新生銀行が自然災害による被害で住宅ローンを免除するサービスを開始!
新生銀行は、地震や洪水、津波など自然災害によって住宅を被災した場合、住宅ローンの返済を一定期間免除する特約サービス「パワースマート住宅ローン安心パックS」を2017年10月2日より開始したことを発表しました。
自然災害によって住宅ローンを返済中の住宅が被害にあった場合、最悪ローンだけが残ってしまうという事態になるリスクがあることが指摘されています。近年では東日本大震災においても被災後、生活を再建するために止む得ず二重ローンを契約している方もいることから、自然災害による住宅ローンのあり方が問われています。
今回は、新生銀行が新たにサービスを開始した自然災害による返済が免除できる住宅ローンサービスについて紹介します。
自然災害時債務免除特約「パワースマート住宅ローン安心パックS」
今回、新生銀行が新たに提供する自然災害時の返済免除が受けられる特約が付帯した住宅ローンサービスは、「パワースマート住宅ローン安心パックS」という名称で、2017年10月2日より提供を行います。
パワースマート住宅ローン安心パックSは、地震や津波、台風、洪水などの自然災害で、住宅ローン返済中の住宅が被害にあった場合、新生銀行に電話を行うだけで当月もしくは翌月よりローンの支払いが免除されます。
パワースマート住宅ローン安心パックSを提供するにあたり、スイス損害保険会社(スイス・リー・インターナショナル・エスイー)とマーシュジャパン株式会社が共同で設計と開発した損害保険プログラムを活用したサービスです。借入金額に金利を上乗せて支払うことや別途月々保険料を負担する必要がなく、住宅ローンの契約時に事務手数料として16万2,000円を支払うだけで当サービスに加入ができサービスが利用できます。
そのため、被災後に生活を再建するためには、食料品の調達から身の回りの日用品などを購入する必要が生じることから予想以上に多額の出費が増えてしまいます。同サービスを利用すれば住宅ローンの支払いが免除されることになりますので、金銭負担を軽くし住宅ローンの支払いに回っていた返済資金を再建の為に充当することができ、再建を早期に行うことができると言えそうです。
申請時には罹災証明書不要!免除期間は最大2年間
電話での申請時には、自治体が発行する罹災証明書が不要で申請が可能としています。被災時に新生銀行に電話で被災した旨を一方するだけで、当月もしくは翌月より住宅ローンの返済が免除になります。
返済を免除する期間については、返済対象の住宅の被害状況によって決定されます。申請時には罹災証明書は不要ですが、後日、自治体から発行される罹災証明書を取得し、新生銀行に所定の期限までに提出する必要があります。提出された罹災証明書によって新生銀行が被害状況を確認し免除期間を決定します。
返済対象の住宅が全壊の場合は最大2年間、大規模半壊は1年間、半壊は半年の免除となっています。罹災証明書の提出がない場合は、債務免除の効力を失なってしまいますので注意が必要です。
適用条件は団信への加入と借入額1,500万円以上
パワースマート住宅ローン安心パックSの申し込み条件としては、団体信用生命保険(団信)に加入することに加え、新築戸建住宅の購入資金もしくは戸建住宅の新築資金であり、借入額が1,500万円以上で返済期間が25年以上であることとしています。
金利についても指定された条件があります。当初固定金利タイプ12年固定以上もしくは長期固定金利タイプとしており、変動金利は選択できないとしています。また、年間で多くの金額を返済する「ボーナス返済」についてもパワースマート住宅ローン安心パックSの申し込み対象外となっていますのでの注意が必要です。
住宅ローンサービスで自然災害での負担軽減できるサービス広がり期待
今回、新生銀行が自然災害で返済対象の住宅が被災した場合の返済免除が一定期間ではありますが可能になったのは、東日本大震災を機に、自然災害に対する意識の高まりを反映したものであると考えられます。似たようなサービスとして、三井住友銀行が返済期間最大半年免除となる「自然災害時返済一部免除特約」を取り扱っています。
2017年8月12日の記事でも記載した通り、現状の住宅ローンは、基本的に自然災害による返済免除がなく、あくまでも火災保険に地震保険を付帯することで、再建のための資金を提供するに留まっています。二重ローンで返済負担が大きくなる問題も指摘されていることから、自然災害のリスクが高い日本では、自然災害時に対する住宅ローン返済負担を軽減できるサービスの普及が望まれます。
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