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住宅の税金を滞納するとどうなる?督促から差し押さえまで

住宅を購入したあとは、住宅ローンの返済に加えて、お住まいの自治体に税金を納める必要があります。

住宅購入後に払う税金は、住宅購入後にかかる税金を解説した記事でも紹介したとおり、主に「固定資産税」と「都市計画税」の2つです。

これらは住宅ローンとは別に、毎年支払う必要があります。「思ったより大きな金額で、払いきれない…」という声も少なくありません。では、もし滞納してしまったらどうなるのでしょうか。

結論からお伝えすると、税金の滞納は住宅ローンの滞納よりも進行が速く、督促状が届いてから10日で財産の差し押さえが法律上可能になります。だからこそ、正しい流れを知って、早めに動くことが何より大切です。

住宅購入後に支払う税金は「固定資産税」と「都市計画税」

住宅を購入したあとは、購入代金だけでなく、お住まいの自治体(市町村。東京23区は都)に「固定資産税」と「都市計画税」を納める必要があります。詳しい算出方法は住宅購入後にかかる税金を解説した記事で扱っていますが、ここでは要点だけ押さえておきましょう。

固定資産税

固定資産税は、購入した住宅(建物と土地)に対してかかる税金です。国税ではなく、市町村が課税する「地方税」である点がポイントです。土地・家屋の評価は3年に1度見直され(評価替え)、課税標準額に標準税率1.4%を掛けた金額が税額になります。

都市計画税

都市計画税も土地・建物にかかる税金ですが、使いみちが決まっています。道路の整備や上下水道の整備など、街づくり(都市計画事業)の費用に充てられる税金です。毎年1月1日時点の固定資産税評価額をもとに、制限税率0.3%を上限とした税率を掛けて計算されます(税率は自治体によって異なり、都市計画税がない地域もあります)。

用語ミニ解説:確定申告はいりません

ここは誤解されやすいところです。固定資産税・都市計画税は、自分で申告する税金ではありません。市町村が「1月1日時点の所有者」を調べて税額を計算し、納税通知書を送ってくる仕組み(賦課課税)です。通知書が届いたら、一括、または年4回の分割で納めます。

「申告していないから請求は来ないだろう」ということはあり得ません。納税通知書は必ず届きますので、届いたら中身を必ず確認してください。

なお、住民税・所得税など、住宅の有無にかかわらず納める税金もあります。これから説明する滞納後の流れは、こうした地方税についてもおおむね同じように当てはまると考えてよいでしょう。

税金を滞納すると、延滞金がつき、督促状が届く

住宅を持つと、賃貸のときには無かった税金がかかります。住宅ローンの返済が苦しくなると、税金の支払いも同時に苦しくなる——これはよくある流れです。

住宅ローンの滞納では、金融機関が競売に動くまでにある程度の時間があります。しかし税金の滞納は、これよりずっと速く進みます。流れを整理しましょう。

ステップ1:納期限の翌日から「延滞金」が発生する

納期限を1日でも過ぎると、翌日から延滞金が加算されます。割合は法律で定められ、1年ごとに見直されます

期間 延滞金の割合(2026年1月1日以後) 備考
納期限の翌日から1か月を経過する日まで 年2.8% 比較的低い率
1か月を経過した日から納付日まで 年9.1% 1か月を過ぎると一気に上がります

※延滞金の割合は毎年見直されます(2025年は年2.4%/年8.7%でした)。上表は2026年1月1日から適用される割合です。金額の端数処理や少額不徴収の扱いは自治体により異なります。最新の割合は、お住まいの自治体の公式サイトでご確認ください。

1か月を過ぎると年9.1%。これはカードローン並みの重さです。「あとで払えばいい」と放置するほど、負担は雪だるま式に増えていきます。

ステップ2:納期限から20日以内に「督促状」が届く

納期限までに納付が確認できないと、納期限後20日以内に督促状が発送されます(地方税法)。

ステップ3:督促状の発送から10日で、差し押さえが可能になる

ここが最も重要です。法律上は「督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに完納しないときは、財産を差し押さえなければならない」と定められています。

もちろん、実務上は10日後にいきなり差し押さえられるわけではなく、文書・電話・訪問による催告や「差押予告通知書」が送られるのが通例です。しかし、いつ差し押さえが行われてもおかしくない状態に入っていることに変わりはありません。差し押さえの対象は、不動産だけでなく預貯金・給与・自動車などにも及びます。

払えないときは「猶予制度」がある。まず役所に相談を

ここで一番お伝えしたいことがあります。払えないときこそ、放置せずに自治体の窓口へ相談してください。

税金には、事情に応じた猶予の制度が用意されています。

  • 徴収猶予…災害・盗難、本人や家族の病気・けが、事業の廃止・休止、著しい損失などの事情があるときに、納税を一定期間猶予してもらえる制度。
  • 換価の猶予…一度に納めると事業の継続や生活の維持が困難になる場合に、差し押さえた財産の売却(換価)を猶予してもらえる制度。
  • 分割納付(分納)の相談…実務上、事情を説明して分割で納める相談に応じてもらえるケースがあります。

猶予が認められると、延滞金の一部が免除される場合もあります。ただし、これらは「相談して初めて使える」制度です。黙って滞納しているだけでは適用されません。

「相談したら怒られるのでは」と身構える必要はありません。自治体の窓口は日常的に納税相談を受けています。事情を伝えれば、現実的な返し方を一緒に考えてもらえます。

任意売却を検討している場合はとくに早めの相談を

住宅ローンの返済が続けられず、競売ではなく任意売却(市場で売って残債を整理する方法)を考えている場合、税金の滞納は大きな障害になります。

すでに差し押さえられた物件は、そのままでは任意売却ができません。売却を進めるには、不動産会社などを通じて役所に事情を説明し、差し押さえを解除してもらう手続きが必要になります。手間も時間も余計にかかり、その間も延滞金は増え続けます。

住宅ローンの支払いが厳しくなったと感じた時点で、金融機関と役所の両方に早めに相談する。これが結果的に、いちばん傷が浅く済む進め方です。

面倒なことを後回しにすると、滞納額が膨らむだけでなく、選べる手段そのものが減っていきます。逆に、早めに相談しておけば猶予を得られることもあり、精神的な負担もずいぶん軽くなります。

住宅ローンを完済していても差し押さえになるので注意

最後に見落としがちな点を。住宅ローンを組まずに現金一括で購入した場合や、すでに住宅ローンを完済している場合でも、税金を滞納すれば所有物件は差し押さえの対象になります。

所有権が自分にあることと、税金を滞納してよいことは別の話です。自治体には、滞納された税金を回収するために財産を差し押さえる権限があります。「自分の家なのだから」という主張は通りません。

住宅ローンの有無にかかわらず、病気・失業・災害などで税金が払えない状況になったら、すぐに市区町村(国税なら税務署)に相談してください。猶予や減免が適用できる場合があります。

なお、住宅ローンの返済そのものが重く、税金まで手が回らない——という状態であれば、借り換えで毎月の返済額を下げられないかを検討する価値もあります。たとえばSBI新生銀行のように、保証料0円・一部繰上返済手数料0円で、一般団信の保険料も上乗せ0円という銀行もあります。ただし借り換えには諸費用がかかり、審査もあります。滞納が始まってからでは審査が通りにくくなるため、動くなら「滞納する前」です。

住宅の税金滞納 よくある質問(FAQ)

Q. うっかり数日遅れただけでも延滞金はかかりますか?

A. 制度上は納期限の翌日から発生します。ただし、計算した延滞金が1,000円未満の場合は徴収しないなど、少額の場合の取り扱いを設けている自治体が多くあります。扱いは自治体ごとに異なるため、公式サイトでご確認ください。

Q. 差し押さえられるのは家だけですか?

A. いいえ。預貯金・給与・自動車・生命保険の解約返戻金など、換価できる財産が広く対象になります。実務上は、換金しやすい預貯金や給与から差し押さえられるケースが多いとされています。

Q. 分割で払いたいと言えば、必ず認めてもらえますか?

A. 「必ず」ではありません。収入・支出・財産の状況を確認したうえで判断されます。ただし、相談しないまま滞納を続けるより、はるかに良い結果になりやすいのは確かです。まずは窓口へ連絡してみてください。

Q. 固定資産税の金額に納得がいきません。どうすればよいですか?

A. 評価額に不服がある場合、納税通知書の交付を受けた日の翌日から3か月以内に、市町村の「固定資産評価審査委員会」へ審査の申出をする制度があります。手続きの期限や方法は自治体の案内でご確認ください。なお、審査を申し出ても、納期限までの納付義務はなくなりませんのでご注意ください。

Q. 家を買う前に、税金の負担はどう見積もればいいですか?

A. 住宅ローンの返済額だけで資金計画を立てないことが大切です。固定資産税・都市計画税に加えて、火災保険料、マンションなら管理費・修繕積立金、戸建てなら将来の修繕費もかかります。「毎月の返済額+年間の維持費」で家計が回るかを、購入前に必ず確認しましょう。

※本記事の延滞金の割合・手続きは2026年7月時点で自治体の公表内容を確認したものです。延滞金の割合は毎年見直され、猶予制度の運用も自治体によって異なります。最新の情報は必ずお住まいの市区町村・税務署の公式サイトでご確認ください。

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