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頭金なしで家は買える?借入額の決まり方と準備すること

念願のマイホーム。いざ具体的に考えはじめると、決めることがたくさんあって大変です。なかでもお金にまつわることは、あとから変更がききにくいので、はじめにきちんと押さえておきたいところです。 「頭金がないと家は買えないのでは?」——これは、はじめて住宅ローンを検討する方からいちばん多くいただく不安です。結論からお伝えすると、頭金がなくても家を買うことはできます。ただし、頭金があるときとは条件が変わります。今回は、そのあたりを順番にほどいていきましょう。

家を買う時の住宅ローンについて

マイホームの購入が夢という方は多いものですが、ひとくちに「家を買う」と言っても、新築か中古か、一戸建てかマンションかで選択肢が分かれます。どんな家を買うかによって、住宅ローンの選び方や必要な書類も変わってきます。 ここで、よく誤解されている点をひとつ整理しておきます。「中古住宅だと借入期間が短くなる」というのは、いまは一律には当てはまりません。 たとえば全期間固定金利の【フラット35】では、借入期間は15年以上(申込みご本人または連帯債務者が満60歳以上の場合は10年以上)で、「80歳-申込時の年齢」と35年のいずれか短いほうが上限と定められており、新築か中古かで期間の上限が変わる仕組みにはなっていません(2026年4月1日現在の条件)。民間の金融機関でも、中古住宅で最長35年の借入れができるところは珍しくありません。 ただし金融機関によっては、建物の構造や築年数を考慮して期間を短めに設定することがあります。「中古だから25年」と最初から決めつけず、複数の金融機関に確認するのが正解です。

住宅ローンは幾らまで借りることができるのでしょうか

かつては「年収の3倍から5倍まで」という目安がよく使われました。ただ、いまの審査で実際に見られているのは「返済負担率」という指標です。
【用語ミニ解説】返済負担率(総返済負担率)……年収に占める、年間の返済額の合計の割合のこと。住宅ローンだけでなく、自動車ローン・教育ローン・カードローン・クレジットカードの分割払いやリボ払いなども合算して計算します。
【フラット35】の場合、基準は次のとおりです。
年収総返済負担率の基準ここがポイント
400万円未満30%以下住宅ローン以外の借入れも合算されるため、マイカーローンやカードのリボ払いがあると借入可能額が下がります
400万円以上35%以下
借入額そのものにも上限があり、【フラット35】では100万円以上1億2,000万円以下(1万円単位)で、建設費または購入価額の範囲内と定められています。かつて言われていた「住宅ローンは最高5,000万円まで」といった一律の上限は、現在の実情に合いません。上限額は金融機関・商品ごとに異なるので、必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください。 そしてもうひとつ、とても大事なことがあります。返済負担率で計算するということは、同じ年収でも、金利が上がれば借りられる金額は小さくなるということです。毎年の返済額が上限に張り付くまでの「枠」は年収で決まっているので、金利が高いほど、その枠で借りられる元本は減っていきます。 いまはまさに、その金利が動いている局面です。【フラット35】の2026年8月資金受取分の借入金利(借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付き)で最も多い金利は年3.290%で、7月から上昇しました。日本銀行が2026年8月10日に公表した7月30日・31日開催分の「金融政策決定会合における主な意見」でも、「引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことが適当である」といった意見が示されています。ただしこれは個々の委員の意見であって、決定ではありません(この会合では政策金利は据え置きが決定されています)。今後の金利がどうなるかを言い当てることはできませんが、「借入可能額は金利で動く」という前提で資金計画を立てることが、これまで以上に大切になっています。

頭金が無い場合でもマイホームを手に入れることは可能です

「頭金がなければ家を買えない」というイメージは、ずいぶん薄れました。物件価格の全額を借りる、いわゆるフルローンに対応する金融機関も一般的です。 ただし、頭金ゼロには知っておくべきコストがあります。ここは、はじめての方がいちばん見落としやすいところです。

① 借入額が大きいほど、金利が高くなることがある

【フラット35】では、融資率(物件価格に対する借入額の割合)が9割を超えると、適用される金利が一段高くなります。2026年8月資金受取分の最も多い金利で比べると、次のとおりです。
建て方別の所要資金とフラット35融資金を比較した棒グラフ
所要資金と融資金の差が、借入れ以外で用意した部分のおおよその目安になります(他のローン併用分を含む場合があります)。
商品・返済期間融資率9割以下融資率9割超
【フラット35】(21年以上35年以下)年3.290%年3.400%
【フラット20】(20年以下)年2.970%年3.080%
※いずれも新機構団信付き・2026年8月資金受取分の「最も多い金利」。取扱金融機関により金利は異なります(住宅金融支援機構「最新の金利情報」にて確認)。 つまり物件価格の1割を頭金として入れられるかどうかが、金利のひとつの分かれ目になっているわけです。「頭金は多いほどよい」と漠然と言われるより、こう具体的に見たほうが納得しやすいのではないでしょうか。

② 諸費用は現金で必要になることがある

家を買うときには、物件価格のほかに仲介手数料・登記費用・融資事務手数料・印紙税・火災保険料・固定資産税の精算金などがかかります。これらを借入れに含められる金融機関もありますが、含められない場合は現金で用意することになります。「頭金ゼロ」=「現金ゼロで買える」ではない点は、必ず押さえておいてください。

③ 売りたくなったときに残債が上回ることがある

借入額が大きいほど、返済初期は元本がなかなか減りません。転勤や家族の事情で早い時期に売却することになったとき、売却価格よりローン残高のほうが多いと、差額を現金で埋める必要が出てきます。

みんな、実際どれくらい手元資金を用意している?

「では、みんないくら用意しているの?」というのは気になるところです。住宅金融支援機構が2025年7月25日に公表した2024年度【フラット35】利用者調査(2024年4月〜2025年3月に承認された借換えを除く27,523件が対象)を見てみましょう。 所要資金(家を買うのに必要になった総額)と、融資金(【フラット35】で借りた額)を並べると、その差がおおよそ「借入れ以外で用意した部分」の目安になります。
建て方所要資金【フラット35】融資金
注文住宅3,936万円3,080万円
土地付注文住宅5,007万円4,251万円
建売住宅3,826万円3,260万円
マンション5,592万円4,033万円
中古戸建2,573万円2,208万円
中古マンション3,033万円2,365万円
※出典:住宅金融支援機構「2024年度【フラット35】利用者調査結果」。差額には手持金のほか、他のローンの併用などが含まれる場合があります。 ちなみに、同調査の利用者の平均世帯年収は669万円(本人および収入合算者の合計、前年度+8万円)でした。数字を見ると、全額を借りている人ばかりではないことがわかります。とはいえ、これはあくまで平均です。あなたの適正額は、あなたの家計から逆算するのが正解です。

大事なのは「借りられる額」ではなく「返せる額」

頭金がなくても家を買えるからこそ、いちばん大切になるのが「住宅ローンの支払いをどこまで続けられるか」を知っておくことです。
  • 月々の支払額は幾らまでなら無理なく返していけるのか
  • ボーナス月の支払いはどうするのか
  • ボーナス併用払いにしたとき、支払額は幾らまでなら安心して返済できるのか
ちなみに、ボーナス月の支払額を多くすると、ボーナス併用払いを利用しない場合よりも総支払額が多くなります。ボーナスは景気や勤務先の業績で変わるものなので、「必ず出るもの」として組み込みすぎない設計をおすすめします。 金融機関のホームページには返済計画に使える返済シミュレーションが用意されており、借入額・金利・返済回数・ボーナス月の支払いの有無や金額などを入力すると、その場で返済総額を知ることができます。まず「月々いくらまでなら大丈夫か」を決めてから逆算する——この順番でシミュレーションを使うと、いくらの家を買えるのかがはっきり見えてきます。

家を買う前にした方が良いこと(3ステップ)

最後に、申込みまでの流れを整理しておきます。物件探しより先にやっておくと、あとがぐっと楽になります。
  1. 他の借入れを整理する……返済負担率には自動車ローン・教育ローン・カードローン・分割払いやリボ払いも含まれます。返せるものは先に返し、使っていないカードのキャッシング枠は見直しておきましょう。
  2. 毎月の返済上限を自分で決める……いまの家賃+毎月の貯蓄額を目安にすると現実的です。ここに固定資産税・修繕費・管理費などの維持費も加えて考えます。
  3. 先に借入可能額の目安をつかむ……返済シミュレーションや事前審査で目安を把握してから物件を探すと、価格帯で迷う時間が減ります。金融機関ごとに条件は違うので、複数を比べてみてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 頭金は物件価格の何割あればよいですか? 一律の正解はありませんが、【フラット35】では融資率9割以下だと金利が一段低くなるため、「物件価格の1割」がひとつの目安になります。ただし、手元の現金をゼロにしてまで頭金に回すのは危険です。生活費の半年分程度は必ず手元に残すことをおすすめします。 Q. 貯金がないのですが、いま買うべきか、貯めてから買うべきか迷います。 どちらが得かは、今後の物件価格と金利によって変わるため、断定はできません。判断材料としては、貯めている間の家賃も支出であること、一方で頭金が1割あれば金利面で有利になることの両方を天秤にかけるとよいでしょう。ご自身の家計で試算してみてください。 Q. 転職したばかりでも住宅ローンは組めますか? 勤続年数の扱いは金融機関によって異なります。【フラット35】には勤続年数の要件がなく、返済負担率で判断されます。詳しい取扱いは各金融機関にご確認ください。 Q. 収入合算やペアローンを使えば、もっと借りられますか? 借入可能額は増える可能性がありますが、2人分の返済義務を負うことになります。将来どちらかが働き方を変える可能性も含めて、慎重に検討してください。【フラット35】の場合、申し込めるのは連帯債務者を含めて2名までです。 Q. いま金利が上がっているようですが、待ったほうがよいですか? 将来の金利は誰にも予測できないため、「待つべき」とも「急ぐべき」とも申し上げられません。確かなのは、金利が上がると同じ年収でも借りられる額が下がるということです。だからこそ、金利が変わっても耐えられる返済額かどうかで判断するのが現実的です。

まとめ

頭金がなくてもマイホームは手に入ります。ただし、頭金の有無で金利や総返済額が変わること、そして諸費用には現金が必要な場合があることは、あらかじめ知っておいてください。 そのうえで、金融機関選びも大切です。たとえばSBI新生銀行の住宅ローンは、保証料と一部繰上返済手数料が0円、上乗せ0円の一般団信のほか全疾病保障付団信も用意されており、諸費用の全体像がつかみやすいのが特徴です。店舗での相談とオンライン手続きの両方に対応しているので、「まず何から聞けばいいのかわからない」という方でも進めやすい選択肢のひとつといえます。 最新の金利・手数料・申込条件は各金融機関の公式サイトでご確認のうえ、いくつかの候補を並べて比べてみてください。比べることそのものが、いちばん確実な「した方が良いこと」です。

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