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住宅ローン借り換えの比較ポイント|ランキングの正しい使い方

住宅ローンの借り換えでは、抵当権の抹消・設定にかかる登録免許税、司法書士への報酬、融資事務手数料といった諸費用が必要になります。ですから、「金利が低いローンに置き換えれば必ず得をする」とは限りません。

よく「ローン残高が1,000万円以上あり、返済期間が10年以上残っていればメリットが出る」と言われますが、これはあくまで昔からよく使われてきた目安です。実際には残高・残りの期間・金利差・諸費用の組み合わせで結果が変わりますので、最後は必ずご自身の条件で試算して確かめるのがいちばん確実です。ここでは、そのための見方を順番に整理していきます。

住宅ローンの借り換えを行う事で得られるメリットとは。

借り換えでいちばん大きいのは、返済に含まれる利息を減らせることです。毎月の返済額のうち、いくらが利息でいくらが元金に充てられているかは「返済予定表」で確認できます。金利が下がればこの利息部分が小さくなり、その分だけ元金が減るスピードが上がります。

利息が減ると、返済額そのものを下げることもできますし、返済額を変えずに返済期間を短くするという選び方もできます。どちらが向いているかは、いま家計に余裕をつくりたいのか、それとも完済を早めたいのかによって変わります。

ただし、借り換えには諸費用がかかります。ここを含めずに「毎月◯円下がった」とだけ見ると判断を誤ります。住宅金融支援機構も、借換融資を検討するポイントの1つ目として「総返済額または毎月の返済額だけでなく、諸費用を含めた総費用を考慮に入れましょう」と案内しています。諸費用の内訳は後ほど整理します。

ローンの借り換えにはランキングを利用するのがお勧め。

住宅ローンの借り換え先をランキングで比較するイメージ

借り換え先の候補を探すとき、金融機関のサイトを1社ずつ見て回るのはかなり骨が折れます。その点、住宅ローンのランキングや比較ページは、候補をざっと絞り込む出発点として便利です。金利の水準はもちろん、団信の保障範囲や事務手数料の考え方の違いも、横並びだと気づきやすくなります。

ただ、使い方には少しコツがあります。ランキングの並び順の基準は、サイトによって違います。金利の低い順のこともあれば、申込件数順、編集部の評価順、あるいは広告として掲載順が決まっていることもあります。「上位=自分にとっていちばん有利」とは限らない、という前提で見てください。

もうひとつ気をつけたいのが、掲載されている金利の多くが条件を満たした場合の最も低い金利(最優遇金利)だという点です。実際に適用される金利は審査の結果によって決まりますし、給与振込口座の指定などの条件が付いていることもあります。ランキングで気になる金融機関を2〜3社に絞ったら、最後は必ず各社の公式サイトで適用条件・手数料・団信の内容を確認する——この一手間が、後悔しないための分かれ目になります。

現在の住宅ローンを安くすることで得られるメリットとは。

金利が下がって毎月の返済額が減れば、その差額を貯蓄や繰り上げ返済の原資に回せるようになります。住宅ローンは数千万円という大きな借入れになることが多く、返済を続けていてもなかなか元金が減らない、と感じる時期があります。返済の初期ほど利息の割合が大きいためです。

そこで有効なのが、生活防衛資金を確保したうえでの繰り上げ返済です。繰り上げ返済で払ったお金は全額が元金に充てられるため、その先にかかるはずだった利息を減らせます。

ただし、手元のお金を使いすぎないことが大前提です。教育費や急な出費に備えるお金まで返済に回してしまうと、いざというときに金利の高いローンを借りることになりかねません。借り換えで浮いた分をまず貯めていき、ある程度たまったところで繰り上げ返済に回す、というリズムが安心です。

借り換えにかかる諸費用の内訳を先に押さえる。

借り換えは「いまのローンを一括返済して、新しいローンを借り直す」手続きです。そのため、完済と新規借入の両方の費用がかかります。主な項目は次のとおりです。

費用の項目 内容 備考
抵当権抹消の登録免許税 いまのローンの抵当権を消す登記 不動産1個につき1,000円(土地・建物なら計2,000円)
抵当権設定の登録免許税 新しいローンの抵当権をつける登記 債権金額に対し原則0.4%(軽減の可否は登記内容による)
司法書士報酬 上記の登記手続の代行 依頼先により異なる
融資事務手数料 借入先に支払う手数料 借入額×一定率の定率型と、定額型がある
保証料 保証会社を利用する場合 不要な商品もある
印紙税など 金銭消費貸借契約書に貼付 電子契約なら不要な場合がある

合計すると数十万円規模になることも珍しくありません。そのうえ、いまのローンに繰上返済手数料がかかる場合もありますし、団体信用生命保険に入り直すことになるため、健康状態によっては希望どおりの保障を選べないこともあります。金利差だけを見て走り出さず、「諸費用の総額」と「借り換えで減る利息の総額」を並べて比べるようにしてください。機構の借換えシミュレーションのように、現在のローンと借り換え後を同時に試算できるツールを使うと、この比較がぐっと楽になります。

2026年8月の金利環境と、検討を進める順番。

借り換えを考えるうえで、いまがどんな局面かも知っておきましょう。2026年は、固定金利が上昇している局面です。住宅金融支援機構の【フラット35】(借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付き)で最も多い金利は、2026年8月の資金受取分で年3.290%となり、前月から上がっています。

変動金利についても動きがあります。三菱UFJ銀行は、2026年6月16日発表の短期プライムレートの引き上げにともない、2026年9月1日から住宅ローンの変動金利の基準金利を見直すと公表しました(9月分の基準金利は8月31日に発表、以降は毎月1日を基準日として見直し)。ただし同行は、変動金利かつ元利均等返済で借入中の場合は「10月1日を基準とした5年間は返済額に変更はありません(返済額の元金分と利息分の割合は変わります)」とも案内しています。基準金利の見直し=すぐに毎月の返済額が上がる、ということではありません。見直しの時期も扱いも金融機関ごとに違いますので、いま借りている金融機関からのお知らせを必ず確認してください。

こうした環境だからこそ、あわてて動くより、順番を踏むほうが結果的に近道です。おすすめの進め方は次の3ステップです。

まず、いまのローンの条件を書き出します(残高・残りの期間・金利・金利タイプ・団信の内容)。返済予定表を手元に置けば数分で済みます。次に、ランキングや比較ページで候補を2〜3社に絞り、それぞれの公式サイトで適用条件と手数料を確認します。最後に、諸費用を含めた総額で試算し、いまのローンとどちらが有利かを比べます。

なお、借り換えは「金利を下げる」ためだけのものではありません。上昇局面では、変動から固定へ移して返済額を確定させるという考え方もありますし、団信の保障を手厚くしたい、という動機で見直す方もいらっしゃいます。たとえばSBI新生銀行の住宅ローンは、ローン保証料が原則不要で一部繰上返済手数料も0円と案内されており、諸費用の全体像がつかみやすい商品のひとつです。金利の数字だけでなく、諸費用と保障まで含めて「自分の条件でどうか」という目で選んでいきましょう。金利や手数料は改定されますので、最新の内容は各金融機関の公式サイトでご確認ください。

よくある質問。

Q. 金利差が1%なければ、借り換える意味はないのでしょうか?
A. そうとは限りません。「残高1,000万円以上・残り10年以上・金利差1%以上」は昔から使われてきた目安ですが、絶対の条件ではありません。残高が大きく残期間も長ければ、金利差が1%に満たなくても諸費用を上回る効果が出ることがあります。逆に残高が少なく残期間も短ければ、金利差が1%あっても諸費用で相殺されることがあります。目安で判断せず、必ずご自身の数字で試算してください。

Q. 同じ銀行のまま、金利を下げてもらうことはできますか?
A. 金融機関によっては、金利タイプの変更や条件の見直しに応じてもらえる場合があります。手続き方法や手数料の扱いは各社で異なりますので、まずは今借りている金融機関に相談してみるのが順番としては先です。借り換えは諸費用と手間がかかるため、その前に確認しておく価値があります。

Q. 借り換えのときも、団体信用生命保険に入り直しますか?
A. 原則として、新しいローンの団信にあらためて加入することになります。そのため健康状態によっては希望する保障を選べない、あるいは加入できない場合があります。年齢が上がっているぶん、保障の条件が変わることもあります。金利差だけでなく、この点も必ず確認してから進めてください。

Q. ランキングで1位の銀行に申し込めば間違いないですか?
A. 1位が自分にとっての最適とは限りません。並び順の基準はサイトごとに異なり、掲載金利も条件を満たした場合の最優遇金利であることが一般的です。手数料の体系、団信の保障範囲、審査の通りやすさは金融機関ごとに違います。ランキングは候補を絞る道具として使い、決め手は公式サイトの条件とご自身の試算に置きましょう。

借り換えは、うまくいけば返済の負担を確実に軽くできる手段です。だからこそ、数字を並べて落ち着いて比べることから始めてみてください。

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