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リフォームで多いのは水回りと省エネ|最新データと2026年度の補助制度

中古住宅を買って、自分の希望に合わせてリフォームする——この選び方は、いまや特別なものではなくなりました。

住宅金融支援機構の「2025年度フラット35利用者調査」(2026年7月24日公表)では、中古住宅(中古戸建・中古マンション)の利用割合が35.9%となり、2004年度の調査開始以来はじめて新築を上回って最多になりました。「中古を買ってリフォーム」は、もう新しいトレンドではなく主流の選択肢のひとつになったということです。

では実際に、どんな工事が多く行われているのでしょうか。今回は公的な統計で実態を確かめながら、「水回り」と「省エネ」を中心に、いま人気の設備と押さえておきたい制度を見ていきます。

データで見る「いま多いリフォーム」

国土交通省の「建築物リフォーム・リニューアル調査」(令和8年6月12日公表)によると、令和7年度に住宅で受注されたリフォーム・リニューアル工事は4兆9,033億円で、前年度から18.7%増えました。

工事の中身を見ると、いま何が求められているかがはっきり分かります。令和7年度第4四半期に受注された住宅工事を部位別に見ると(複数回答)、いちばん多かったのは「給水給湯排水衛生器具設備」で615,133件、次いで「内装」が345,209件でした。

つまり、実際に最も多く手を入れられているのは「水回り」です。キッチン・浴室・洗面・トイレ・給湯といった、毎日使い、そして年数とともに確実に傷んでいく部分ですね。

工事の目的別(複数回答)では、「劣化や壊れた部位の更新・修繕」が1,699,823件で圧倒的に多く、次いで「省エネルギー対策」が84,200件(前年同期比16.5%増)となっています。つまり、リフォームの出発点は「壊れたから直す」であり、その次に来るのが「光熱費と快適さのための省エネ」という順番です。

「水回り」と「エネルギー」——この記事のテーマがそのまま、統計の上位2つに重なっているというわけです。

キッチンは形で使い勝手が変わる

キッチンは、レイアウトによって使い勝手も費用も大きく変わります。

従来のI型(壁付けの一列型)に比べて作業スペースを広く取れるのがL型キッチンです。コンロとシンクを別の辺に配置できるため、複数人で作業しやすいのが特徴。ただし、ある程度広いLDKが必要で、費用もI型より上がります。

袖壁や吊戸棚のないアイランドキッチンは、文字どおり島のように独立した形状で、家族や友人と会話しながら料理を楽しめる点が支持されています。一方で、四方に通路が必要なため広さを取ること、手元が見えやすいので片づけの習慣が要ること、換気計画に注意が必要なことは押さえておきましょう。

形の流行より、誰がどう使うかで選ぶのが失敗しないコツです。ふだん台所に立つ人が1人なのか2人なのか、配膳を誰がするのか。そこが決まれば、必要なレイアウトはおのずと絞られます。

浴室に求められるのは安全と快適さ

浴室で要望が多いのは、まず安全性を高める工事です。段差の解消、手すりの設置、滑りにくい床材への変更などがこれにあたります。将来に備えるという意味合いはもちろんですが、小さなお子さんの転倒防止としても効果があります

次に多いのが浴室暖房乾燥機です。雨の日や花粉の季節に洗濯物を乾かせるほか、冬場に浴室をあらかじめ暖めておけるという利点があります。冬の入浴時、暖かい居室と寒い脱衣所・浴室の温度差が体に負担をかけることは以前から指摘されており、脱衣所と浴室の寒さ対策は、快適さだけでなく安全の面でも意味があります

さらに、いまの給湯設備が足し湯しかできない場合は、追いだき機能付きのユニットバスへの交換もよく選ばれています。給湯器そのものを高効率タイプに替えると、後述する補助制度の対象になることもあります。

省エネの工事は「窓・給湯・断熱」が主役に

エネルギーに関するリフォームというと、かつてはオール電化や太陽光発電が代表格でした。もちろん今も選択肢ですが、いま国が重点的に後押ししているのは「窓の断熱」「高効率給湯器」「壁・床・天井の断熱」です。

理由はシンプルで、住宅から逃げていく熱の多くが窓などの開口部を通っているためです。内窓(二重窓)の設置や、複層ガラス・断熱サッシへの交換は、工事の規模のわりに効果を体感しやすい工事といえます。

床暖房の設置や、断熱性の高い窓への交換は、単独で行うよりほかの工事とまとめて行うほうが効率的です。壁を開ける工事や内装工事と時期を合わせれば、足場や養生の費用を重複させずに済みます。「水回りを直すついでに、その部屋の窓も断熱にする」——この考え方が、いちばん無駄がありません。

2026年度に使える国の補助制度

住宅の省エネ改修については、環境省・国土交通省・経済産業省の3省が連携した「住宅省エネ2026キャンペーン」が実施されています(交付申請の受付開始は2026年3月30日に公表)。おもな事業は次のとおりです。

事業名 所管 おもな対象
先進的窓リノベ2026事業 環境省 断熱性能の高い窓への改修
みらいエコ住宅2026事業 環境省・国土交通省 住宅の新築、既存住宅の断熱改修・エコ住宅設備の設置など
高効率給湯器の導入促進(給湯省エネ) 経済産業省 エコキュート・ハイブリッド給湯機・エネファームの導入
既存賃貸集合住宅の省エネ化支援事業 経済産業省 賃貸集合住宅の省エネ改修

同じ住戸で複数の事業を組み合わせて申請できるのが、このキャンペーンの特徴です。たとえば窓は先進的窓リノベ、給湯器は給湯省エネ、そのほかの断熱改修はみらいエコ住宅、といった使い方が想定されています。

このうちみらいエコ住宅2026事業のリフォーム支援は、リフォーム前の住宅の断熱性能によって補助上限が変わる仕組みです。

リフォーム前の住宅 改修後に達する水準 補助上限(1戸あたり)
平成4年基準を満たさない住宅(平成3年以前の建築など) 平成28年基準相当 100万円
平成11年基準相当 50万円
平成11年基準を満たさない住宅(平成10年以前の建築など) 平成28年基準相当 80万円
平成11年基準相当 40万円

補助を受けるには、開口部・外壁・屋根や天井・床の断熱改修や、エコ住宅設備の設置といった必須工事を行うことが条件です。そのうえで、子育て対応改修やバリアフリー改修などを附帯工事として組み合わせられます。

注意点が2つあります。ひとつは、こうした事業は予算の上限に達した時点で受付を終了すること。もうひとつは、工事の着手時期に条件があることです(本事業では2025年11月28日以降に着手した工事が対象とされています)。契約前に、依頼先の事業者が登録事業者かどうかも含めて、必ず公式サイトで最新の要件と受付状況を確認してください。

費用と段取りの疑問に答えます

Q. リフォームの費用は、住宅ローンと一緒に借りられますか?
中古住宅の購入とリフォーム費用をまとめて借りられる商品を扱う金融機関もあります。一般に、リフォーム専用ローンより住宅ローンのほうが金利が低く返済期間も長く取れますが、対象工事の範囲や必要書類、実行のタイミングは金融機関ごとに違います。物件を決めてから慌てないよう、探し始めの段階で確認しておきましょう。

Q. どこから手をつけるべきですか?
統計でも最多だったとおり、まずは劣化して困っている部分の更新・修繕です。給排水管や給湯器、屋根・外壁など、放っておくと被害が広がる部分が優先されます。見た目の刷新はその後でも取り返せます。

Q. 補助金を使うと工事が遅れませんか?
申請の手続きは基本的に工事を請け負う登録事業者が行いますが、書類の準備や工期の調整は必要です。「補助金を使いたい」という意向は、見積もりを取る段階で伝えておくとスムーズです。

Q. 中古住宅を買う前に、リフォーム費用の見当をつけられますか?
可能です。購入前に現地でリフォーム会社に見てもらい、概算を出してもらう方法があります。物件価格+リフォーム費用+諸費用の総額で予算を考えることが、資金計画を崩さないいちばんの近道です。

Q. マンションでも自由にリフォームできますか?
専有部分の内装や設備は基本的に可能ですが、管理規約や使用細則で床材の遮音等級などが定められていることがあります。窓やバルコニー、玄関ドアの外側などは共用部分にあたり、原則として個人では変更できません。購入前に管理規約を確認しておきましょう。

中古+リフォームを考えている方へ

最後に要点をまとめます。

・実際に多いのは水回り(給水給湯排水衛生器具設備)内装の工事
・目的でいちばん多いのは劣化した部分の更新・修繕、次いで省エネ対策
・省エネの主役は窓・給湯器・断熱。ほかの工事とまとめて行うと効率的
住宅省エネ2026キャンペーンなど国の補助制度は、予算上限に達し次第終了。着手時期の条件にも注意
中古住宅の利用割合は調査開始以来はじめて最多。中古+リフォームはすでに主流の選択肢

中古住宅の市場は、かつて「これから拡大する」と言われていました。データを見るかぎり、その予想はすでに現実になっています。物件価格とリフォーム費用を合わせた総額で資金計画を立てること——ここさえ押さえておけば、中古+リフォームは選択肢を大きく広げてくれるはずです。

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