住宅ローンがどうしても支払えない場合の最終手段「任意売却」について徹底解説
2017年11月27日に記載した記事では、収入が減少して住宅ローンの支払いが困難になった場合における対処方法について記載しました。はじめに、家計の収支を見直すことや収入を増やす努力をする、家財などの売却、金融機関と相談してリスケジュールを行うなど、手が打てるうちに初期対応をすることが重要です。
しかしながら、収支の見直しなどご自身でできることを行ったが、リスケジュールも困難な状況である場合、最終的な手段として「任意売却」があります。今回は、最終的な手段である「任意売却」について紹介します。
任意売却とは?
任意売却とは、住宅ローンの支払いがほぼ不可能な状況になった場合、債務者である住宅の所有者と債権者である金融機関が合意することで、不動産を売却することです。
住宅ローンを契約する場合、万が一、貸した住宅ローン(債権)が回収できなくなるリスクを想定して、債務者が購入する住宅である不動産を担保として「抵当権」が付与されており、ローンの返済が困難になった場合、金融機関は債務者の不動産を売却することで、そこで得たお金を債権者に分配を行います。
任意売却を行うことで、今までにあった抵当権や差押登記簿が解除となり、債務者の所有物ではなくなってしまいます。
任意売却と競売はどっちが良い?
任意売却の他に、住宅ローンを滞納した場合、2017年11月25日付けの記事で記載していますが、ローンを組んで購入した住宅は滞納を続けることで、最終的に競売にかけられてしまいます。これは、任意売却を選択せずに、債務者が何も動かなかった場合、債権者が裁判所に申し立てを行うことで、最終的に裁判所が間に入って強制的に住宅を競売にかけてしまいます。
任意売却は、あくまでも不動産の売却になり債務者の意思が反映されますが、競売は債務者の意思は一切関係なく一番高い値段で購入してくれる個人や法人などに所有権を移します。
任意売却と競売を選ぶのであれば、債務者と債権者が互いに合意を行った上で手続きを行うことになりますので、どうしても支払える状況でない場合は、早めに金融機関と相談して任意売却に向けて動くことがお勧めであるといえます。
任意売却を選択するメリット
では、任意売却を選択するメリットはどの様な部分にあるのでしょうか。任意売却を行う5つのメリットをあげてみました。
1.市場価格で売却ができる場合がある
任意売却の手続きを選択するメリットとして大きいのは、市場価格に近い価格で売却できる可能性があるということです。競売を選んだ場合、住んでいる状況であるため、物件見学が難しかったり、競売というレッテルが貼られることで、どうしても高値で売却することは難しくなってしまいます。
2.短期間で買い手が付くこともある
任意売却であれば、立地や不動産の間取りなど、周囲の環境や物件の価値が高い場合は、短期間で買い手が付く可能性もあります。そのため、競売になるまでダラダラと滞納を続けるよりも、支払えないと判断した場合の方が、早くローンの悩みから開放できることにもなりそうです。
3.引越作業や明け渡しなどスケジュール調整が可能
任意売却であれば、物件を売りたい時期やご自身のスケジュールに合わせて引越作業や明け渡しのスケジュール調整が可能です。競売であれば、定められた期間までに出ていく必要がありご自身のスケジュールに合わせて動いてはくれません。
4.引越しに伴う費用がでる場合がある
任意売却では、引っ越しする際に発生する費用を、売却資金の一部から負担してくれる場合があります。そのため、引っ越しに伴う、追加の費用の負担を軽減できるメリットもあります。
5.周囲に知られずに手続きが可能
任意売却を行うことは、単純に不動産の売却とは変わらず売却の理由などは特に明記されません。そのため、住宅ローンが支払い不能になったといった理由は買い手以外に知られる可能性は低くなります。
任意売却を選択するデメリット
競売に比べてメリットが多い任意売却ですが、当然デメリットも存在します。任意売却を選択するデメリットについて紹介します。
1.連帯保証人の同意が必要である
任意売却のデメリットの1つとして、連帯保証人の同意が必要になることです。また、連帯保証人と連絡が取れない場合でも、同意を得ることはできませんので、連帯保証人は日頃から連絡を取り合ったり、話を行っている親族などに指定することがおすすめです。
2.売却価格について売り手と買い手で価格が成立しない場合がある
任意売却は、市場価格で売却できる場合もありますが、場合によっては売却価格と売り手の価格が折り合わないことも考えられます。また、これは売り手と書いてだけの問題だけに留まらず、債権者である金融機関に対しても、納得してもらえる価格で売却する必要があります。
3.任意売却業者に依頼する必要がある
任意売却を行う際、それらに関する手続きや交渉など任意売却業者に依頼する場合、実績が高い業者を調べる必要があり、少々手間が発生します。業者の選定は、経験が豊富で、迅速に対応して守られる業者を調べて利用すべきであるといます。
4.物件見学に対応する必要がある
住宅を売却する場合は、購入希望者に物件見学の希望があった場合は見学に応じる必要があります。そのため、購入希望者とのスケジュール調整などが必要になります。
- 2017.12.04
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