- 公開日: 2026.07.03
- 住宅購入の基礎知識
一軒家を賃貸に出す前に確認したい5つのポイント|住宅ローンと控除の注意点

転勤などの事情で、購入した住宅に一定期間住めなくなった場合、その家を賃貸住宅として貸し出す方法があります。空き家にしておくのと比べて、住宅が傷みにくくなるうえ、家賃収入も得られるなど、遊休資産を有効に活用できます。
ただし、住宅ローンが残っている家を貸し出すときは、事前に確認しておきたい注意点がいくつかあります。今回は、一軒家を賃貸に出す場合にあらかじめ押さえておきたいポイントをまとめました。
転勤などで住めなくなったら、売却以外に賃貸として活用できる
高額な住宅ローンを組んで購入したマイホームに、突然の転勤などで住めなくなった場合、まず思い浮かぶのは「売却」でしょう。
マイホーム購入後に転勤などで住まなくなった場合についてはこちらの記事で詳しく解説していますが、一時的に住まないだけで将来的にその住宅に再び住む可能性がある場合は、住まない期間中に賃貸として貸し出すという選択肢があります。
ただし、突然のことで賃貸に出すための知識がないと、不動産会社に言われるまま進めるしかない状況になりがちです。今回紹介する最低限のポイントを押さえておくことで、ご自身やご家族の意向に沿った形で貸し出しやすくなります。
住宅ローンが残っている場合は、金融機関への相談が必要

現在住んでいる住宅を賃貸に出す際、まず気をつけたいのが、住宅ローンが残っている場合、状況によっては、居住用の住宅ローンをそのまま使い続けられなくなる可能性があることです。
個人向けの住宅ローンは、契約者本人が居住することを前提に、低めの金利で貸し出されています。賃貸に出して家賃収入を得ることは「事業」とみなされるため、場合によっては事業用(賃貸用)のローンへの切り替えを求められることがあります。一般に、事業用のローンは居住用の住宅ローンよりも金利が高く設定されています。
ただし、住まない期間が短いなど状況によっては、そのまま住宅ローンの利用が認められる場合もあります。自己判断で貸し出す前に、必ず借入先の金融機関に相談することが重要です。無断で賃貸に出すと契約違反となり、一括返済を求められるおそれもあるため注意しましょう。
また、賃貸に出す場合の費用についてはこちらの記事で紹介していますので、あわせてご覧ください。
賃貸に出している間は住宅ローン控除が受けられなくなる
賃貸に出す場合、その期間中は住宅ローン控除の適用が受けられなくなる点にも注意が必要です。
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、契約者本人やご家族が居住していることを前提に、年末の住宅ローン残高の0.7%を所得税(控除しきれない分は翌年の住民税)から差し引く制度です。控除を受けられる期間は住宅の種類によって異なり、新築住宅や買取再販住宅は最長13年間、その他の中古(既存)住宅は最長10年間です(2025年時点。制度は毎年見直されるため、最新は国税庁・国土交通省の公式サイトでご確認ください)。
賃貸に出すと本人が居住しなくなり、家賃収入も生じるため、住宅ローン控除の本来の目的から外れ、その間は控除を受けられません。
ただし、転勤が終わって再びその住宅に戻って居住するようになった場合は、一定の要件を満たすことで、残りの控除期間について住宅ローン控除の適用を再び受けられます。この再適用を受けるには、賃貸に出す前に「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」などを税務署に提出しておく必要があります。手続きの詳細は、事前に税務署や税理士に確認しておくと安心です。
住まない期間に応じて普通借家契約か定期借家契約を選ぶ

転勤などで住宅に住まなくなる場合、期間に応じて「普通借家契約」か「定期借家契約」のどちらかを選ぶ必要があります。
普通借家契約
普通借家契約は通常の賃貸と同じ契約で、多くは2年契約ですが、入居者が希望すれば契約を更新して住み続けられる契約です。基本的に入居者の意向が優先されるため、転勤から戻ってきて明け渡しを求めても、入居者が住み続けたいと主張すれば、退去してもらうまでご自身の住宅に戻れないことがあります。
定期借家契約
定期借家契約は、あらかじめ契約期間が定められている契約で、期間満了により契約が終了します(契約終了の1年前から6か月前までの間に入居者へ通知が必要)。たとえば、住まない期間が4年間とわかっていれば、4年間に限定した定期借家契約を結ぶことができます。確実に明け渡してもらえる反面、入居者にとっては期間の縛りがあるため、普通借家契約に比べて入居者が見つかりにくいというデメリットもあります。
賃貸に出す場合の管理方法を考える
賃貸に出す場合、その期間中は物件を定期的に管理する必要があります。ご自身で定期的に訪れて管理する「自主管理」のほか、不動産管理会社に管理を委託する方法や、不動産会社が物件を一括で借り上げて家賃を保証する「サブリース」を選ぶこともできます。
自主管理はコストを抑えられますが、手間がかかります。転勤などで遠方へ引っ越し、こまめな管理が難しい場合は、管理委託かサブリースが向いています。管理委託は一般に家賃の5%程度の委託料がかかり、サブリースは空室でも家賃が保証される代わりに、受け取れる家賃が相場の10〜20%程度低くなるのが一般的です。管理委託とサブリースの詳細はこちらの記事で解説していますので、あわせてご覧ください。
よくある質問
Q. 住宅ローンが残っていても賃貸に出せますか?
A. 状況によります。まずは借入先の金融機関に相談してください。無断で賃貸に出すと契約違反になり、一括返済を求められるおそれがあります。住まない期間が短い場合などは、そのまま認められることもあります。
Q. 賃貸に出したら住宅ローン控除はどうなりますか?
A. 賃貸に出している間は控除を受けられません。ただし、事前に税務署へ届け出ておけば、戻って再び居住した際に、残りの期間について再適用を受けられます。
Q. 将来また自分で住むなら、どちらの契約がよいですか?
A. 住まない期間が決まっているなら、期間満了で確実に明け渡してもらえる「定期借家契約」が安心です。ただし入居者は見つかりにくくなる傾向があります。
住宅ローンが残る家を賃貸に出すかどうかは、金利や税制の扱いも関わる大きな判断です。迷ったときは、借入先の金融機関や不動産会社、税務署などに早めに相談し、ご自身の状況に合った方法を選びましょう。

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