- 公開日: 2026.08.18
- 住宅ローンの注意点
住宅ローン控除の確定申告|2026年入居の条件・書類・やり方

マイホームを買うとき、多くの方が頼りにするのが住宅ローンです。現金一括で購入する方もいますが、実際にはほとんどの方が住宅ローンを利用することになるでしょう。
とはいえ、住宅ローンがあるといっても、大きな買い物であることに変わりはありません。そこで国も、マイホームの取得を後押しする仕組みを用意しています。それが住宅ローン控除(住宅ローン減税)です。
ただし、この制度は黙っていても自動で受けられるものではありません。最初の年に自分で確定申告をしないと、税金は1円も戻ってこないのです。ここでは、はじめて家を買う方に向けて、制度のしくみと確定申告のやり方を、順を追ってやさしく整理していきます。
住宅ローン控除ってどんな制度?
住宅ローン控除は、住宅ローンを利用してマイホームを取得し、一定の条件を満たしたときに、年末のローン残高の0.7%が所得税から差し引かれる制度です。所得税から引ききれなかった分は、翌年の住民税からも一部が控除されます。
控除を受けられる期間は、住宅の種類によって最長13年間です(省エネ性能の基準に当てはまらない「その他住宅」は10年間)。たとえば年末のローン残高が3,000万円なら、その年の控除額は21万円(3,000万円×0.7%)が上限、という計算になります。
ここでひとつ、最初につまずきやすいポイントがあります。戻ってくるのは「あなたがその年に納めた所得税・住民税」の範囲までだということです。上限額いっぱいが必ず現金で戻ってくるわけではありません。「思ったより少なかった」とならないよう、先に知っておきましょう。
なお、この制度は令和8年度税制改正で5年間延長され、2026年1月1日から2030年12月31日までに入居した場合が対象になりました(関連税制法は2026年3月31日に成立済み・国土交通省)。
2026年に入居する場合の主な条件
かつては「所得3,000万円以下」という説明が広く出回っていましたが、これは古い情報です。現在の主な条件は次のとおりです(2026年8月時点)。
- 自分が主として住むための家であること(別荘やセカンドハウス、投資用は対象外)
- 合計所得金額が2,000万円以下であること
- 登記簿上の床面積が40㎡以上であること。ただし、合計所得金額が1,000万円を超える方と、後述の子育て世帯等への上乗せを使う方は50㎡以上
- 住宅の引き渡し、または工事完了から6か月以内に入居し、その年の12月31日まで引き続き住んでいること
- 住宅ローンの返済期間が10年以上であること
- 店舗などとの併用住宅の場合は、床面積の2分の1以上が居住用であること
中古住宅(既存住宅)を買う場合は、これに加えて1982年1月1日以後に建築されたものという条件が付きます。それより古い住宅でも、耐震基準適合証明書などで現行の耐震基準を満たすことを証明できれば対象になります。また、生計を一にする親族から買った場合や、贈与で取得した場合は対象外です。「親から家を安く譲ってもらう」ケースは当てはまらないことが多いので注意してください。
借入限度額は住宅の性能で変わります
控除の計算のもとになる年末残高には、上限(借入限度額)があります。この上限は住宅の省エネ性能によって大きく変わるのが今の制度の特徴です。2026年に入居する場合は次のようになっています。
| 住宅の種類 | 新築の借入限度額 | 中古(既存住宅)の借入限度額 | 控除期間 |
|---|---|---|---|
| 長期優良住宅・低炭素住宅 | 4,500万円(5,000万円) | 3,500万円(4,500万円) | 13年間 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円(4,500万円) | 3,500万円(4,500万円) | 13年間 |
| 省エネ基準適合住宅 | 2,000万円(3,000万円) | 2,000万円(3,000万円) | 13年間 |
| その他住宅(上のどれにも当てはまらない) | 2,000万円 | 2,000万円 | 10年間 |
※( )内は、子育て世帯(19歳未満の扶養親族がいる方)・若者夫婦世帯(配偶者のいる40歳未満の方、または40歳未満の配偶者がいる40歳以上の方)の上乗せ額です。新築の「その他住宅」は、2023年末までに建築確認を受けた住宅に限られます。2026年8月時点、国土交通省「住宅ローン減税」より。
表を見て「うちの家はどれ?」と迷ったら、まずは売主や施工会社に省エネ性能を証明する書類(建設住宅性能評価書・住宅省エネルギー性能証明書など)が出せるかを聞いてみてください。この書類がないと、性能が高い家でも「その他住宅」の扱いになってしまうことがあります。書類の手配は契約前・引き渡し前に相談しておくのが鉄則です。
住宅ローン控除を利用するためには確定申告が必要
住宅ローン控除を利用するためには、入居した年の分について確定申告をする必要があります。会社員の方にとって確定申告はなじみが薄いものですが、この手続きをしないと税金の還付を受けることはできません。
確定申告の期間は原則として翌年の2月16日から3月15日まで(土日と重なるときは翌平日)ですが、会社員の方など、もともと確定申告の義務がなく「還付を受けるための申告」をする場合は、翌年1月1日から提出できます。ピーク時の税務署は非常に混雑しますので、早めに準備しておいたほうが安心です。
そして、うれしいことに手間がかかるのは最初の1回だけ。会社員の方であれば、2年目からは勤務先の年末調整で控除を受けられます(詳しくは後述します)。
確定申告はどうやってするの?
「確定申告なんてしたことがない」という方も心配いりません。今は国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」で、画面の案内にしたがって金額を入力していくだけで申告書ができあがります。スマートフォンからでも作成できます。
提出のしかたは、次の3つから選べます。
- e-Taxで送信する……マイナンバーカードとスマートフォンがあれば、自宅から送信できます。税務署へ行く必要がなく、還付も比較的早いのが利点です。
- 印刷して郵送する……作成コーナーで作った申告書を印刷し、必要書類を添えて税務署へ郵送します。
- 税務署へ持参する……書き方がわからないところは、職員の方に相談しながら進められます。
必要書類のひとつに住宅借入金等特別控除額の計算明細書というものがありますが、これも作成コーナーで一緒に作れますし、様式は国税庁のホームページで手に入ります。
用意する書類をチェックしましょう
申告の前にそろえておきたい書類は、おおむね次のとおりです。
- 確定申告書(税務署の様式)
- 住宅借入金等特別控除額の計算明細書(同上)
- 住宅ローンの年末残高証明書(借入先の金融機関から届きます)
- 売買契約書や工事請負契約書の写し(取得価額がわかるもの)
- 登記事項証明書
- 会社員の方は源泉徴収票(記入の参考に使います)
- 省エネ性能などで区分が決まる住宅は、建設住宅性能評価書の写しや住宅省エネルギー性能証明書、長期優良住宅・低炭素住宅の認定通知書の写しなど
- 中古住宅で1982年1月1日以前に建築されたものは、耐震基準適合証明書などの証明書
- 補助金を受けた場合はその決定通知書、住宅取得等資金の贈与の特例を使う場合は贈与税の申告書の写し
ここでひとつ、最近増えている注意点があります。住宅ローン控除の手続きは、金融機関が税務署へ残高情報を提出する「調書方式」へ順次移行しています。調書方式に対応した金融機関から借りている場合は、あらかじめ金融機関へ「住宅ローン控除の適用申請書」を提出しておく必要があり、そのかわり年末残高証明書の添付が不要になります。申請書を出し忘れると必要な情報が届かず、申告の直前になって慌てることになりかねません。借入先が調書方式に対応しているか、いつまでに何を出すのかは、早めに金融機関へ確認しておきましょう。
2年目からは年末調整で受けられます
会社員など給与所得者の方は、最初の年に確定申告をすれば、2年目以降は勤務先の年末調整だけで控除を受けられます。毎年確定申告をする必要はありません。
年末調整の際には、勤務先へ「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書」などを提出します。こちらも調書方式に対応した金融機関の場合は交付の時期などが変わることがあるため、案内が届いたら中身をよく読んでおきましょう。なお、自営業やフリーランスの方は、2年目以降も毎年の確定申告のなかで控除を受けます。
住宅ローン控除でよくある質問
Q. 入居した年の確定申告をうっかり忘れてしまいました。もう受けられませんか?
A. 会社員の方など、もともと確定申告の義務がない方が還付を受けるための申告(還付申告)は、対象となる年の翌年1月1日から5年間提出できます。気づいた時点で税務署に相談してみてください。あきらめる前に確認する価値は十分にあります。
Q. 途中で別の銀行へ借り換えました。控除は続きますか?
A. 借り換え後のローンが、もとの住宅ローンを返済するためのものであり、返済期間10年以上などの要件を満たしていれば、引き続き控除を受けられます。ただし、借り換えによって控除を受けられる年数が延びることはありません(入居した年から数えた期間のままです)。借り換えで借入額が増えた場合は年末残高の計算方法も変わるため、国税庁のタックスアンサー「No.1233 住宅ローン等の借換えをしたとき」で確認するか、税務署に相談しましょう。
Q. 繰上返済をしたら控除はどうなりますか?
A. 繰上返済そのものは問題ありませんが、返済期間を短くするタイプの繰上返済で、返済期間が10年未満になってしまうと、その年以後は控除を受けられなくなります。ここは判定が細かく、当初の契約で最初に返済した月から短くなったあとの最終返済月までが10年以上あるかどうかで見ます。控除期間中に大きく期間を縮める予定がある方は、減らす金額を返済額のほうに充てる(期間短縮ではなく返済額軽減にする)という選択肢もあわせて検討してみてください。
Q. 共働きで、夫婦それぞれが住宅ローンを組みました。二人とも受けられますか?
A. ペアローンのように夫婦それぞれが債務者となってローンを組み、それぞれが住宅の持分を持っている場合は、二人とも控除の対象になり得ます。一方で、収入合算の「連帯保証型」のように一方が保証人にとどまる場合は、債務者本人だけが対象です。組み方によって結果が変わるので、借入前の段階で銀行と税務署の両方に確認しておくと安心です。
まとめ|制度を知って、手続きは早めに
住宅ローン控除は、条件さえ満たせば多くの方が使える心強い制度です。ポイントを整理すると次のようになります。
- 年末残高の0.7%が所得税(引ききれない分は住民税の一部)から控除される
- 控除期間は最長13年、2026年〜2030年入居まで制度が延長された
- 所得は2,000万円以下、床面積は40㎡以上(一部は50㎡以上)が目安
- 借入限度額は住宅の省エネ性能で変わる。証明書の手配は早めに
- 最初の年だけ確定申告。2年目からは年末調整でOK
また、これから借入先を選ぶ段階の方は、金利だけでなく手続きのしやすさも見ておくと後がラクです。たとえばSBI新生銀行は、保証料や一部繰上返済手数料が0円で、一般団信や全疾病保障付団信も金利の上乗せなしという分かりやすさがあり、オンラインでの手続きと店舗での相談の両方に対応しています。「わからないことを人に聞きながら進めたい」という方にとっては、検討に値する選択肢のひとつでしょう。
制度の内容や金額は改正で変わることがあります。実際に申告する際は、国税庁や国土交通省の最新の案内を必ずご確認ください。わからないことは税務署で相談すれば、職員の方が丁寧に対応してくれますので、気軽に足を運んでみましょう。

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