- 公開日: 2026.08.11
- 中古物件の購入
中古マンションの購入資金はいくら必要?諸費用と頭金の目安

マンションを買おうと思ったとき、費用面から中古マンションを候補に入れる方はとても多いです。実際、住宅金融支援機構の「2024年度【フラット35】利用者調査」では、中古住宅(中古戸建・中古マンション)の利用割合が前年度から7.4ポイント増えて34.8%となり、そのうち中古マンションは14.3%を占めました。中古を選ぶ人は、確実に増えています。
とはいえ、いちばん気になるのは「結局、いくら用意しておけば安心なのか」というところではないでしょうか。今回は、物件価格の話だけで終わらせず、諸費用・住み始めてからの費用・住宅ローンの組み方まで、順番に見ていきましょう。

告示の区分(200万円以下5.5%/200万円超400万円以下4.4%/400万円超3.3%・いずれも税込)で計算した上限額です。実際の金額は不動産会社との合意により決まります。
なお、2024年(令和6年)7月1日から、価格800万円以下の「低廉な空家等」については、上限が30万円×1.1=33万円(税込)まで引き上げられました。低価格帯の物件を探している方は、この特例が適用されると手数料が原則の計算より高くなることがある、と知っておいてください。上限を超えて受け取る場合は、媒介契約の締結時にあらかじめ説明と合意が必要とされています。
中古マンションのメリットとは
マンションには新築と中古の2種類があるわけですが、中古マンションのメリットは、販売価格が新築と比較すると安い点にあります。 また、中古マンションのメリットは値段だけではなく、駅から近いなどの利便性が良い物件、専有面積が広い物件などがある点も挙げられます。 とくに、駅から近いマンションを購入したい方の場合、新築のマンション物件ともなると高額であり、予算に合わないケースもあります。駅から近くて値段がお手頃でも、間取りが少ない、専有面積が狭いなどの理由で購入対象とならないケースもあります。その点、中古マンションは利便性が高い場所でもリーズナブルな価格で購入できるというメリットがあります。 もうひとつ、見落とされがちな中古ならではの利点があります。実物を見て買えるということです。日当たり、眺望、共用部の清掃状態、駐輪場の使われ方、掲示板の貼り紙——こうしたものは図面には出てきません。「建物」だけでなく「管理」も一緒に買うのがマンションだと考えると、内見の見どころが変わってきます。築年数に応じて価格が変わります
中古マンションは築年数に応じて価格が異なります。 そもそもマンションというのは共同住宅であり、購入するのは専有部分(お部屋)の所有権と、建物の共用部分・敷地に対する共有持分です。敷地の持分は、原則として専有部分の床面積の割合に応じて定められます(規約で別に定められている場合もあります)。 一戸建て住宅の場合は土地も建物もすべて自分のものなので、建て替えるかどうかは所有者の一存で決められます。一方マンションは共同住宅ですから、建替えなどは区分所有者による決議が必要になります。 ここは古い情報が出回りやすいところなので、正確にお伝えします。建替えに「全員の同意」は必要ありません。区分所有法では多数決による決議で建替えができる仕組みになっており、さらに2026年(令和8年)4月1日に改正区分所有法が施行されました。改正法では、建物・敷地の一括売却、一棟リノベーション、建物の取壊しなども、建替えと同様に多数決決議(原則5分の4)で可能になり、耐震性不足等の場合は4分の3、政令指定災害により被災した場合は3分の2と要件が定められています。あわせて、修繕など区分所有権の処分を伴わない事項の決議は集会の出席者の多数決で行えるようになりました。 つまり、「古いマンションは何も決められない」という前提そのものが変わりつつあるということです。とはいえ制度は複雑なので、個別の判断は法務省・国土交通省の資料や専門家にご確認ください。 築10年のマンションと築30年、中には築50年近い物件もありますが、部屋の状況などに応じても価格が異なるのが中古マンションの特長といえます。ちなみに前述の調査では、【フラット35】を使って買われた中古マンションの平均築後年数は30.3年(前年度+1.6年)で、長期化の傾向が続いています。実際にいくら用意している?——調査でみる中古マンションの資金
具体的な数字を見てみましょう。同じく2024年度【フラット35】利用者調査(2024年4月〜2025年3月に承認された、借換えを除く27,523件が対象)によると、中古マンションの所要資金は平均3,033万円、【フラット35】の融資金は平均2,365万円でした。 差額のおよそ668万円が、借入れ以外で用意された部分の目安になります(他のローンを併用した分が含まれる場合もあります)。参考までに、同調査の利用者の平均世帯年収は669万円でした。 もちろんこれは全国平均です。物件価格は地域差がとても大きいので、「自分が買いたいエリアの相場」で考えるのが大前提。ここでは「物件価格の全額をローンで借りている人ばかりではない」という感覚だけ持ち帰っていただければ十分です。資金は「物件価格」だけではありません——諸費用の中身
中古マンションの購入では、物件の代金のほかに諸費用がかかります。ここを見落とすと、契約直前に慌てることになります。主なものを整理しておきましょう。| 費用の種類 | 何のお金か | 押さえておきたい点 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 不動産会社に支払う媒介の報酬 | 国土交通大臣の告示で上限が決まっています(下記参照) |
| 登記費用 | 登録免許税+司法書士報酬 | 所有権移転登記と、住宅ローンの抵当権設定登記の2つが必要です |
| 融資事務手数料・保証料 | 住宅ローンを借りるための費用 | 金融機関により定額型・定率型など仕組みが異なります |
| 印紙税 | 売買契約書・金銭消費貸借契約書に貼る印紙 | 契約金額によって決まります |
| 火災保険料 | 建物の火災保険(住宅ローンの要件になることも) | 【フラット35】では返済終了まで火災保険への加入が必要です |
| 精算金 | 固定資産税・都市計画税、管理費・修繕積立金の日割り精算 | 引渡し日を基準に売主と分け合います |
仲介手数料には上限があります
仲介手数料は「言い値」ではありません。宅地建物取引業者が受け取れる報酬の額は国土交通大臣の告示で上限が定められており、依頼者の一方から受け取れる金額は、売買代金を区分してそれぞれの割合を掛けた合計額(税込で200万円以下の部分5.5%+200万円超400万円以下の部分4.4%+400万円超の部分3.3%)以内です。物件価格ごとの上限額は次のとおりです。
住み始めてからの費用も「資金計画」に入れる
マンションで見落とせないのが、毎月かかる管理費と修繕積立金です。これは住宅ローンとは別に、ずっと払い続けるお金です。- 修繕積立金は将来上がることがある……多くのマンションが段階的に値上げする計画を組んでいます。「いまの金額」だけで家計を組まないことが大切です。
- 長期修繕計画と積立金の残高を必ず確認する……売主や仲介会社を通じて管理組合の「重要事項調査報告書」を取り寄せてもらえます。修繕積立金が計画に対して不足していると、将来の一時金負担につながります。
- 固定資産税・都市計画税……毎年かかります。中古でも、築年数によっては軽減措置の対象になることがあります。
- 駐車場・駐輪場の使用料……敷地内でも別途かかるのが一般的です。
中古マンションで住宅ローンを組むときのポイント
「中古だと借入期間が短くなるのでは」と心配される方が多いのですが、【フラット35】では新築か中古かで借入期間の上限が変わる仕組みにはなっていません。借入期間は15年以上(申込みご本人または連帯債務者が満60歳以上の場合は10年以上)で、「80歳-申込時の年齢」と35年のいずれか短いほうが上限です。借入額は100万円以上1億2,000万円以下で、購入価額の範囲内。保証料と繰上返済手数料はかかりません(2026年4月1日現在の条件)。 ただし、マンションの場合は床面積が30平方メートル以上という要件があります。コンパクトな物件を検討している方は、専有部分の登記面積を必ず確認してください。 金利面で押さえておきたいのが、融資率(購入価額に対する借入額の割合)が9割を超えると金利が一段上がるという点です。【フラット35】の2026年8月資金受取分・新機構団信付きで最も多い金利は、借入期間21年以上35年以下の場合、融資率9割以下が年3.290%、9割超が年3.400%でした。7月から上昇しており、金利が上がると同じ返済額で借りられる元本は小さくなります。頭金を1割用意できるかどうかは、この点でも意味があります。 さらに、中古住宅を買う方向けの金利引下げメニューもあります。【フラット35】中古プラスは、一定の基準を満たした中古住宅を購入する際に当初5年間、借入金利を年0.25%引き下げる制度です。予算金額があり、達する見込みになると受付が終了するほか、借換融資には利用できず、【フラット35】維持保全型との併用もできません。利用を考えるなら、早めに取扱金融機関へ相談しておくとよいでしょう。具体的に考えてみましょう
たとえば1,800万円のマンションを購入する場合、頭金が1,000万円あるのであれば住宅ローンの融資額は800万円で済みますが、頭金がゼロの場合には1,800万円のローンを組むことになります。 1,800万円を借りたとき、月々の支払額がいくらになるのか——これは金融機関の返済シミュレーションで簡単に確かめられます。借入額・金利・返済期間・ボーナス払いの有無を入れるだけで、月々の返済額と総返済額がその場でわかります。 このとき、ぜひ2つの条件で試してみてください。①いまの金利で計算する ②金利が1%高い前提でも計算する——この2つを比べておくと、「金利が動いても大丈夫な借入額」が見えてきます。 そして、資金はマンションを買うときの物件価格だけではなく、前述の登記費用や仲介手数料といった諸費用もあるので、これらの費用も含めて考えておく必要があります。よくある質問(FAQ)
Q. 諸費用も住宅ローンに含められますか? 金融機関によっては、諸費用を借入れに含められる商品があります。ただし借入額が増えれば総返済額も増えますし、【フラット35】では融資率が9割を超えると金利が上がります。含められるかどうかと、含めるべきかどうかは別の話として考えてください。 Q. 築30年を超えるマンションでも住宅ローンは組めますか? 築年数だけで一律に不可となるわけではありませんが、金融機関によって担保評価の考え方は異なります。耐震性、管理状況、修繕積立金の積立状況が見られることが多いため、気になる物件が見つかったら、早い段階で金融機関に相談しておくと安心です。 Q. 内見のときに、管理の良し悪しはどこで見分けられますか? ゴミ置き場と駐輪場、そしてエントランスの掲示板が分かりやすい目安です。加えて、書類の面では長期修繕計画があるか、大規模修繕の実施履歴、修繕積立金の残高、滞納の有無を確認しましょう。仲介会社を通じて管理会社に照会してもらえます。 Q. リノベーション費用も一緒に借りられますか? 物件購入費用とリフォーム費用をまとめて借りられる住宅ローンを扱う金融機関があります。リフォーム専用ローンより金利が低く、期間も長くとれるのが一般的です。物件を決める前に、この点も含めて相談しておくと選択肢が広がります。 Q. 手元の貯金は全部つぎ込んでよいですか? おすすめしません。生活費の半年分程度と、引越し・家具家電の費用は必ず残しておきましょう。入居後に予定外の出費が重なると、せっかくの新生活が窮屈になってしまいます。まとめ
中古マンションの資金計画は、①物件価格 ②諸費用 ③住み始めてからの費用の3階建てで考えると、ぐっと現実的になります。物件価格ばかりに目が向きがちですが、後ろの2つを含めて初めて「安心して住み続けられるか」が見えてきます。 そして、住宅ローンは金融機関ごとに条件がかなり違います。たとえばSBI新生銀行は、保証料と一部繰上返済手数料が0円、上乗せ0円の一般団信のほか全疾病保障付団信も用意されており、諸費用まで含めた全体像を見積もりやすいのが特徴です。店舗での相談とオンライン手続きの両方に対応しているので、はじめて中古マンションを購入する方が疑問をつぶしながら進めやすい選択肢のひとつといえます。 金利・手数料・申込条件は変わることがあります。最新の内容は各金融機関の公式サイトでご確認のうえ、いくつかを並べて比べてみてください。
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