- 公開日: 2026.07.29
- 更新日: 2026.08.04
- 住宅購入の基礎知識
年収から住宅ローンを計算|現実的に買える一軒家の値段の出し方

一軒家を購入する場合は、収入から割り出した現実的に買える値段を知っておく必要があります。
借入先やローンの種類により違いはあるものの、一般的なローンの限度額は年収の7倍程度、生活に無理なく返済ができるのは年収の5倍程度とされています。
ただ、この「◯倍」はあくまで大まかな目安です。実際に借りられる額は「返済負担率」という基準で決まり、無理なく返せる額は金利と家計の状況で変わります。この記事では、はじめて住宅ローンを検討する方に向けて、その出し方を順番に見ていきます。
年収と可能返済額
したがって、年収が500万円の場合の無理なく返済が可能な一軒家の値段は2,500万円という事になります。
住宅ローンを借りる場合に注意が必要なのは、借り入れ金額に利息が発生するという事です。借入金と利息分を決められた期間内に返済する必要があるのが住宅ローンです。
現実的に買える一軒家の値段を出す場合には、変数となる値に注目する必要があります。
住宅ローンを計算する場合の変数は意外に少なく、借り入れ金額、借り入れ金利、返済期間、建築費、先々の年収を抑えておけば、計画的な借り入れが可能です。
「借りられる額」と「無理なく返せる額」は違います
はじめての方がいちばん驚かれるのが、審査で「借りられる」と言われる金額と、無理なく返せる金額は別物だという点です。
金融機関は「返済負担率(総返済負担率・返済比率)」を見ています。これは年収に占める年間返済額の割合のことで、住宅ローンだけでなく、自動車ローンや教育ローン、カードローン、分割払い・リボ払いなどすべての借入れの返済額を合計して計算します。
【フラット35】の場合、この基準は住宅金融支援機構が公表しており、年収400万円未満は30%以下、年収400万円以上は35%以下と決められています(民間の住宅ローンは金融機関ごとに基準が異なります)。
ここで気をつけたいのは、この上限いっぱいまで借りると家計はかなり苦しくなるということです。年収に対する割合で計算するときの「年収」は手取りではなく額面ですし、住宅を持てば固定資産税・火災保険・修繕費・(マンションなら管理費や修繕積立金)といった、賃貸時代にはなかった支出も増えます。
そのため、冒頭の「年収の5倍程度」という目安のように、上限より一段控えめの水準で組み立てるのが現実的です。まずは「いくらまで借りられるか」ではなく、「毎月いくらまでなら、これまでどおりの暮らしを続けながら払えるか」から逆算してみてください。
さらに、物件価格=借入額ではありません。実際には次の関係になります。
買える物件の価格 = 借入額 + 自己資金 −(諸費用にあてる分)
登記費用、融資事務手数料、火災保険料、引越し代、家具・家電、一戸建てなら外構工事費……。これらは物件価格とは別にかかります。自己資金をすべて頭金に回してしまわないことが、住み始めてからの安心につながります。
金利が違うと、返済額はこれだけ変わります
同じ金額を借りても、金利が違えば毎月の返済額は大きく変わります。つまり、同じ年収・同じ「毎月払える額」でも、選ぶ金利タイプによって買える物件の値段が変わるということです。
当編集部が2026年7月適用の各行公式サイトの金利を実測し、借入3,000万円・返済期間35年・元利均等・ボーナス返済なしの条件で試算したものです(当編集部調べ・当社試算)。事務手数料・保証料・団信の上乗せ・登記費用などの諸費用は含まない、金利だけの試算です。変動金利は全期間にわたって金利が変わらないと仮定した場合の当初の返済額で、実際は半年ごとに見直されます。
同じ3,000万円でも、変動金利の低いところと全期間固定の高いところでは毎月の返済額に6万円前後の差が出ます。金利の低さだけで選ぶと将来の上昇が不安ですし、固定で安心を買えばその分毎月の負担は重くなります。「毎月払える額」から逆算するときは、必ず自分が選ぶ金利タイプで計算するようにしてください。
なお、実際の負担は事務手数料などの諸費用でも変わります。金利だけでなく、諸費用まで含めた総額で比べるのが失敗しないコツです。
先の事までを知る事は不可能

とはいえ、はっきりと決めることができるのは借り入れ金額と返済期間、固定金利の場合の金利までで、変動金利の場合の金利や先々の年収は、どうなるかの予測が難しい場合があります。
現実的に買える一軒家の値段は、今考えられる条件により算出するだけではなく、将来起こりうる厳しめのケースも想定して算定することが大切です。たとえば「変動金利が今より1%上がったら、毎月いくらになるか」を先に確認しておくだけでも、判断の精度は大きく変わります。
住宅ローンは、将来の収入がある程度安定して見込める場合に返済しやすくなります。収入に波がある働き方の場合は、借入額を控えめにする、返済期間を長めにとって毎月の負担を下げる、手元の預貯金を厚めに残すといった備えを組み合わせて考えましょう(借りられない、という意味ではありません)。
また、住宅ローンはインフレ下で返済が有利となり、デフレ下では返済が不利となります。地価が上昇傾向か下降傾向かも、万が一支払いが滞った時に売却して返済できるかどうかの分かれ道になります。
これらの基本的な条件を充たしている場合は、住宅ローンを多めに設定しても問題は起こりにくいと考えられます。
しかし、基本的な条件が充たされていない場合は、時期を見直すか、余裕を持った借り入れ金額の設定が必要です。
住宅ローンを利用した方が良いのは?
一方、住宅ローンを積極的に利用した方が良い場合もあります。
まず、住宅ローン控除(住宅ローン減税)です。年末時点のローン残高に応じた金額が所得税などから控除される制度で、令和8年度(2026年度)の税制改正により適用期限が2030年12月31日入居分まで延長されました。省エネ性能を満たす中古住宅の控除期間・借入限度額も拡充されています。
ただし注意点があります。合計所得金額の上限をはじめ複数の要件があり、「所得が高いほど得をする」制度ではありません。控除額の上限や控除期間は、入居する年・住宅の性能によって細かく分かれます。最新の要件と限度額は、国土交通省・国税庁の公式情報でご確認ください。
また、【フラット35】のような住宅金融支援機構の証券化支援を使った住宅ローンでは、機構が定める技術基準に適合していることが条件となり、設計・施工の段階で審査と検査が行われます。そのため住宅の質を確かめやすいという利点があります。
さらに、省エネ性・耐震性・バリアフリー性などの基準を満たす住宅は、当初の一定期間、借入金利が引き下げられる【フラット35】Sなどを利用できます。子育て世帯・若年夫婦世帯向けの【フラット35】子育てプラスなど、複数の引下げメニューがポイント制で用意されています(引下げ幅・要件は見直されることがあるため、公式サイトで最新の内容をご確認ください)。質の高い住宅を、有利な金利で持ちやすくなるというわけです。
現実的な予算を出す4つのステップ
ステップ1:いまの家計から「毎月払える額」を決める
現在の家賃+毎月の貯蓄のうち住宅に回せる分、が出発点です。ここに固定資産税や修繕費の積立て分を先に差し引いておくと、より現実的になります。
ステップ2:他の借入れを洗い出す
自動車ローン、教育ローン、カードのリボ払い・分割払い、スマートフォン端末の分割なども返済負担率に入ります。先に返しておけるものは整理しておくと、借入可能額に余裕が出ます。
ステップ3:金利タイプを仮決めして、借入額を逆算する
毎月の返済額から借入額を出すには、各金融機関や【フラット35】公式サイトの返済シミュレーションが便利です。変動で計算した場合は、金利が上がったケースも必ず併せて確認してください。
ステップ4:諸費用と自己資金を差し引いて、物件価格の上限を出す
「借入額+自己資金−諸費用」が、実際に狙える物件価格です。この金額を持って物件探しに入ると、条件のブレが少なくなります。
よくあるご質問
Q. 年収の何倍まで、が結局いちばんの目安ですか?
A. 目安としては便利ですが、年収倍率だけで決めるのは危険です。同じ年収でも、他の借入れの有無・扶養家族の人数・選ぶ金利タイプで、無理なく返せる額は変わります。倍率は「あたりをつける」ために使い、最後は毎月の返済額で判断してください。
Q. 頭金はどのくらい用意すべきですか?
A. 【フラット35】では融資率(物件価格に占める借入額の割合)が9割以下だと、9割超より低い金利区分を使えます。頭金を1割用意できるかどうかは、金利面でも意味があります。ただし手元資金を使い切るのは避けましょう。
Q. 共働きです。2人の収入を合わせて計算できますか?
A. 収入合算やペアローンという方法があります。借入額は増やせますが、どちらかが働き方を変えたときに返済が重くなる点は必ず一緒に確認しておいてください。
Q. 返済期間は長くしたほうがよいですか?
A. 期間を長くすると毎月の返済額は下がりますが、支払う利息の総額は増えます。まずは長めで組んで毎月の負担を軽くし、余裕ができたときに繰上返済で期間を縮める、という進め方もあります。繰上返済の手数料や最低金額は金融機関で違うので、借りる前に確認しておきましょう。
Q. まず何から始めればいいですか?
A. 物件探しの前に、返済シミュレーションで「毎月払える額→借入額→物件価格」の順に逆算してみてください。そのうえで事前審査を受けると、予算の現実味が一気に増します。
まとめ
「年収の5倍・7倍」という目安は出発点にすぎません。大切なのは、返済負担率の上限いっぱいで借りないことと、毎月払える額から逆算すること、そして諸費用を見込んでおくことの3つです。
住宅ローンを選ぶときは、金利の低さだけでなく、諸費用の分かりやすさや繰上返済のしやすさもあわせて見ておくと安心です。たとえばSBI新生銀行の住宅ローンは、保証料0円・一部繰上返済手数料0円(1円から何度でも)・一般団信の上乗せ0円と費用の考え方がシンプルで、店舗での相談とオンライン手続きの両方に対応しています。はじめてで不安な方が、予算の立て方から相談しながら比較できる選択肢のひとつです。
※金利・税制・各金融機関の商品内容は変更されることがあります。最新の適用金利や要件は、必ず各金融機関・【フラット35】公式サイト・国土交通省/国税庁の公式情報でご確認ください。

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