- 公開日: 2026.07.15
- 住宅ローンガイド
住宅ローンでマイホームを買うメリット・デメリット|初心者向けにやさしく解説

マイホームは、人生でいちばん高い買い物と言われます。数千万円という金額を一度に用意できる方は多くないため、実際には住宅ローンを利用して購入するケースが大半です。
前回の記事では現金一括で購入する場合のメリットとデメリットを解説しました。ここでは改めて、住宅ローンを利用してマイホームを買うメリットとデメリットを、これから初めて借りる方にもわかるように整理してご紹介します。「借りるのが怖い」「損をしないか不安」という方こそ、良い面と注意点の両方を知っておくことが、納得できる住まい選びの第一歩になります。
住宅ローンを利用してマイホームを購入するメリットは、大きく次の5つです。特に、手持ちの現金が少なくても購入できる点は、多くの方にとって決定的な利点になります。
一方でデメリットも4つあります。なかでも毎月の返済が長期間続くこと・金利を負担すること・収入減少のリスクは、借りる前にしっかり向き合っておきたいポイントです。

実際に住宅ローンを借りた人の4人に3人が変動型を選んでいます(2026年1月調査)。
手元資金に余裕がある方でも、「全額一括」ではなく「一部を頭金にしてローンを組む」という選択肢があります。住宅ローン控除や団信のメリットを受けつつ、手元の現金も残せるためです。ただし控除額と利息負担のどちらが大きいかは、借入額・金利・入居年の制度によって変わります。迷う場合は、金融機関やファイナンシャルプランナーに具体的な数字で試算してもらうと判断しやすくなります。
現状の生活や今後のライフイベントを見据えて賢く利用する
住宅ローンは、住宅の購入資金を先に借り入れる仕組みです。当然ながら毎月決められた返済額を、利息(金利)とあわせて返済していく必要があります。 「できればあまりお金を借りたくない」と考える方も多いですが、前回の記事でも触れたとおり、現金一括での購入にも一長一短があります。もちろん住宅ローンを利用することにも、良い面と気をつけたい面の両方があります。 大切なのは、今の家計・ご家族の状況・これから起こるライフイベント(出産、教育、車の買い替え、親の介護、老後資金など)でいくらお金が必要になるかを見渡したうえで、購入方法と借入額を決めることです。「借りられる額」と「無理なく返せる額」は別物だ、と覚えておいてください。住宅ローンを利用する5つのメリット
住宅ローンを利用してマイホームを購入するメリットは、大きく次の5つです。特に、手持ちの現金が少なくても購入できる点は、多くの方にとって決定的な利点になります。
手持ちの現金が少なくても購入できる
最大のメリットは、手持ちの現金が少なくてもマイホームを購入できる点です。 住宅購入は数千万円規模の買い物ですから、現金一括で買おうとすると、資金を貯めるだけで長い年月がかかります。その間の家賃も出ていきます。手元に十分な現金がある方でも、一括購入をすれば貯蓄が大きく減り、万一のときに動けなくなるリスクがあります。マイホームの夢をすぐに叶えることができる
金融機関からお金を借りることで、マイホームの夢を早く叶えることができるのもメリットです。 現金一括では購入資金がそろうまで待たなければなりませんが、住宅ローンを使えば「住みたい時期」に住み始められます。お子さまの入学時期に間に合わせたい、といったご家庭の事情に合わせやすいのも、借入ならではの利点です。住宅ローン控除など税優遇制度が適用できる
住宅ローンを利用すると、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)という税優遇制度が使えます。年末時点のローン残高に応じた額が、所得税(引ききれない分は住民税の一部)から差し引かれる仕組みで、現金一括ではこの制度を使えません。 制度の基本は次のとおりです(2026年7月時点・国土交通省/国税庁の公表内容)。- 控除率は年末ローン残高の0.7%、控除期間は新築住宅で原則13年(既存住宅は原則10年、ただし省エネ性能の高い既存住宅は13年に拡充)。
- 令和8年度税制改正により、適用期限が5年延長され、2026年(令和8年)1月1日~2030年(令和12年)12月31日に入居した場合が対象になりました。
- 借入限度額は住宅の省エネ性能(長期優良住宅・低炭素住宅・ZEH水準・省エネ基準適合)と、子育て世帯・若者夫婦世帯かどうかで変わります。
- 床面積要件は40㎡以上に緩和(合計所得金額1,000万円超の方や、子育て世帯等への上乗せ措置を使う方は50㎡以上)。
- 返済期間が10年以上あること、住宅の引渡し・工事完了から6か月以内に入居することなども条件です。
団体信用生命保険(団信)で万一に備えられる
住宅ローンを組むと、多くの場合団体信用生命保険(団信)に加入します。契約者が亡くなったり所定の高度障害状態になったりした場合に、保険金でローン残高が完済され、ご家族に住まいと「返済のない暮らし」が残る仕組みです。 現在は、一般団信の保険料を金利に上乗せせず0円で付けられる金融機関が主流です。ガン保障や全疾病保障などを上乗せ0円または低い上乗せで用意する銀行も増えています。すでに生命保険に入っている方は、団信と保障が重なる分を見直すことで、既存の生命保険料を節約できる可能性もあります。 ただし団信は健康状態によっては加入できないことがある点に注意が必要です(【フラット35】は団信への加入が任意で、加入しない場合は借入金利が引き下げられます)。保障内容と条件は銀行ごとに異なるため、必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください。手元にある程度の現金を残しておくことができる
住宅ローンを使えば頭金や諸費用の分は必要になるものの、手元にある程度の現金を残しておけるのも見逃せない利点です。 住宅購入後は、家具・家電の買い替え、引っ越し、固定資産税、修繕費など、思いのほか出費が続きます。教育費や急な病気に備える生活防衛資金(生活費の半年〜1年分が目安とされます)を残しておけると、今後のライフイベントにも慌てず対応できます。住宅ローンを利用する4つのデメリット
一方でデメリットも4つあります。なかでも毎月の返済が長期間続くこと・金利を負担すること・収入減少のリスクは、借りる前にしっかり向き合っておきたいポイントです。
毎月返済をしていく必要がある
住宅ローンは購入資金を借りている以上、決められた期日に、決められた額を返し続ける必要があります。35年ローンなら、返済は35年間続きます。 だからこそ、毎月の生活費や貯蓄目標を把握したうえで返済計画を立てることが欠かせません。「今の家賃と同じくらいだから大丈夫」と考えるのは危険で、購入後は固定資産税・修繕費・管理費(マンションの場合)などが上乗せされます。金利(利息)を支払う必要がある
住宅ローンでは、お金を借りる対価である金利(利息)を上乗せして支払います。借入額が同じでも、金利が違えば総返済額は数百万円単位で変わります。 さらに近年は金利が動く局面に入っています。日本銀行は2026年6月に政策金利を1.0%程度へ引き上げており、【フラット35】の金利(借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付き)は2026年7月時点で年3.140%です。変動金利型を選んだ場合、市場金利の上昇に伴って返済額が増える可能性があることは、必ず理解しておきましょう。 変動型には「5年ルール」「125%ルール」がある商品もあります。これは金利が上がってもすぐには毎月返済額が変わらない(変わっても直前の1.25倍まで)という仕組みですが、払う利息そのものが減るわけではありません。ルールの有無・内容は金融機関や商品によって異なるため、契約前に必ず確認してください。金利は随時改定されますので、最新の適用金利は各金融機関の公式サイトでご確認ください。
収入が減少した場合返済できないリスクがある
長期間の返済が続くなかで、転職・病気・会社の業績悪化などにより収入が減ると、返済が難しくなるリスクがあります。ローンを抱えていると、いざというときに住み替えや転居などの身動きが取りにくくなる面もあります。 対策としては、借入額を「借りられる上限」ではなく「無理なく返せる額」にとどめること、団信の保障内容を確認しておくこと、手元に生活防衛資金を残しておくことが基本になります。住宅購入やローンの契約に時間とコストを要する
住宅ローンを利用する際は、物件の売買契約に加えてローンの契約手続きも必要です。そのため手続きの時間に加え、諸費用がかかります。 代表的な諸費用は、融資事務手数料(借入額の2.20%(税込)といった定率型が多い)、保証料、印紙税、登記費用、火災保険料などです。住宅ローンは誰でも利用できるわけではなく、金融機関の審査に通らなければ利用できない点も、契約上のハードルといえます。審査に落ちると、時間と手間が余分にかかることにもつながります。現金一括と住宅ローン、どちらが向いている?
「現金があるなら一括のほうが得では?」と迷う方も多いので、判断のヒントを表にまとめました。どちらが正解ということはなく、手元資金・年齢・収入の安定度・税優遇の使い方によって答えが変わります。| 比較の観点 | 住宅ローンを利用 | 現金一括で購入 |
|---|---|---|
| 購入までの時間 | 資金がそろう前でも購入できる | 必要額を貯めるまで待つ必要がある |
| 手元資金 | まとまった現金を残せる | 手元資金が大きく減る |
| 利息の負担 | 金利分の利息がかかる | 利息はかからない |
| 住宅ローン控除 | 要件を満たせば利用できる(控除率0.7%) | 利用できない |
| 万一への備え | 団信でローン残高が完済される場合がある | 団信は利用できない(生命保険等で備える) |
| 審査・諸費用 | 審査あり。事務手数料等の諸費用が必要 | ローン審査・ローン関連費用は不要 |
借りる前に踏みたい3つのステップ
初めての方は、次の順番で考えると迷いにくくなります。ステップ1:返せる額から逆算する
まず「毎月いくらなら無理なく返せるか」を決めます。現在の家賃+住宅のために貯蓄している額を目安にしつつ、購入後に増える固定資産税・修繕費・管理費を差し引いて考えるのがコツです。そこから借入可能額を逆算すると、物件価格の上限が見えてきます。ステップ2:金利タイプを理解して選ぶ
金利タイプは大きく変動型・固定期間選択型・全期間固定型の3つです。住宅金融支援機構の調査(2026年1月調査)では、実際に借りた方の75.0%が変動型を選んでいますが、「多数派だから安心」ではありません。金利が上がったときに返済額が増えても耐えられるかどうかが判断軸です。返済額を確定させたい方には全期間固定型(【フラット35】など)が向きます。ステップ3:金利だけでなく「総コスト」で比べる
金利の低さだけで選ぶと、事務手数料・保証料・団信の上乗せ分で逆転することがあります。同じ借入額・同じ期間で、「総返済額+諸費用」をそろえて比較してください。仮審査は複数の金融機関に申し込めますので、条件を並べて比べるのが安全です。住宅ローンのよくある質問
Q. 頭金がないと住宅ローンは組めませんか?
頭金なし(フルローン)に対応する金融機関もありますが、頭金を入れたほうが借入額と利息負担は軽くなります。【フラット35】のように、融資率(購入価額に占める借入額の割合)が9割以下か9割超かで金利が変わる商品もあります。手元資金をすべて頭金に回さず、生活防衛資金を残すことも忘れないでください。Q. 借入額はどう決めればよいですか?
金融機関が示す「借入可能額」は上限であって、適正額ではありません。「毎月いくらなら返せるか」から逆算し、教育費や老後資金とぶつからない水準に抑えるのが基本です。ボーナス返済に頼りすぎない計画にしておくと、収入が変動しても耐えやすくなります。Q. 住宅ローン控除は誰でも受けられますか?
いいえ。返済期間が10年以上あること、床面積などの要件を満たすこと、入居年に応じた住宅の省エネ性能を満たすことなどが必要です。入居する年によって借入限度額・控除期間が変わるため、購入前に国土交通省の最新情報と、販売会社・金融機関への確認をおすすめします。Q. 途中で繰り上げ返済はできますか?
多くの金融機関で可能です。ネット手続きなら一部繰上返済の手数料が0円という銀行も増えています(手数料や最低金額は金融機関により異なります)。ただし、繰り上げ返済に回しすぎて手元の現金が不足すると本末転倒です。教育費などの予定と相談しながら進めましょう。Q. 健康に不安があると借りられませんか?
団信に加入できない場合でも、【フラット35】は団信への加入が任意のため、加入せずに借りる選択肢があります(その場合は借入金利が引き下げられます)。引受条件を緩和した「ワイド団信」を扱う金融機関もあります。取扱いの有無や条件は各金融機関の公式サイトでご確認ください。まとめ:不安をひとつずつ小さくしてから借りる
住宅ローンは「借金」というより、手元の現金を守りながら、税優遇と保障(団信)を味方につけてマイホームを手に入れるための道具です。一方で、長期の返済・利息の負担・収入減少のリスクという現実もあります。良い面と注意点を両方知ったうえで、返せる額から逆算して借りる——これが失敗しないための一番の近道です。 実際に金融機関を比べるときは、金利だけでなく諸費用・団信の内容・手続きのしやすさまで含めて見てください。たとえばSBI新生銀行の住宅ローンは、保証料と一部繰上返済手数料が0円で、一般団信・全疾病保障付団信を金利の上乗せなしで付けられるなど、費用と保障のわかりやすさに特徴があります。店舗での相談とオンライン手続きの両方に対応している点も、初めての方には心強いところです(融資事務手数料は借入金額×2.20%(税込)の定率型です)。もちろん最適な1本は人によって違いますので、複数の金融機関を同じ条件で比べたうえで選んでください。 ※本記事の内容は2026年7月時点の公表情報にもとづきます。金利・手数料・団信の内容・税制の要件は変更されることがあります。最新の適用金利や取扱い状況は、必ず各金融機関・公的機関の公式サイトでご確認ください。
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