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転勤でマイホームを離れても大丈夫?住宅ローン控除の再適用手続きを解説

転勤などでマイホームを離れることになったとき、「住宅ローン控除はもう受けられなくなるの?」と不安になりますよね。実は、会社の転勤命令などやむを得ない理由で一時的に転居した場合、税務署に一定の手続きをしておけば、マイホームに戻ってきたあと、残りの期間について住宅ローン控除を再び受けることができます

今回は、住宅ローン控除の期間中にマイホームへ戻ってきて再び住み始める(再居住する)場合に、住宅ローン控除を再適用してもらうための手続き方法を、初めての方にもわかりやすく解説します。

住宅ローン控除を再適用するには、転居前に税務署への届出が必要

住宅ローンを活用してマイホームを購入したものの、会社命令の転勤を理由にマイホームから転居せざるを得ない状況となった場合、原則として住宅ローン控除の適用はその時点でいったんストップしてしまいます。住宅ローン控除は「自分がその家に住んでいること」が適用の条件だからです。

ただし、税務署に届け出ておくことで、控除期間内(残りの控除年数が残っているうち)に元のマイホームに戻って再び住み始めた場合、残った期間について住宅ローン控除を再び適用できます(国税庁 タックスアンサーNo.1234)。

なお、住宅ローン控除の控除期間は住宅の種類や入居した年によって異なります(例:2022年=令和4年以降に入居した新築住宅は原則13年、中古住宅は10年など)。ご自身の控除期間が何年かは、確定申告時の書類や国税庁のサイトで確認しておきましょう。

転居する場合は、2019年3月25日に記載した記事で解説している通り、マイホーム(家屋)の所在地を管轄している税務署に「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」を記入して、住まなくなる日までに提出する必要があります。この書類を提出しておかないと、控除期間中に戻ってきても住宅ローン控除の再適用が受けられなくなるおそれがありますので注意が必要です。あわせて、年末調整用の「住宅借入金等特別控除証明書」や「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」の未使用分が手元にある場合は、その提出も求められます。

また、転職など、会社命令の転勤以外の自己判断による転居の場合は、この再適用の対象になりません。あくまで「勤務先からの転任の命令その他これに準ずるやむを得ない事由」による転居が条件で、自己都合で住まなくなった場合は、あとでマイホームに戻ってきても住宅ローン控除は再適用できないのが原則です。

控除期間中に再居住した場合は、最初の年に再度確定申告が必要

転勤が終わり、再度マイホームに戻ってきて居住を開始した場合、控除期間がまだ残っていれば、残りの年数分について住宅ローン控除を再び受けることができます。

再適用を受ける最初の年は、勤務先の年末調整ではなく、ご自身での確定申告が必要です。申告は税務署の窓口のほか、郵送やe-Taxでも行えます。申告の時期は原則として翌年の確定申告期間(例年2月16日〜3月15日)ですが、税金が戻ってくる「還付申告」にあたる場合は、翌年1月1日から申告できます。給与所得者の方であれば、2年目以降は勤務先の年末調整で控除を受けられます。

マイホームを購入した当初にも住宅ローン控除のための確定申告をされたかと思いますが、再適用のときは「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書(再び居住の用に供した方用)」という再居住者向けの様式を使って提出する必要があります(国税庁 質疑応答事例)。住宅ローンの年末残高証明書などの添付書類が必要になる点は、当初の確定申告と同じ要領です。

確定申告書類は国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で作成できる

マイホームに再居住して残りの期間の住宅ローン控除を受けるにあたり、確定申告書類を作成する場合は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用すると、画面の案内に沿って入力するだけで簡単に書類が作成できます。作成時には売買契約書・登記事項証明書・住宅ローンの年末残高証明書を手元に用意しておきましょう。

書類の基本的な作成手順は2018年02月19日の記事で紹介した当初申告のときと同じ要領です。再居住の場合は、住宅ローン控除の入力画面で、住宅の取得形態として「転勤命令などにより住宅を居住の用に供しなくなった後、再び居住の用に供した」に該当する選択肢を選ぶのがポイントです。

そのうえで、「住宅の取得後、最初に居住を始めた年月日」「取得した住宅から転居した日」「再びその住宅に居住を始めた年月日」「居住していなかった期間の住宅の用途(空き家にしていたか、貸していたか)」などを入力し、売買契約書や年末残高証明書の内容にもとづいて金額・面積を入力していくと、控除額が自動計算されて申告書類が完成します。

完成した書類は、ご自宅のプリンタで印刷して税務署に持参・郵送できるほか、マイナンバーカードがあればスマホやパソコンからe-Taxでそのまま送信でき、税務署に出向かずに申告を完了できます。作成コーナーの画面構成は毎年更新されるため、最新の入力手順は国税庁サイトの案内に沿って進めてください。

再適用の注意点(控除期間は延びない・賃貸に出していた場合)

再適用にあたって、初めての方がつまずきやすい注意点を2つ押さえておきましょう。

ひとつめは、控除期間そのものは延長されないという点です。再適用で受けられるのは、あくまで当初の控除期間のうち「残っている年数分」だけです。転居していて控除を受けられなかった年の分が、あとから戻ってきたり期間の後ろに足されたりすることはありません。

ふたつめは、転勤中にマイホームを賃貸に出していた場合、再適用が始まるのは「再び住み始めた年」ではなく「その翌年」からという点です(国税庁 タックスアンサーNo.1234)。空き家のまま維持していた場合は再居住した年から適用できますが、貸していた場合は1年ずれる、と覚えておくと安心です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 単身赴任で、家族はマイホームに住み続けています。住宅ローン控除はどうなりますか?

ご本人が国内での単身赴任で、生計を一にする配偶者やお子さんなどが引き続きマイホームに住んでおり、赴任が終わればご本人も一緒に住むと認められる状況であれば、ご本人が住み続けているものとして取り扱われ、住宅ローン控除は引き続き受けられます。この場合、今回ご紹介した再適用の届出・手続きは必要ありません(海外赴任の場合は取り扱いが異なることがあるため、税務署にご確認ください)。

Q2. 転勤中にマイホームを人に貸していました。戻ったらすぐ控除を受けられますか?

賃貸に出していた場合は、上の注意点のとおり、再び住み始めた年の翌年からの再適用になります。また、貸していた期間の家賃収入(不動産所得)の申告など、賃貸をやめる際の手続きも忘れずに行いましょう。

Q3. 転居前に届出書を出し忘れてしまいました。もう再適用は受けられませんか?

届出書は原則として「住まなくなる日まで」に提出するものですが、事情によって取り扱いが異なる場合があります。あきらめてしまう前に、マイホームの所在地を管轄する税務署にできるだけ早く相談してみてください。

※本記事は制度の概要をわかりやすくまとめたものです。控除の適用可否は個々の状況により異なるため、最新の制度内容や具体的な手続きは国税庁ホームページ・管轄の税務署でご確認ください。

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