- 公開日: 2026.08.03
- 住宅ローンの注意点
夫婦の収入合算で住宅ローンを借りるときの注意点|団信と持分

夫婦共働きの方の場合、住宅ローンの借入額を増やすために、夫婦の収入を合算される方が多く見られます。
ただ、ひと口に収入合算と言ってもいくつかの方法があり、それぞれにメリットやデメリットがあります。どれを選ぶかで、万一のときの保障・税金・離婚したときの扱いまで変わってきます。ここは最初にしっかり理解しておきたいところです。
今回は、夫婦の収入合算について、初めての方にも分かるように解説していきます。
まずは全体像|夫婦で借りる4つの方法
夫婦で住宅ローンを借りる方法は、大きく次の4つに整理できます。
| 借り方 | ローンの本数と立場 | ここが違う |
|---|---|---|
| 単独 | 1本。借りるのは1人だけ | いちばんシンプル。借入額は1人の収入で決まる |
| 収入合算 (連帯保証型) |
1本。夫が債務者、妻は連帯保証人 | 妻は原則、団信に入れず住宅ローン控除も使えないのが一般的 |
| 収入合算 (連帯債務型)=A |
1本。夫婦2人とも債務者 | 2人とも返済義務を負う。持分も2人で持つのが一般的 |
| ペアローン=B | 2本。夫婦それぞれが債務者で、互いの連帯保証人 | 借入額を増やしやすいが、諸費用も2本分 |
以下では、記事のもとになっているA(連帯債務型の収入合算)とB(ペアローン)を中心に見ていきます。
A.収入合算(本人+連帯債務者)のケース
これは、例えば夫が主債務者となり、妻が連帯債務者になるというケースです。
土地建物の名義は夫単独になることもありますが、夫の収入と妻の収入を合わせて借入可能額を算出し、返済は夫婦共同で行うというものです。
ちなみに「連帯保証人」の場合は、基本的に主債務者が返済し、主債務者が返済できなくなったときに、連帯保証人が銀行などから返済を請求される立場になるというものです。
「連帯債務者」と「連帯保証人」は似た言葉ですが、立場がまったく違います。連帯債務者は最初から自分もローンを借りている人で、連帯保証人は返せなくなったときに肩代わりする人です。この違いが、次に見る団信や住宅ローン控除の扱いに効いてきます。
なお、全期間固定金利の【フラット35】で収入合算を利用する場合、合算する相手は連帯債務者となり、住宅ローン自体は1本です。
B.夫婦別々にローンを組む(ペアローン)ケース
これは、ひとつの物件に対して夫名義の住宅ローンと妻名義の住宅ローンを別々に組み、夫婦それぞれが相手の連帯保証人になるという形態で、夫と妻個々に融資枠を持つことができるため、上記Aと比べて全体の借入可能額は増えることが大きなメリットです。
不動産の持分は、借入額または実際に負担した資金の割合とするのが一般的です(ここは後述の贈与税に直結するので要注意です)。
デメリットとしては、金融機関の中には、パート労働者や非正規雇用者に対する融資の条件が厳しいところがあること、また、ローンを2本組むことから事務手数料・印紙代・登記費用などの諸費用が増えることが挙げられます。
※ここは以前の情報から変わっています。かつては「ペアローンは【フラット35】では扱いがない」と説明されていましたが、現在は【フラット35】でもペアローンが用意されています(住宅金融支援機構の公式サイトに「ペアローンの概要」のご案内があります)。民間の銀行だけが選択肢というわけではありません。
夫婦どちらかに万が一の事があった場合の団体信用生命保険の扱い
団体信用生命保険(団信)とは、住宅ローンを借りている人が死亡または高度障害の状態になったとき、その保険によって住宅ローンが弁済されるもので、民間の金融機関ではほとんどが融資の条件としています(【フラット35】では加入は任意です)。
上記AとBでは、団信の扱いが変わってきます。ここが収入合算でいちばん誤解の多いところです。
まずAの連帯債務型ですが、通常、団信に加入するのは主債務者1人だけです。つまり、夫(主債務者)に万一のことがあれば残りのローンは弁済されますが、妻(連帯債務者)に万一のことがあっても、ローンは弁済されずに残ります。妻の収入をあてにして借りている以上、これは見過ごせないリスクです。
そこで用意されているのが、夫婦2人で加入できる連生タイプの団信です。【フラット35】では「デュエット(ペア連生団信)」という制度があり、連帯債務者であるご夫婦2人で加入でき、どちらか一方に万一のことがあった場合には、住宅の持分や返済割合にかかわらず残りの住宅ローンが全額弁済されます。対象には戸籍上の夫婦のほか、婚約関係にある方、内縁関係にある方、同性パートナーの方も含まれます。
ただし注意点もあります。
・3大疾病付機構団信との併用はできません
・返済の途中からデュエットに変更することはできません(申込時に決める必要があります)
・名称は令和5年(2023年)10月1日に「夫婦連生団信」から「ペア連生団信」に変わっています
一方、Bのペアローンは夫婦が別々のローンを組むため保険も別々になるのが基本で、例えば夫に万が一の事があっても、夫の残りのローンのみが弁済されるだけで、妻の分は弁済されません。残された側は自分のローンを返し続けることになります。
なお、金融機関によっては、ペアローンでも一方に万一があれば両方のローンが弁済される連生タイプの団信を用意しているところがあります。「うちのローンはどちらのタイプなのか」を、契約前に必ず確認してください。取扱いや条件は金融機関ごとに異なります。
見落としやすい3つの落とし穴
借入額の話に気を取られていると、あとから困りやすいのが次の3点です。
1. 持分の決め方を間違えると「贈与」になる
国税庁は、共働きの夫婦が住宅を買うとき、実際の購入資金の負担割合と登記した持分割合が異なっていると、その差額について贈与があったものとして贈与税の問題が生じることがあると説明しています。たとえば3,000万円の住宅で妻の負担が1,000万円なのに持分を2分の1(1,500万円分)で登記すると、差額の500万円が夫から妻への贈与とみなされる、という例が挙げられています。持分は「出したお金の割合」に合わせるのが基本です。判断に迷うときは、登記の前に税務署や税理士に確認しましょう。
2. 住宅ローン控除の使えるかどうかが変わる
連帯債務型やペアローンは夫婦それぞれが債務者なので、要件を満たせば2人とも住宅ローン控除の対象になり得ます。これに対して連帯保証型では、連帯保証人は債務者ではないため控除の対象になりません。「妻も働いているのだから当然使えるはず」と思い込まないようにしてください。適用の可否・要件は年によって変わることがあるため、国税庁の情報や税務署で確認しましょう。
3. 離婚したときに簡単には解消できない
夫婦で借りたローンは、離婚しても自動的には整理されません。連帯債務者や連帯保証人の立場から抜けるには、原則として金融機関の承諾が必要で、実際には借り換えや売却をしない限り難しいのが実情です。「住まなくなった家のローンを払い続ける」という事態を避けるため、借りる前に「もしものときはどうするか」を一度話し合っておくことをおすすめします。
申し込みまでの進め方(初めての方向け)
迷ったら、次の順番で考えると整理できます。
1. まず単独でいくら借りられるかを試算する(合算ありきで考えない)
2. 足りない分だけを合算で補えないかを検討する
3. 片方の収入が減ったとき(産休・育休・転職・時短勤務)でも返せるかを試算する
4. 団信の保障範囲(連生かどうか)を確認する
5. 持分と資金負担の割合をそろえ、必要なら税務署・税理士に相談する
6. 諸費用が2本分になる場合の総額も含めて、複数の金融機関で比べる
とくに3番は大切です。借入可能額は「今の2人の収入」で計算されますが、返済は10年、20年と続きます。育児や介護で働き方が変わる可能性を織り込んでおきましょう。
6番の諸費用については、金融機関によって差が出ます。たとえばSBI新生銀行は保証料が原則0円、一部繰上返済の手数料も原則0円で、事務手数料は借入金額×2.20%(税込)の定率型と分かりやすく、費用の見通しを立てやすいのが特徴です。店舗での相談とオンライン手続きの両方に対応しているため、夫婦で相談しながら進めたい場合にも使いやすいでしょう。各社の取扱い・条件・手数料は変わることがあるため、必ず公式サイトで最新の内容をご確認ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 収入合算すると、いくらまで借入額が増えますか?
金融機関によって、合算できる金額の扱い(全額か、半額までかなど)が異なります。【フラット35】の収入合算では合算できるのは1人までとされているなど、商品ごとにルールがあるため、申込先に確認するのが確実です。
Q. 妻がパートでも収入合算できますか?
できる場合もありますが、勤続年数や収入の安定性の見方は金融機関ごとに違います。1社で断られても、他社では扱いが異なることがあります。
Q. 連帯保証型と連帯債務型、どちらが有利ですか?
一概には言えませんが、連帯債務型のほうが、住宅ローン控除や持分の面で妻(合算者)にメリットが出やすい形です。一方で2人とも返済義務を負うため、責任も重くなります。
Q. 育休に入る予定ですが、審査に影響しますか?
金融機関によって扱いが異なります。産休・育休中でも復職前提で審査してもらえる場合がありますが、条件が付くこともあります。隠さずに正直に伝えるのが結果的にスムーズです。
Q. あとから収入合算をやめたり、ペアローンを1本にまとめたりできますか?
原則として簡単にはできません。借り換えという形で組み直すことになり、そのときの審査・金利・諸費用が新たにかかります。最初の設計がそのまま長く続くと考えておきましょう。
まとめ
Aの通常の収入合算(連帯債務型)は、借入額がそう大きくはなりませんが、リスクやデメリットが少ない形態です。
一方、とにかく借入額を増やしたいという方は、Bのペアローンが第一候補になります。
ただし、リスクやデメリットがあることを念頭に置いておきましょう。
・団信は誰が加入し、誰に万一があったときに弁済されるのかを必ず確認する
・持分は資金の負担割合に合わせる(ずれると贈与税の問題が生じることがある)
・離婚しても自動では解消されない
・借入可能額ではなく、片方の収入が減っても返せる額で決める
夫婦で借りるということは、家計を2人で支える約束をするということです。金額よりも、続けられる形かどうかを基準に選んでいきましょう。

イオン銀行は、ネット申込と店頭相談の両方が可能なハイブリッド型!
金利以外のお得なサービスも充実しているため、生活費の節約もできます。
イオン銀行住宅ローンはここがお得!
- 疾病保障付住宅ローンは2つの特約付きでさらに安心
- 保証料0円!負担になる諸費用を大幅節約
- 一部繰上げ返済手数料0円!借り入れ後もお得に返済
住宅ローンの注意点関連記事
-
- 2026.08.03
- 1803view
-
- 2026.08.03
- 1819view
-
- 2026.08.03
- 1812view
-
- 2026.08.03
- 1830view
-
クレジットカードの滞納履歴と住宅ローン審査|信用情報の確認方法
- 2026.08.03
- 1817view
-
- 2026.08.03
- 1824view











