- 公開日: 2026.08.25
- 住宅ローンの注意点
住宅ローンの諸費用は商品で変わる|事務手数料・保証料・団信の比べ方

住宅を買うときは、物件の値段のほかに諸費用がかかります。ここまではよく知られているのですが、そのうち「どの住宅ローンを選ぶか」で金額が大きく変わる部分があることは、あまり意識されていません。
同じ物件、同じ借入額でも、商品の選び方しだいで諸費用は数十万円単位で変わります。このページでは、その「動く費用」と「動かない費用」を分けて見ていきます。
※物件そのものにかかる諸費用(仲介手数料・不動産取得税・火災保険料など)の全体像は、住宅購入の諸費用はいくら?種類・支払う時期・軽減措置を解説で整理しています。このページは住宅ローン側の費用に絞ってお話しします。
「動く費用」と「動かない費用」に分けて考える
住宅ローンにまつわる費用は、次の2つに分けると一気に見通しがよくなります。
| 区分 | 代表的な費用 | 金額の決まり方 |
|---|---|---|
| 動く費用 (商品選びで変わる) |
事務手数料/保証料/団体信用生命保険の上乗せ/繰上返済手数料/電子契約利用手数料 | 金融機関と商品タイプごとに設定が違う |
| 動かない費用 (法律で決まっている) |
印紙税/抵当権設定登記の登録免許税 | 借入額などに応じて税額が決まる |
比較するときにエネルギーを使うべきなのは、当然ながら上の「動く費用」のほうです。下の「動かない費用」は、どの金融機関を選んでも基本的に同じ金額になります(司法書士への報酬など、依頼先で多少差が出るものはあります)。
いちばん差が出るのは事務手数料
住宅ローンを借りるときに金融機関へ支払う手数料です。ここに2つのタイプがあります。
定率型(借入金額に対する割合で決まる)
借入金額に一定の率をかけて計算します。ネット銀行を中心に広く採用されており、2.20%(税込)という設定が一般的です。たとえば3,000万円を借りるなら、2.20%=66万円(税込)という計算になります。
SBI新生銀行も、事務手数料は借入金額に2.20%(税込)を乗じた金額と案内しています。
定額型(金額が決まっている)
借入金額にかかわらず、あらかじめ決まった金額を支払うタイプです。数万円程度に設定されていることがあり、初期費用だけを見ると圧倒的に安く見えます。
ただし、定額型は適用される金利がやや高めに設定されていることが多い点に注意してください。手数料で抑えた分を金利で回収する設計になっているためです。どちらが得かは、借入額と返済期間しだいで逆転します。
目安として、次のように考えると整理しやすくなります。
- 長く借りる・繰上返済の予定がない…金利が低い定率型が有利になりやすい
- 短めに借りる・早めに繰上返済する予定…初期費用の軽い定額型が有利になることがある
【フラット35】でも、融資手数料は取扱金融機関や商品タイプによって定額型と定率型があります。同じ【フラット35】でも取扱金融機関ごとに手数料が違うので、必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください。
電子契約を選ぶ場合の手数料
近年は契約を電子化できる金融機関が増えました。紙の契約書に貼る印紙が不要になる一方で、電子契約利用手数料がかかることがあります。SBI新生銀行の場合は5,500円(税込)です。印紙税と手数料のどちらが安いかは借入額によって変わるので、両方の金額を並べて確認しましょう。
保証料は「あり・なし」だけでは比べられません
保証料は、保証会社に保証を引き受けてもらうために支払うお金です。万一返済できなくなったときに、保証会社が金融機関に立て替える仕組みで、借りた人の返済義務がなくなるわけではありません。ここは誤解しやすいところです。
支払い方には2つあります。
- 一括前払い型(外枠方式)…借入時にまとめて支払う
- 金利上乗せ型(内枠方式)…金利に上乗せして毎月少しずつ支払う
最近は保証料が原則0円という住宅ローンも珍しくありません。SBI新生銀行も保証料は原則0円としています(審査結果によっては保証会社の保証を付すことを提案される場合があります)。
ただし、「保証料0円だから安い」と単純には言えません。保証料をとらない代わりに事務手数料を定率型にしている商品が多いからです。保証料と事務手数料は必ずセットで合計してから比べてください。
団信は上乗せ0円のものから幅があります
団体信用生命保険(団信)は、契約者が亡くなったり所定の高度障害になったりしたときに、残りの住宅ローンが保険金で返済される仕組みです。
死亡・高度障害を対象とする一般団信は、金利の上乗せなしで付いてくるのが一般的です。差が出るのは、そこに保障を足すときです。
- がんと診断されたときに残高が保障されるタイプ
- けがや病気で働けない状態が続いたときに保障されるタイプ
これらは借入金利への上乗せという形で費用が発生することが多く、上乗せ幅は金融機関によって異なります。SBI新生銀行のガン団信の上乗せ金利は年0.100%です。
上乗せは金利に乗るため、最初の見積書には「費用」として出てきません。しかし返済期間を通じて払い続けるお金なので、実質的にはかなり大きな金額になります。保障の中身と上乗せ幅は、必ず各金融機関の公式サイトで確認してください。
繰上返済の手数料は契約後に効いてきます
借りるときには気にしにくいのですが、返しはじめてから効いてくるのが繰上返済の手数料です。
一部繰上返済のたびに手数料がかかる商品もあれば、何度でも無料という商品もあります。SBI新生銀行は一部繰上返済の手数料がかからないと案内しています。
ボーナスや余裕資金が出るたびにこまめに繰り上げたい方にとって、1回ごとの手数料の有無は返済期間全体で見ると無視できない差になります。全額繰上返済(完済)の手数料は別に設定されていることが多いので、こちらもあわせて確認しておきましょう。
金額が決まっている費用(税金・登記)
ここからは、どの金融機関を選んでも基本的に変わらない費用です。
印紙税
金融機関と結ぶ金銭消費貸借契約書に貼る印紙代です。契約書に記載された金額に応じて次のように決まっています。
| 契約書に記載された借入額 | 印紙税額 |
|---|---|
| 500万円を超え1,000万円以下 | 1万円 |
| 1,000万円を超え5,000万円以下 | 2万円 |
| 5,000万円を超え1億円以下 | 6万円 |
ここでひとつ注意していただきたいことがあります。不動産の売買契約書には印紙税の軽減措置があり(令和9年3月31日までに作成されるもの)、たとえば1,000万円超5,000万円以下なら本来2万円のところ1万円に軽減されます。ところが住宅ローンの契約書(金銭消費貸借契約書)は、この軽減措置の対象ではありません。売買契約書と同じ感覚でいると、金額が違って驚くことになります。
抵当権設定登記の登録免許税
住宅ローンを借りるときは、購入する建物と土地に抵当権を設定します。その登記に登録免許税がかかり、税額は借入額をもとに計算されます。一定の要件を満たす住宅では税率の軽減措置が設けられていますので、適用の可否は金融機関や司法書士に確認してください。
司法書士への報酬
登記の手続きは司法書士に依頼するのが一般的です。報酬は依頼先や案件の内容によって幅があります。見積書では登録免許税と司法書士報酬がまとめて記載されていることがあるので、内訳を出してもらうとわかりやすくなります。
中古住宅の証明書は扱いが変わりました
以前は、中古住宅で住宅ローン控除を受けるために「築後20年以内(マンションなど耐火建築物は25年以内)」という築年数の要件があり、これを超える場合は耐震基準適合証明書などを取得する必要がありました。証明書の交付には数万円の手数料がかかるため、諸費用としてまとまった負担になっていました。
この築年数の要件は見直され、現在は昭和57年(1982年)1月1日以後に建築された家屋であれば、登記事項証明書で確認できます。耐震基準適合証明書などが必要になるのは、昭和56年12月31日以前に建築された家屋の場合です(この場合は、取得の日前2年以内に耐震基準への適合が証明されたものであることなどが求められます)。
つまり、築25年や築30年の中古住宅であっても、昭和57年以降に建てられていれば証明書を取らずに住宅ローン控除を受けられることになります。中古住宅を検討している方は、まず建築年月日を確認してみてください。要件の詳細は国税庁の案内でご確認ください。
見積りを比べるときの5つのチェックポイント
- 事務手数料と保証料は合計してから比べる(片方だけ見ない)
- 団信の上乗せ幅を金利に足して考える(見積書に出てこない費用)
- 繰上返済の手数料を確認する(返しはじめてから効いてくる)
- 電子契約の可否と、印紙税との差額を見る
- 諸費用をローンに含めるかどうかを決めておく(次の項目参照)
諸費用をローンに含めるという選択肢
諸費用も合わせて借りられる住宅ローンがあります。手元の現金を残せるのは大きな利点ですが、借入額が増えるので支払う利息も増えます。また、借入額が物件価格を上回ると金利の条件が変わる商品もあります。含める場合と含めない場合の両方で試算してから決めてください。
よくある質問
Q. 諸費用の見積りは、いつごろもらえますか?
A. 事前審査を通ったあと、正式な申し込みの前後に金融機関から提示されるのが一般的です。契約直前に初めて総額を知って驚かないよう、早い段階で概算を出してもらうとよいでしょう。
Q. 事務手数料は、あとから返してもらえますか?
A. 一般に、支払った事務手数料は繰上返済や借り換えをしても戻りません。一方、一括前払いした保証料は、繰上返済した場合に未経過分の一部が戻ることがあります。取扱いは金融機関によって異なるため、契約前に確認してください。
Q. 借入額が増えると、諸費用も増えますか?
A. 定率型の事務手数料・保証料・印紙税・抵当権設定登記の登録免許税は、いずれも借入額に連動します。借入額を1割減らせば、これらの費用もおおむね1割減ると考えてよいでしょう。頭金を用意する意味は、利息だけでなく諸費用にも及びます。
まとめ
住宅ローンの諸費用は、「商品選びで動く費用」と「法律で決まっている費用」に分けて考えると比べやすくなります。動くのは事務手数料・保証料・団信の上乗せ・繰上返済手数料。この4つを合計してから金利を見ると、見た目の金利の低さだけに引っ張られずにすみます。
費用の全体像が見通しやすい住宅ローンを探している方には、保証料が原則0円で、一部繰上返済の手数料もかからず、事務手数料が借入金額に対する定率型で計算しやすいSBI新生銀行のような商品も、比較の候補に入れてみてください。
※記載の手数料・税額・制度の要件は2026年8月時点で確認した内容です。最新の内容は各金融機関の公式サイト、および国税庁の案内でご確認ください。

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