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賃貸住宅における「普通借家契約」と「定期借家契約」の違いを解説

ご自身が所有している物件を賃貸住宅として借家にする場合、借家契約の方式として「普通借家契約」と「定期借家契約」の2つがあります。転勤などでマイホームを一時的に借家として提供する場合の他、賃貸併用住宅を建てる場合などにおいて、あらかじめポイントを知っておく必要があります。

今回は、「普通借家契約」と「定期借家契約」の概要と違いを解説します。

「普通借家契約」と「定期借家契約」のどちらかを選ぶ

前回の2019年3月18日の記事にて、転勤などでマイホームを賃貸住宅として一時的に提供する場合における確認ポイントでもお伝えしましたが、ご自身が所有している物件を賃貸住宅として提供する場合「普通借家契約」と「定期借家契約」のどちらかの契約形態を選択する必要があります。

賃貸住宅として提供する場合、一定期間不在となるのか、もしくは、戻ってくる時期は未定なのか、または、戻ってくる時期は空いたタイミングで良いと考えるかなど、状況に応じて契約形態を選ぶ必要があります。

例えば、転勤や親族の都合で引っ越すが、戻ってくる時期は未定であり、入居者が退去したタイミングとご自身のご都合があったタイミングであれば戻りたいという場合は「普通借家契約」を、住まない時期が5年など一定期間決まっている場合は「定期借家契約」を選択するのが良いと言えます。

一般的な賃貸住宅の契約形態である「普通借家契約」

普通借家契約は、一般的な市場で提供されている賃貸住宅の契約形態の大半が「普通借家契約」で提供されています。普通借家契約は、契約期間は1年以上であれば任意で設定できますが、基本的には2年契約が大半で、入居者が希望すれば2年毎に更新して、期限を定めることなく住み続けることができます。

普通借家契約では、入居者が借り続けたいという意向を示せば、継続的に借家として提供することができます。ただし、所有者の都合で退去を求める場合は正当な理由が無い限り認められないことが多く、原則として入居者の意向が優先されます。

例えば、転勤で借家として提供したが、2年後に元の勤務先に戻ってきたので、退去してほしいと依頼しても、入居者がそのまま継続して住み続けたいといった場合、ご自身は購入したマイホームに住むことはできず、近くに賃貸住宅を借りるなどして、別途住宅を手配することになります。

ただし、賃貸併用住宅など部屋の一部を賃貸住宅として提供する場合は、すでに他人に貸すことを前提としていますので、普通借家契約として賃貸住宅を提供するのが良いでしょう。

戻ってくる時期が明確な場合は「定期借家契約」

定期借家契約は、契約期間の定めがある借家契約で、任意の契約期間内に限定して賃貸住宅を貸し出すことができます。前述した普通借家契約とはことなり、すでに契約期間が決まっていますので、契約更新がなく、契約が満了後に退去することになります。ただし、契約が終了しても、入居者が引き続き住み続けたい場合は、所有者と合意ができれば再度契約して住み続けることも可能です。

定期借家契約を採用する場合、一般的に転勤やその他の都合で、一定期間住まないといった場合において、その期間のみマイホームを賃貸住宅として提供したい場合に最適な借家契約であると言えます。戻ってきた場合に確実に元のマイホームに確実に住めることがメリットとなります。

ただし、定期借家契約は期間の定めがありますので、賃料は一般的な普通借家契約に基づいて提供されている賃貸住宅に比べると割安となってしまうことにあります。そのため、住宅ローンが残っている場合、住宅の立地など諸条件を考慮した結果賃料と差し引くと赤字になってしまう可能性もありますので、近隣の賃料をしっかりと確認した上で、収益を確保し賃貸住宅として提供できるようしっかりとリサーチしておくことが重要です。

また、賃貸併用住宅として部屋の一部を貸し出す場合については、前章でも述べましたがはじめから部屋を貸す前提となりますので、定期借家契約を選ぶ理由はなく、普通借家契約で借家として提供します。こちらも、同様に近隣の賃料を考慮した上で、ローンの支払額を差し引き黒字が確保できるよう賃貸事業を行うことが重要です。

賃貸併用住宅の経営については、2018年1月4日の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

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