用者が用意した手持金は平均551.2万円で、所要資金(かかったお金の総額)に占める割合は13.1%にとどまります。残りの79.9%は融資金、7.0%はその他の資金でまかなわれています。 住まいの種類ごとに見ると、この割合はさらに開きます。
住まいの種類別に手持金が所要資金に占める割合を示す棒グラフ
注文住宅は建設費と土地取得費の合計、分譲・中古は購入価額を100とした場合の割合。フラット35利用者の平均値です。
建売住宅は10.2%、土地付注文住宅は9.1%、中古戸建は9.4%と、いずれも1割前後です。「2割の頭金」は、いまや標準というよりかなり余裕のある部類だとわかります。 ※この調査は【フラット35】の利用者を集計したもので、変動金利型など民間の住宅ローンだけを利用した方は含まれていません。住宅購入者全体の平均ではない点にご注意ください。

ポイント借入が多ければ、家計が破綻するリスクは当然高くなる

住宅ローンのリスクとして考えられるのが、住宅ローンが返済できなくなることです。自己資金が少ないほど借入額が増え、毎月の返済額も総返済額も大きくなります。これは感覚の話ではなく、はっきり数字に表れます。

1. 頭金が少ないと、金利そのものが上がることがある

【フラット35】は、物件価格に対する借入額の割合(融資率)が9割を超えると、適用される金利が高くなります。住宅金融支援機構の金利情報によると、2026年8月資金受取分(新機構団信付き・借入期間21年以上35年以下)の最も多い金利は次のとおりです。
融資率最も多い金利(年)金利の範囲(年)
9割以下(頭金1割以上)3.290%3.290%~5.570%
9割超(頭金1割未満)3.400%3.400%~5.680%
差は0.110%。わずかに見えますが、これが35年間ついて回ります。民間の住宅ローンでも、自己資金の割合によって金利を優遇する銀行があります。たとえばSBI新生銀行には自己資金10%以上の方を対象とした金利優遇があり、頭金を入れる努力がそのまま金利に反映されます。頭金は「払って減るお金」ではなく「金利を下げる手段」でもあると考えると、見え方が変わってきます。

2. 返済額が家計に占める割合が上がる

同じ2025年度の調査では、利用者の平均総返済負担率(1か月あたりの予定返済額を世帯月収で割った数値)は22.8%でした。借入額が増えれば、この数字も上がっていきます。返済の重さは、金額そのものより「収入に対してどのくらいか」で決まります。

3. 先々の支出増・収入減に耐えられなくなる

返済が始まった当初は何とか返済できていても、「子供の進学などで教育費が増える」「親の介護費用が発生する」など先々の支出が増えたり、収入が減少したりといった理由で、住宅ローンの返済が厳しくなる事態が発生してしまいます。借入が大きいほど、こうした変化を吸収する余地が小さくなります。

4. 変動金利なら、金利が上がったときの影響も大きくなる

金利の先行きは、誰にも断定できません。2026年8月時点では、日本銀行の追加利上げを見込む観測が市場で強まっていると報じられていますが、報道は決定ではなく、次の金融政策決定会合(2026年9月17日・18日)で何が決まるかは未確定です。 金利が上がるかどうかを言い当てることはできませんが、同じ金利上昇でも、借入額が大きいほど返済額の増え方は大きくなる——これは確実に言えることです。変動金利を選ぶなら、金利が1%上がったときの返済額をシミュレーションで確認し、それでも家計が回るかを確かめてから決めてください。

ポイント頭金ゼロのときは、家を売却してもローンが残るというリスク

住宅ローンが返済できなければ、せっかく購入した家を売却しなければなりません。 このとき、売却代金がローンの残債を上回れば手元にお金が残りますが、下回れば差額を自己資金で埋める必要があります。これがいわゆる「担保割れ」の状態です。 頭金ゼロで、さらに諸費用までローンに含めた場合、借入の残高が物件の価値を上回った状態からスタートすることになります。返済が進んで残高が物件価値を下回るまでの間は、「売りたくても売れない(売っても借金が残る)」時期が続く、ということです。 なお、中古住宅の市場については状況が変わってきています。前述の2025年度フラット35利用者調査では、中古住宅(中古マンション・中古戸建)の利用割合が35.9%となり、2004年度の調査開始以来はじめて全区分の中で最も高くなりました。中古住宅を選ぶ人が増えているという意味では、以前より売り手が見つかりやすい環境になっているとも言えます。 とはいえ、実際にいくらで売れるかは立地・築年数・物件の状態・そのときの相場次第で、購入価格を下回ることも珍しくありません。「いざとなれば売ればいい」を前提にした資金計画は避けたほうが安全です。

ポイントそれでも自己資金が少ないまま進めるなら、確認したい4つのこと

とはいえ、賃料を払い続けながら頭金を貯めるのが得策とは限りませんし、家族の事情で時期を選べないこともあります。自己資金が少ないこと自体が悪いのではなく、無自覚なまま進めることが危ないのです。次の4点を確認しておきましょう。
  1. 生活防衛資金を使い切らない。手元の預金をすべて頭金に回すと、収入が途切れたときに一気に苦しくなります。生活費の数か月分は必ず残してください。
  2. 諸費用ローンの金利・条件を確認する。諸費用を住宅ローンに含められる金融機関もあれば、別枠の高い金利になる場合もあります。合計でいくら返すのかを出してもらいましょう。
  3. 返済負担率を自分で計算する。「毎月の返済額 ÷ 毎月の手取り収入」を出し、教育費や車の買い替えが重なる時期でも払えるかを確かめます。
  4. 頭金を少し入れるだけで条件が変わらないか聞く。前述のとおり、融資率9割以下や自己資金10%以上で金利が優遇される商品があります。あと数十万円で条件が変わるなら、その差は35年分です。

ポイント自己資金について寄せられる疑問

Q. 頭金ゼロでも住宅ローンの審査には通りますか?

A. 頭金がなくても借入れができる商品はあります。ただし審査は年収・勤続年数・他の借入れ・物件の担保価値など総合的に判断されるため、「頭金ゼロなら必ず通る/必ず落ちる」とは言えません。また、審査に通った金額は「返せると保証された金額」ではありません。上限まで借りられたことを安心材料と受け取らないようにしてください。

Q. 諸費用にはどんなものが含まれますか?

A. 住宅ローンの事務手数料、保証料、登記費用、印紙代、火災保険料、不動産取得税などです。中古住宅なら仲介手数料も加わります。金額は物件と契約内容で大きく変わりますので、見積もりの段階で内訳の一覧を出してもらうのが確実です。

Q. 頭金を貯めてから買ったほうがいいのでしょうか?

A. 一律には言えません。貯めている間の家賃、物件価格や金利の動き、家族の事情がそれぞれ関係するためです。判断材料としては、「あと1年で頭金がいくら増えるか」と「その間に支払う家賃の合計」を並べて比べてみるとイメージしやすくなります。数字を出したうえでも迷うようなら、ファイナンシャル・プランナーなど中立的な立場の専門家に相談するのも一つの方法です。

Q. 親から資金援助を受ける場合、注意点はありますか?

A. 住宅取得資金の贈与には非課税の特例が設けられている場合がありますが、適用の要件や期限は制度改正で変わります。また、援助を受けた分を持分に反映させないと贈与とみなされることもあります。最新の要件は国税庁の公式サイトで確認し、金額が大きい場合は税理士など専門家にご相談ください。

データが教えてくれること

ここまで読むと住宅購入はリスクだらけと思われそうですが、知っておいて頂きたいのは「身の丈を超えた購入はリスクがある」ということです。 データが示しているのは、自己資金1割前後で購入している人が実際に多いという現実と、頭金が少ないほど金利・返済負担・担保割れの3方向でリスクが増すという構造です。どちらか一方だけを見て「みんなやっているから大丈夫」とも「頭金がなければ買ってはいけない」とも決めつけず、普段の自分達の生活と、先々に起こり得る出来事を見定めたうえで、購入を検討して頂きたいと思います。 ※本記事に記載の金利・調査データは2026年8月時点で公表されている内容です。最新の適用金利・取り扱い状況は必ず各金融機関の公式サイトを、制度の要件は所管官庁の公式サイトをご確認ください。

地方銀行との圧倒的な金利差!借入れ・借換えした後もお得♪

イオン銀行は、ネット申込と店頭相談の両方が可能なハイブリッド型!
金利以外のお得なサービスも充実しているため、生活費の節約もできます。

イオン銀行住宅ローンはここがお得!

  • 疾病保障付住宅ローンは2つの特約付きでさらに安心
  • 保証料0円!負担になる諸費用を大幅節約
  • 一部繰上げ返済手数料0円!借り入れ後もお得に返済

詳細&お申込みはこちら

住宅ローンの注意点関連記事