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住宅ローンと不動産投資ローンの違い|金利・借入額・名義を解説

「自分が住む家」を買うときに使うのが住宅ローン、「人に貸して家賃を得る物件」を買うときに使うのが事業用ローン(不動産投資ローン)です。名前も、物件を担保に入れるしくみも似ていますが、金利は住宅ローンのほうが低く、借りられる額の決まり方も違います。住宅ローンは本人の収入から、事業用ローンは物件の収益力から借入可能額が決まり、名義も住宅ローンは原則個人だけ、事業用ローンは法人でも組めます。

初めて住宅ローンを検討する方がつまずきやすいのは、実は金利差よりも「どちらを使ってよいか」の線引きです。まずは目的による使い分けから、順番に見ていきましょう。

不動産の活用目的に合わせてローンを選ぶ

不動産は高額なので、多くの方はローンを利用して購入します。ただし、ひとくちに不動産といっても、ご自身やご家族が住む一般的な住宅、アパートやマンションなど賃貸に出す物件、お店や事務所など、用途はさまざまです。

ここで大切なのが、住宅ローンは「自分が住むための住宅」を買うためのローンだということです。一方で、賃貸に出したり、お店や事務所を購入したりする場合は、住宅ローンではなく事業用のローンを利用することになります。まずは「その物件に自分が住むのか、貸して収益を得るのか」で、使うローンが変わると覚えておきましょう。

なお、同じ「不動産を担保にするローン」でも、すでに持っている不動産を担保に資金を借りる不動産担保ローンは、住宅ローンとも事業用ローンとも目的が違います。似た名前が並ぶので、最初に「何を買う(何に使う)ためのお金か」で整理しておくと迷いにくくなります。

住宅ローンは居住用で、金利が低め

マイホーム用の住宅ローンのイメージ

住宅ローンは、個人が居住するための住宅を購入するときに使えるローンです。そのため、借り入れの目的はご自身とご家族が住むこと(居住用)に限られます。

居住用が前提のため、事業用ローンに比べて金利が低めに設定されているのが特徴です。当社編集部が2026年9月1日に主要14の金融機関・機関の公式金利ページを確認したところ、新規借入の変動金利(各行の最大引き下げ後)は年0.950%から年1.750%までの幅がありました(当社調べ・14件。最低はりそな銀行の年0.950%、最高はドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行)WEB申込コースの年1.750%)。全期間固定の【フラット35】(借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付き)は2026年9月資金受取分で年3.460%です(住宅金融支援機構が公表する最頻金利)。

金利は日本銀行の政策金利や市場の動向で動きます。日銀は2026年6月16日の金融政策決定会合で政策金利(無担保コール翌日物)の誘導目標を年0.75%程度から年1.0%程度へ引き上げており、住宅ローン金利も上がる局面が続いています。適用されるのは申込時ではなく融資実行日の金利です。最新の金利は各金融機関や【フラット35】公式サイトでご確認ください。

また、住宅ローンは主に契約者本人の給与収入や事業収入をもとに借入可能額が決まります。返済能力に応じて借りられる額が変わり、完済時の年齢に上限(多くは80歳前後)が設けられていることも一般的です。借入額の目安は、年収の5〜8倍程度とされることが多くあります。

もうひとつ、住宅ローンだけの大きなメリットが住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)です。国税庁は、住宅ローンでマイホームを取得し、令和4年1月1日から令和12年(2030年)12月31日までの間に「自己の居住の用に供した」場合に、年末残高などをもとに計算した金額を所得税から差し引けると説明しています(国税庁 タックスアンサー No.1211-1)。自分が住むことが要件なので、人に貸す投資用物件は対象になりません。

事業用ローンは収益目的で、借入可能額が大きい

不動産投資ローンのイメージ

事業用ローン(不動産投資ローン)は、主に家賃収入など収益を目的とした不動産を購入するときに使うローンです。街で見かけるアパートやマンションの多くは、住宅ローンではなくこの事業用ローンを使って建てられていると考えられます。

事業用ローンは事業目的のため、一般的に住宅ローンよりも金利が高めに設定されます。金利は金融機関・物件・借り手の属性によって幅が大きく、住宅ローンのように横並びで比べられる「店頭の一覧」が公表されていないことも多いため、具体的な条件は金融機関に直接相談して確かめることになります。

その代わり、返済原資が「家賃収入」であることから、借入可能額は住宅ローンより大きくなりやすいのが特徴です。融資額は契約者の返済能力だけでなく、物件の立地や周辺の賃貸需要(=安定して家賃が入るか)によっても大きく変わります。返済原資が家賃収入のため、年齢が65歳を超えていても物件次第で借り入れできる場合があります。また、法人名義で契約できるのも事業用ローンの大きな特徴です(住宅ローンは原則、法人名義では借りられません)。

投資用物件を住宅ローンで買うと何が起きるか

「金利が低いなら、住宅ローンで投資用の物件を買えないだろうか」——初心者の方から実際に出る質問ですが、これははっきり「できません」。用途をいつわって借りることは契約違反であり、住宅金融支援機構はこれを「不適正利用」と呼んで、実際に厳しい対応を公表しています。

機構が示している対応は、残債務の一括返済請求、警察への通報、関与した事業者の監督官庁への通報、損害賠償請求など。さらに、融資実行後も定期的に融資住宅の利用状況を調査していると明記されています(住宅金融支援機構「【フラット35】の不適正利用に巻き込まれないために」)。「バレなければ大丈夫」という話ではなく、数千万円の残債を一括で求められる可能性があるという重さで捉えておくべき論点です。

注意したいのは、こうした不適正利用が悪質な勧誘に巻き込まれる形で起きることがある点です。機構も「【フラット35】を不適正に利用し、投資用物件を取得させようとする悪質な勧誘」への注意を呼びかけています。「住宅ローンで投資用に買えます」「住民票だけ移せば大丈夫」といった説明をする相手がいたら、その時点で立ち止まってください。投資が目的なら、遠回りに見えても事業用ローンで正しく借りるのが唯一の方法です。

住宅ローンと事業用ローンの違い(早わかり表)

比較の観点 住宅ローン 事業用ローン(不動産投資ローン)
目的・対象 自分が住むための住宅 家賃収入など収益目的の物件
金利水準 低め(2026年9月時点の新規・変動は年0.950%〜年1.750%、フラット35は年3.460%) 住宅ローンより高め(金融機関・物件で幅が大きい)
返済原資 本人の給与・事業収入 主に家賃収入
借入可能額 年収に応じて(目安 年収の5〜8倍程度) 物件の収益力しだいで大きくなりやすい
契約名義 個人(原則、法人不可) 個人・法人どちらも可
住宅ローン控除 要件を満たせば利用できる(自己の居住用が要件) 対象外
用途をいつわった場合 契約違反。一括返済請求などの対象になり得る 居住用には使わない(目的が別)

よくある質問(FAQ)

Q. 住宅ローンで買った家を、あとから賃貸に出せますか?

A. 住宅ローンは「自分が住むこと」が前提です。転勤などやむを得ない事情を除き、無断で賃貸に出すと契約違反となり、一括返済を求められることがあります。賃貸に出す予定ができた時点で、必ず先に金融機関へ相談してください。

Q. 金利が低いから、投資用の物件を住宅ローンで買ってもいいですか?

A. いいえ。居住目的でない物件を住宅ローンで購入することはできません。住宅金融支援機構は用途をいつわる「不適正利用」に対して、残債務の一括返済請求や警察への通報を含む対応を公表しており、融資後も利用状況を定期的に調査しています。投資目的なら必ず事業用ローン(不動産投資ローン)を使ってください。

Q. 住宅ローン控除は、投資用物件でも使えますか?

A. 使えません。住宅ローン控除は「自己の居住の用に供した」住宅が要件で、人に貸す物件は対象外です(国税庁 タックスアンサー No.1211-1)。控除の有無は総返済負担に効いてくるので、住宅ローンと事業用ローンを金利だけで比べないようにしましょう。

Q. 親が住む家を買う場合は、どちらのローンになりますか?

A. 【フラット35】は「本人またはその親族が自ら居住するための住宅」に利用できると住宅金融支援機構が説明しており、親族が住む住宅でも使える場合があります。ただし民間の住宅ローンは扱いが金融機関ごとに異なり、セカンドハウス専用の商品を用意している銀行もあります。誰が住むのかを最初に伝えて、使える商品を確認するのが確実です。

Q. 不動産投資ローンにはどんなリスクがありますか?

A. 家賃収入が返済原資となるため、空室が続くと返済が苦しくなります。金利上昇や修繕費の発生も収支に影響します。「借りられる額」ではなく「無理なく返せる額」で計画し、収支シミュレーションを十分に行うことが大切です。


住宅ローンと事業用ローンは、目的も金利も、審査で見られるポイントも違います。「自分が住む家」なら住宅ローン、「貸して収益を得る物件」なら事業用ローン——この線引きだけは、金利の有利不利で曲げてはいけないところです。住み替えやリフォームなど目的が変わるときも、リフォームローンのように専用の商品が用意されていることが多いので、その都度「目的に合うローン」を選び直すのが基本になります。

そのうえでマイホーム用の住宅ローンを選ぶなら、金利の低さだけでなく、事務手数料・保証料・団信といった費用の合計で見比べてみてください。たとえばSBI新生銀行は保証料が0円で、一般団信の上乗せもなく、一部繰上返済手数料もかからないため、どこにいくらかかるのかが見えやすい一本です。店舗での相談とオンライン手続きの両方に対応しているので、初めてで不安な方が「相談しながら進める」選択もできます。金利表の数字だけで決めず、費用の構成まで並べて比べることが、後悔のない一本につながります。

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