- 公開日: 2026.08.11
- 住宅ローンの注意点
住宅ローン控除の条件は新築と中古で違う|2026年の最新版

住宅ローンを組むとき、どうしても毎月の返済のことばかり考えてしまいます。でも、忘れてはいけないのが住宅ローン控除(正式には「住宅借入金等特別控除」)。所得税や住民税が戻ってくる、家計にとって大きな制度です。
そして、この控除を受けるための条件は新築住宅と中古住宅(既存住宅)で異なります。しかも制度は数年ごとに見直されていて、以前とはずいぶん内容が変わりました。2026年(令和8年)入居分からも大きな改正があります。
ここでは、いまの制度がどうなっているかを、はじめての方にもわかるように整理していきます。
そもそもどのような制度か
住宅ローン控除とは、年末の住宅ローン残高の0.7%が、最長13年間にわたって所得税から控除される制度です。所得税から引ききれなかった分は、一定額まで翌年度の住民税からも控除されます。
たとえば年末のローン残高が3,000万円なら、その0.7%にあたる21万円が控除額の計算のもとになります(借入限度額の上限があるため、実際の控除額は後述の表の範囲内になります)。残高は毎年減っていきますから、控除額も年々小さくなっていく点は押さえておきましょう。
ここで注意していただきたいのが、以前の「1%が10年間」という説明は、もう当てはまらないということです。控除率は2022年(令和4年)入居分から0.7%に、控除期間は住宅の性能によって13年または10年に変わりました。古い記事や資料を見て「1%戻ってくる」と思い込んでいると、資金計画がずれてしまいます。
なお、この制度の適用期限は2026年(令和8年)1月1日から2030年(令和12年)12月31日までに入居した場合まで、5年間延長されています。
新築住宅の場合
新築住宅(または建築後に使用されたことのない分譲住宅・建売住宅)を取得する場合、まず知っておきたいのは「省エネ性能が問われる」ということです。いまは省エネ性能の区分によって、借入限度額と控除期間が変わります。
| 住宅の区分(新築) | 借入限度額 | 控除期間 |
|---|---|---|
| 長期優良住宅・低炭素住宅 | 4,500万円(5,000万円) | 13年間 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円(4,500万円) | 13年間 |
| 省エネ基準適合住宅 | 2,000万円(3,000万円) | 13年間 |
| その他住宅 (2023年末までに建築確認を受けたもの) | 2,000万円 | 10年間 |
※カッコ内は子育て世帯(19歳未満の扶養親族がいる方)・若者夫婦世帯(配偶者のいる40歳未満の方、または40歳未満の配偶者のいる40歳以上の方)の上乗せ額です。

そのうえで、共通して次の条件を満たす必要があります。
- 返済期間が10年以上であること(多くの方は20年・35年で借りるので、ここは問題になりにくいでしょう)
- 合計所得金額が2,000万円以下であること
- 床面積が40㎡以上であること。ただし合計所得金額が1,000万円を超える方と、上記の子育て世帯等の上乗せ措置を使う方は50㎡以上が必要です(登記簿上の床面積で判定します)
- 引き渡しまたは工事完了から6か月以内に入居し、その年の12月31日まで引き続き住んでいること
- 自分が主に住む家であること(店舗等併用住宅なら床面積の1/2以上が居住用)
- 入居した年分の確定申告をすること
ちなみに、勤務先から利率が年0.2%未満で借りたローンや、親族・知人からの借入金は対象外です(かつては「年1%未満」という基準でしたが、2017年(平成29年)1月1日以後に住み始めた場合は年0.2%未満が基準になっています)。
中古住宅の場合
中古住宅(既存住宅)については、かつての「築20年(木造以外は築25年)以内」という築年数の条件はすでに撤廃されています。ここが、古い情報のまま検討している方がいちばん誤解しやすいところです。
現在は、1982年(昭和57年)1月1日以後に建築された住宅であれば、新耐震基準に適合しているものとして扱われ、耐震性を示す書類は不要です。登記事項証明書で建築年を確認できれば手続きは進みます。
いっぽう、1982年1月1日以前に建築された住宅を買う場合は、現行の耐震基準を満たすことを示す次のいずれか1つが必要です。
- 耐震基準適合証明書
- 建設住宅性能評価書の写し
- 既存住宅売買瑕疵担保責任保険(瑕疵保険)の付保証明書
いずれも専門の機関に調査を依頼して取得します。耐震性に問題があれば証明書は発行されませんし、瑕疵保険も、床下の劣化など不具合が見つかれば補修してからでないと加入できません。築古の物件を検討するときは、この手続きに掛かる時間と費用を売買契約のスケジュールに織り込んでおきましょう。
借入限度額と控除期間は次のとおりです。
| 住宅の区分(既存=中古) | 借入限度額 | 控除期間 |
|---|---|---|
| 長期優良住宅・低炭素住宅 | 3,500万円(4,500万円) | 13年間 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円(4,500万円) | 13年間 |
| 省エネ基準適合住宅 | 2,000万円(3,000万円) | 13年間 |
| その他住宅 | 2,000万円 | 10年間 |
※カッコ内は子育て世帯・若者夫婦世帯の上乗せ額です。
中古住宅ならではの条件として、贈与によって取得した住宅は対象外、生計を一にする親族や特別な関係のある方からの取得も対象外という点もあります。「実家を親から買い取る」といったケースでは適用できないことがあるので、事前に確認しておいてください。
なお、宅地建物取引業者が一定のリフォームをしてから再販売した「買取再販住宅」は別の区分として扱われます。該当しそうな物件の場合は、売主の不動産会社と国土交通省のページで確認しましょう。
2026年(令和8年)入居分から、ここが変わりました
令和8年度の税制改正で、中古住宅を買う方にとって追い風になる見直しが行われました。おもな変更点は次のとおりです。
- 適用期限を5年延長(2026年1月1日〜2030年12月31日入居)
- 省エネ性能の高い既存住宅について、借入限度額を引き上げ、子育て世帯・若者夫婦世帯の上乗せを新設し、控除期間を13年に拡充(従来、中古は一律10年でした)
- 床面積要件を新築・既存とも40㎡以上に緩和(合計所得金額1,000万円超の方、子育て世帯等の上乗せを使う方は50㎡以上)
- 建築確認が2028年(令和10年)以降の省エネ基準適合住宅は適用対象外(登記簿上の建築日が2028年6月30日までは対象)
- 2028年(令和10年)以降に入居する場合、土砂災害特別警戒区域などの災害レッドゾーンに建てられた新築住宅は適用対象外(建替え・既存住宅・リフォームは対象)
つまり、「新築のほうが有利、中古は不利」という長年の構図は、省エネ性能を満たす中古住宅についてはかなり縮まったということです。中古を検討している方は、物件の省エネ性能がどの区分に当たるかを、売主や不動産会社に早めに確認しておくとよいでしょう。
手続きは「1年目」と「2年目以降」で違います
控除は自動では受けられません。入居した年分については、ご自身で確定申告をする必要があります。
おもな必要書類は、確定申告書、住宅借入金等特別控除額の計算明細書、住宅ローンの年末残高証明書、工事請負契約書や売買契約書の写し、登記事項証明書など。住宅の性能で控除額が変わる区分(長期優良住宅・ZEH水準など)の適用を受けるには、認定通知書や住宅省エネルギー性能証明書といった書類も追加で必要になります。これらは引き渡し前後に建築・分譲事業者へ依頼して取得するものが多いので、購入の打ち合わせの段階で「どの書類が必要か」を伝えておくのがコツです。
会社員の方は、2年目以降は年末調整で控除を受けられます。1年目だけ乗り切れば、あとは負担が軽くなります。
こんな思い込み、していませんか
- 「1%が10年間戻ってくる」……現在は0.7%、期間は住宅の性能によって13年または10年です。
- 「築25年を超えた中古はもう対象外」……築年数の条件は撤廃済み。1982年1月1日以後に建築された住宅なら耐震関係の書類は不要です。
- 「50㎡ないとダメ」……2026年入居分から新築・既存とも40㎡以上に緩和されています(所得1,000万円超の方などは50㎡以上)。
- 「新築ならどんな家でも使える」……いまは省エネ性能が問われます。区分によって借入限度額が大きく変わります。
- 「控除があるから、借りられるだけ借りたほうが得」……次の項でご説明します。
まとめ——「控除があるから多めに借りる」は、今の金利では通用しません
かつては「控除率1%より住宅ローンの金利のほうが低い」という状況があり、多めに借りて控除で得をする、という考え方が語られることがありました。しかし控除率が0.7%になり、金利も上昇した現在は、その前提が成り立ちにくくなっています。
実際、住宅金融支援機構が公表している【フラット35】の2026年8月資金受取分の金利(返済期間21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付き)は、最も多い金利で年3.290%です。控除率0.7%を大きく上回っています。
金利の先行きについても、日本銀行が2026年8月10日に公表した7月30・31日開催の金融政策決定会合の「主な意見」には、「引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことが適当」といった意見が並びました。ただしこれは各委員の意見であって決定ではなく、この会合では政策金利を1.0%程度で据え置いています。先行きを断定することはできませんが、「控除があるから借入額を増やす」という発想はいったん脇に置き、無理のない借入額を先に決める——これが、いまの環境で失敗しにくい考え方です。
その意味で、手元に余裕ができたときに繰上返済しやすいかどうかも、金融機関選びの大事な観点になります。たとえばSBI新生銀行の住宅ローンは、一部繰上返済手数料が0円で、保証料も0円、一般団信の上乗せもありません。事務取扱手数料は借入金額×2.20%(税込)の定率型です。控除期間が終わったあとに繰上返済で利息を減らしていく、といった進め方を考えている方には相性のよい選択肢のひとつでしょう。
最後にひとつ。住宅ローン控除の要件は数年ごとに見直されます。ご自身が該当するかどうかは、必ず国土交通省・国税庁の最新の案内でご確認ください。判断に迷う場合は、お住まいの地域を所管する税務署に相談するのが確実です。

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