HOME > すべての記事 > 中古物件の購入 > 中古物件の売却理由はなぜ重要?告知のルールと交渉のコツ

中古物件の売却理由はなぜ重要?告知のルールと交渉のコツ

中古物件の購入を検討する時、ふと疑問に思うことがあります。それは「なぜ売却するのだろう?」という疑問です。

売却理由によっては、購入した後で「そんな事情があるのだったら購入していなかった」などということにもなり兼ねません。逆に、売却理由がわかると価格や引渡し条件の交渉がぐっと進めやすくなることもあります。今回は、中古物件の売却理由に関して、注意すべきことと聞き方のコツをまとめました。

売却理由によっては買主に告知する必要がある

例えば、その物件内で事件や事故があったり、近隣に公序良俗に反する組織・団体が存在する場合には、買主が契約するかどうかの判断に重要な影響を及ぼすため、売主や不動産会社から説明を受けられるべき事柄になります。

そのような、物件を取り巻くマイナスとなり得る事情のことを、実務では「心理的瑕疵(しんりてきかし)」と呼びます(かつては「精神的瑕疵」という言い方もされていました)。宅地建物取引業法第47条では、買主の判断に重要な影響を及ぼす事項について、宅地建物取引業者が故意に事実を告げない、または事実でないことを告げる行為が禁じられています。

もし、そうした事実を隠されたまま契約してしまった場合は、事情によって、契約の解除や損害賠償、代金の減額などを求められることがあります。なお、2020年4月の民法改正により、以前の「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」という呼び方に変わりました。引き渡された物件が契約の内容に適合していないときに、買主が修補・代金減額・損害賠償・契約解除を求められる、という考え方です。

一方で、買主が事前に事実を知ったうえで納得して契約した場合は、それは「契約の内容」に織り込まれたことになるため、あとからその点を理由に契約不適合を主張することはできません。だからこそ、契約の前に説明を受け、納得できるかどうかを自分で判断することが大切なのです。

「人の死」の告知は国のガイドラインで整理されている

売却理由の中でも判断に迷いやすいのが、その部屋で過去に人が亡くなっているケースです。以前は不動産会社ごとに対応がバラバラでしたが、国土交通省が2021年(令和3年)10月に「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を策定し、考え方が整理されました。対象は住宅として使われる不動産(居住用不動産)です。

ケース 売買での扱い(原則) 補足
老衰・病死などの自然死 告げなくてよい 自宅での死因の約9割が老衰・病死という統計が根拠
日常生活の中での不慮の死(階段からの転落、入浴中の溺死・転倒、食事中の誤嚥など) 告げなくてよい 自然死と同様の扱い
上記であっても、長期間放置され特殊清掃や大規模リフォームが行われた場合 告げる必要がある 買主の判断に重要な影響を及ぼし得るため
隣の住戸や、日常生活で通常使用しない共用部分での事案 告げなくてよい 事件性・周知性・社会的影響が特に高い事案は除く
上記以外の事案 判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合は告げる 発生時期・場所・死因・特殊清掃等の有無を告げる

ここでよく誤解されるのが「3年たてば告げなくてよい」という話です。ガイドラインを読むと、この「おおむね3年」という目安は賃貸借取引についての整理であり、売買取引には期間による例外は設けられていません。中古住宅を買う立場なら、「3年たったから説明されない」ということにはならない、と理解しておきましょう。

そして、買主にとっていちばん心強いのが次の点です。ガイドラインでは、事案の発覚から経過した期間や死因にかかわらず、買主から事案の有無について問われた場合には、調査で判明した点を告げる必要があるとされています。つまり、気になるなら遠慮せずに聞けばよいのです。「告知事項に該当することはありますか」と一言たずねるだけで構いません。

なお、宅地建物取引業者には自発的に調べ回る義務まではなく、通常は売主に「告知書(物件状況等報告書)」への記載を求めることで調査を行います。また、亡くなった方やご遺族の名誉と生活の平穏に配慮する観点から、氏名・年齢・家族構成や具体的な死の様子までは告げる必要がないとされています。

売却理由が「買い替え」「転勤」の場合は、交渉が有利になることも

売主がマンションから一戸建てに買い換えるとか、転勤による売却の場合は、次の住居に引っ越すタイミングが決まっていることが多いため、売主の心理としては、早く売却したいと考えるのが一般的です。

これは、買主側にとっては、かっこうの交渉材料となります。なぜなら、売主にとっては売却金額も重要ですが、売却時期も同じかそれ以上に重要と言えるからです。ですから「契約と残代金支払いをできるだけ早く進めるから、○○万円で売却して欲しい」と言った交渉が有効となるケースが多いのです。

ここで買主側に求められるのが、「本当に早く進められる状態になっているか」です。売主が価格を譲る代わりに期待しているのはスピードですから、住宅ローンの事前審査が済んでいない、資金計画が固まっていない、という状態では説得力がありません。交渉のカードは「現金」ではなく「確実性とスピード」だと考えると、準備すべきことが見えてきます。

「○月○日以降の引渡しが条件」という物件の場合

前述と少し違ったケースで、売却条件が○月○日以降という期日を指定する物件があります。これは、「転勤の内示が出ていて、その期日に引渡しをしたい」とか、「注文住宅を新築していて、完成するのがその期日」と言った理由からです。

この場合は、売主に多少の時間的な余裕があるため、条件交渉が難しくなります。でも、もし気に入った物件であれば、チャレンジをしてみる価値はあります。

例えば、引渡し期日を承諾する代わりに、ハウスクリーニングを条件とするとか、家や敷地内にある家財(屋根付きカーポート、物置、遊具、カーテン、照明器具など)をそのまま譲って欲しいと言った内容なら、交渉の余地はあるかも知れません。これらの家財は、購入すれば相当な金額になるため、購入資金の節約にもなります。

ただし、譲り受けるものは必ず「付帯設備表」などの書面に、品目と状態を明記してもらうようにしましょう。「置いていってもらったエアコンが動かなかった」というトラブルは実際によくあります。引き渡し後に故障が見つかったときの責任をどうするかまで決めておけば、あとで気まずい思いをせずにすみます。逆に、不要なものまで置いていかれると自分の費用で処分することになるので、「残すもの・撤去してもらうもの」を1つずつ確認しておくと安心です。

交渉の前に、住宅ローンの準備を整えておく

売却理由を聞き出せても、こちらの準備が整っていなければ交渉は前に進みません。順番としては、①毎月無理なく返せる額を決める → ②借入額と物件価格の上限を出す → ③住宅ローンの事前審査を受けておく → ④交渉に入るという流れが安心です。

事前審査が通っていれば、売主に「この人となら確実に進む」という安心感を与えられますし、値引き交渉の場面でも説得力が違います。価格交渉で数十万円を粘るより、住宅ローンの条件を整えるほうが総支払額への影響は大きいことも珍しくありません。金利が年0.100%違うだけで、3,000万円・35年の借り入れなら利息は数十万円単位で変わってきます。

住宅ローンは金融機関ごとに金利も諸費用も異なります。たとえばSBI新生銀行は、保証料と一部繰上返済手数料が0円、事務手数料は借入金額の2.20%(税込)で、上乗せ0円の全疾病保障付団信を選べるなど、諸費用と保障の条件がわかりやすい住宅ローンです(2026年8月時点・公式サイトにて確認)。物件を探しながら、金利・諸費用・団信の3点セットで比べておくと、いざ交渉というときに迷いません。

よくある質問

Q. 売却理由は必ず教えてもらえるのですか?
売主のプライバシーに関わるため、「個人的なご事情で」としか説明されないこともあります。ただし、買主の判断に重要な影響を及ぼす事情であれば説明の対象になります。気になることは具体的に質問し、回答は書面や記録に残しておきましょう。

Q. 「告知事項あり」と書かれた物件は避けたほうがいいですか?
一概には言えません。内容は事案によってまったく違うので、まずは中身を確認してから判断することが大切です。価格が相場より低く設定されていることもありますが、将来売却するときにも同じ説明が必要になり得る点は考慮しておきましょう。

Q. 契約したあとに事実を知ったら、解約できますか?
事情によります。国のガイドラインは、契約後・引渡しまでに知った場合にも告知義務があるとした裁判例に触れています。実際に解除や損害賠償が認められるかは個別の事案によって判断されるため、気づいた時点で早めに不動産会社と、必要に応じて専門家に相談してください

Q. 値引き交渉はどのくらいが目安ですか?
物件や売り出しからの期間によって事情が異なるため、決まった相場はありません。無理な指値は交渉そのものを打ち切られる原因にもなります。金額だけでなく、引渡し時期・残置物・ハウスクリーニングなど、金額以外の条件もあわせて提案すると話がまとまりやすくなります。

Q. 売主が個人か不動産会社かで、何が変わりますか?
不動産会社が売主の場合、宅地建物取引業法により、契約不適合責任について「引渡しの日から2年以上」とする特約を除いて買主に不利な特約は無効とされ、一定の保護があります。個人が売主の中古物件では、期間を短くしたり免責としたりする特約が付くこともあるため、契約書の該当条項を必ず確認してください。

売却理由を聞き出すことによって、様々な条件交渉の道が開けてきます。ぜひ皆さんも試して頂ければと思います。そして、聞きにくいことこそ、契約の前に確認しておくのがいちばんの安全策です。なお、制度や取り扱いは変わることがありますので、最新の情報は国土交通省や各不動産会社の公式情報でご確認ください。

地方銀行との圧倒的な金利差!借入れ・借換えした後もお得♪

イオン銀行は、ネット申込と店頭相談の両方が可能なハイブリッド型!
金利以外のお得なサービスも充実しているため、生活費の節約もできます。

イオン銀行住宅ローンはここがお得!

  • 疾病保障付住宅ローンは2つの特約付きでさらに安心
  • 保証料0円!負担になる諸費用を大幅節約
  • 一部繰上げ返済手数料0円!借り入れ後もお得に返済

詳細&お申込みはこちら

中古物件の購入関連記事