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財産が少ないのにトラブル?・・・遺産相続では細心の注意が必要!

Kさんは、両親が亡くなったために相続の手続きをすることになりました。

両親には自宅と土地以外にめぼしい財産もなく、財産分与についてモメる事は無いだろうと思っていたKさんは、これを機会に古くなった実家の建て替えを考えていました。

しかし、そんなKさんの予想は、もろくも崩れてしまうのです。

財産が少ないからこそ、問題になる!?

Kさんのように、遺産が実家の家と土地だけなので、相続問題とは無関係だろうと早合点される方もいらっしゃるでしょう。

しかし、財産が少ないから無関係と言えるのは「相続税」であって、「財産分与」については無関係とは限りません。

相続でしばしば話題にされるのは、平成27年以降の基礎控除額の改正「(5,000万円+1,000万円×法定相続人の数)から(3,000万円+600万円×法定相続人の数)」です。

確かに大きな制度改正ではありますが、実際に5,000万円以上の相続が発生するケースというは、国内の相続事案全体において5%以下しかなく、残りの95%超は相続税課税の対象外なのです。

ここに驚くべき事実があります。
平成25年の家庭裁判所における5,000万円以下の相続財産問題のうち、約8割が調停や審判にまで発展しており、1,000万円以下でも約3割にのぼっていたのです。

一番問題になるのは・・・やはり兄弟姉妹

さてKさんはと言うと、兄弟から、実家を売却して資金を分けてもらいたいと言われてしまいました。

長年両親の面倒を見てきたKさんからすれば、実家の権利は自分が優先されるべきと考えており、古くなった実家を建て替えて家族と一緒に住むつもりだったので、人生設計が狂ってしまいます。

ならばと、法律で規定された「法定相続」による分配方法を活用してみてはと考えましたが、財産が不動産の場合は分けるのが難しいため、兄弟が主張するように売却して現金で分けることになってしまうのです。

そうなると、売却を考えていないKさんと、法定相続分を受けられない兄弟、さらに、兄弟の家族(奥さんなど)の主張も入って収まりがつかなくなり、先に述べたような調停に発展してしまうことになるのです。

相続が発生する前に手を打っておく!

相続税の対象となる「5,000万円以上の財産を持っているケース」では、すでに何らかの対策を講じている方がほとんどです。

一方、Kさんのように財産が少ないから相続税なんて関係ないと、対策を打っていないケースの方が圧倒的に多く、調停などに発展しまうのです。

ですから、財産の大小に関係なく、両親の存命中にしっかり対策を立てておく必要があり、その最も有効な手段が「遺言書」なのです。なかでも「公正証書遺言」は、有効性の観点からも多くのケースで採用されています。

両親と子供が同居している場合は、相続が発生した時の問題が複雑になるため、両親が健在なうちに、相続対策を講じておく必要があります。その対策の最も有効な手段が、遺言書と言えるでしょう。

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